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アカデミー
アカデミー生活開始です。
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「アステード先生。これはどうしたら良いですか?」
今日も呼ばれて、手伝いをしている。
今日こそ何事もなく、友人と買い物を楽しんでから寮に帰ってと計画していたんだけどなぁ。
いつも仲良くしている友人やクラスメイトの情報で、美味しいスイーツの店が最近できたとか。
アカデミーからも結構近い場所にあるらしい。
そして、その店にあるモノが…
『生クリーム』と言うものが乗っているらしい食べ物。
この世界には、色んな甘味はあったが、『生クリーム』と言うものは無かった。
バタークリームはあるけど、僕的には苦手だったんだよね。
好きな子もいるけどね。
そんな話を休み時間に友人と話して、『それじゃ、帰りに食べに行こう!』って話になった。
物凄く楽しみにしていたんだ。
友人とのスイーツ巡り。
アカデミーでできた友人のシルビィは、茶髪茶色の瞳の可愛らしい少年で、背丈は僕とほぼ一緒。
甘い物が大好きで、学食でも量の少ない物を選んで食べた後、必ずスイーツを食べていた。
いつも幸せそうにだ。その食べ方も可愛らしいって感じなんだ。
当たり前のようにカルバンが横の席に陣取って座り、幸せそうにしていた。
紅髪に蒼瞳の細マッチョ風のカルバンが、シルビィが食べきれなさそうにしていたら、横から手を出して食べていた。
側から見てもホント甘々な雰囲気だ。
それを時々打ち破るようにツッコミを入れるのがスレイン。
青い髪に、エメラルド色の瞳。一見女性のように見える美丈夫の彼だが、そのツッコミは時として辛辣だった。
見ていて楽しいよ。そのやり取りが。
黄金色の髪にエメラルド色の瞳の目立つ容姿のグレイスは、大量の学食を黙々と食べている。
『獅子族』だからそんなに入るのかって感じだ。
そんな友人達と、食べ歩くのは結構楽しい。
侍従達は離れてついてくる事もあるし、寮に戻って待っていてくれる事もあるんだ。
友人達は、シルビィ以外、結構強いしね。
「楽しみにしてたのになぁ~」
小声で呟きながら、いつも通り作業に取り掛かる。
先生の資料は多岐に渡り、量も多い。
それを確認しながら振り分けていく。
これらを駆使して、学生達にいかに分かりやすく、理解できるようにと考慮して教えていくための配布資料が作られていくのか。
もう、いつも思うけど、参考書レベルと言っても良い物だ。
本当に参考書だよ。
他の先生はここまでやらない。
一部の講師が、少し感化して作り出し始めたとは聞いているけれど、確か若手の講師達だとか。
自分の確認作業にもなるとか言いながら。
でも、時間がかかるから、結構苦労しているみたいだ。
この資料、他のクラスの生徒が譲ってほしいと言って来たらしい。
クラスメイトの誰かが言っていた。
見せはするけど、譲りはしなかったとも言っていたな。
いっその事、そう言う部署に持っていって製本し、売り出せば良いと思うぐらいだ。
絶対に売れると思うよ。これだけ人気なのだから。
でも、先生はそうしないんだよね。
授業で使って、分かりにくかったり、不足だと思われる物は書き込み追加して、保存していた。
また使う時に必要だからと。
『自分は一講師だからね』ってウインクされた。
まぁ、聴き流し、受け流したけど…
せっせと作業に奮闘する。
実は、この資料の山の中には、僕自身興味があるものもあり、お宝探しみたいで楽しくもあったりするのも事実なんだ。
決して言う事はないけれど…
「いつもありがとう。後でご褒美あげるからね」
不意打ちのように耳元で呟かれる。
僕はどうも耳元で呟かれるのは苦手なようだ。
ドキドキする。
そのまま頬にチュッとキスを贈られ、抱き込まれた。
それを逃げるようにして、しゃがみ込んでしまった。
いつもここまでする事はなかったのに、今日はどう言う事だ?
講師と学生として、距離を置いていたはずだ。
ここはアカデミー。自宅の屋敷とかではない。
いつも節度を守って、ここでは余程のことがなければ、触れる事なく接してくれていたはずだ。
手伝いと称して、この部屋、同じ空間にいたとしても。
なのに、何で?
クスクス笑っている。
何でそんな目で今見るんだ?
今日も呼ばれて、手伝いをしている。
今日こそ何事もなく、友人と買い物を楽しんでから寮に帰ってと計画していたんだけどなぁ。
いつも仲良くしている友人やクラスメイトの情報で、美味しいスイーツの店が最近できたとか。
アカデミーからも結構近い場所にあるらしい。
そして、その店にあるモノが…
『生クリーム』と言うものが乗っているらしい食べ物。
この世界には、色んな甘味はあったが、『生クリーム』と言うものは無かった。
バタークリームはあるけど、僕的には苦手だったんだよね。
好きな子もいるけどね。
そんな話を休み時間に友人と話して、『それじゃ、帰りに食べに行こう!』って話になった。
物凄く楽しみにしていたんだ。
友人とのスイーツ巡り。
アカデミーでできた友人のシルビィは、茶髪茶色の瞳の可愛らしい少年で、背丈は僕とほぼ一緒。
甘い物が大好きで、学食でも量の少ない物を選んで食べた後、必ずスイーツを食べていた。
いつも幸せそうにだ。その食べ方も可愛らしいって感じなんだ。
当たり前のようにカルバンが横の席に陣取って座り、幸せそうにしていた。
紅髪に蒼瞳の細マッチョ風のカルバンが、シルビィが食べきれなさそうにしていたら、横から手を出して食べていた。
側から見てもホント甘々な雰囲気だ。
それを時々打ち破るようにツッコミを入れるのがスレイン。
青い髪に、エメラルド色の瞳。一見女性のように見える美丈夫の彼だが、そのツッコミは時として辛辣だった。
見ていて楽しいよ。そのやり取りが。
黄金色の髪にエメラルド色の瞳の目立つ容姿のグレイスは、大量の学食を黙々と食べている。
『獅子族』だからそんなに入るのかって感じだ。
そんな友人達と、食べ歩くのは結構楽しい。
侍従達は離れてついてくる事もあるし、寮に戻って待っていてくれる事もあるんだ。
友人達は、シルビィ以外、結構強いしね。
「楽しみにしてたのになぁ~」
小声で呟きながら、いつも通り作業に取り掛かる。
先生の資料は多岐に渡り、量も多い。
それを確認しながら振り分けていく。
これらを駆使して、学生達にいかに分かりやすく、理解できるようにと考慮して教えていくための配布資料が作られていくのか。
もう、いつも思うけど、参考書レベルと言っても良い物だ。
本当に参考書だよ。
他の先生はここまでやらない。
一部の講師が、少し感化して作り出し始めたとは聞いているけれど、確か若手の講師達だとか。
自分の確認作業にもなるとか言いながら。
でも、時間がかかるから、結構苦労しているみたいだ。
この資料、他のクラスの生徒が譲ってほしいと言って来たらしい。
クラスメイトの誰かが言っていた。
見せはするけど、譲りはしなかったとも言っていたな。
いっその事、そう言う部署に持っていって製本し、売り出せば良いと思うぐらいだ。
絶対に売れると思うよ。これだけ人気なのだから。
でも、先生はそうしないんだよね。
授業で使って、分かりにくかったり、不足だと思われる物は書き込み追加して、保存していた。
また使う時に必要だからと。
『自分は一講師だからね』ってウインクされた。
まぁ、聴き流し、受け流したけど…
せっせと作業に奮闘する。
実は、この資料の山の中には、僕自身興味があるものもあり、お宝探しみたいで楽しくもあったりするのも事実なんだ。
決して言う事はないけれど…
「いつもありがとう。後でご褒美あげるからね」
不意打ちのように耳元で呟かれる。
僕はどうも耳元で呟かれるのは苦手なようだ。
ドキドキする。
そのまま頬にチュッとキスを贈られ、抱き込まれた。
それを逃げるようにして、しゃがみ込んでしまった。
いつもここまでする事はなかったのに、今日はどう言う事だ?
講師と学生として、距離を置いていたはずだ。
ここはアカデミー。自宅の屋敷とかではない。
いつも節度を守って、ここでは余程のことがなければ、触れる事なく接してくれていたはずだ。
手伝いと称して、この部屋、同じ空間にいたとしても。
なのに、何で?
クスクス笑っている。
何でそんな目で今見るんだ?
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