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アカデミー
アカデミー生活開始です
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入学式なども無事に終わり、学生として楽しく過ごす毎日…のはずなんだけど、不思議な景色が見えるよ。
うん。あれだ。
『番』と一緒に行動する者とか、意中の人を求める人とか…
そこから逃げようとする者もいる。
従者がいるから、ひどい事は起こっていないようだけど、権力をかざす人はどの世界でもいるんだなぁ…
『ヒト族』は勘違いされやすいから、気をつけるように言われているのが良くわかる場面にも出くわした。
僕の場合は、何故かそんな事には遭遇しないはずなんだけど…
「カルロス、友人だろう?助けて!」
そう言って、僕を隠れ蓑にする友人はどうかと思うよ。
「シルビィ。そうやってカルロスの背後に隠れてないで、俺のそばに来い」
「やだよ。すぐに抱き込んだり、膝の上に座らそうとするじゃないか!恥ずかしいんだよ!!」
『ヒト族』の友人シルビヌクスことシルビィと、その『番』の『竜人族』のカルバンだ。
この二人。クラスメイトであり、親しい友人にもなった。
席も近くで、入学当初シルビィが僕に声をかけてきて、その後カルバンがついて来た感じだったけど、何かとフォローしてくれる世話焼きのいい友人だ。
「またカルロス君を巻き込んでるんですか?」
「ほんと、仕方ないやつだな」
そう言って、笑いながら近寄って来たのは、『エルフ族』のスレインと、『獣人族』のグレイスだった。
グレイスは、初め僕を『番』と勘違いして自己アピールして来たのだが、スレインに僕につけられているらしい『マーキング』を指摘されて慌てていた。
それからの友人だ。
スレインは一見穏やかで優しそうに見えるけど、怒らせたらかなりヤバい。
この前、上級生の人にアピールされて、キレていた。
廊下が一部凍っていた。
もう、尖った氷がいくつか床から生えてきたかのように、ペキペキと。
そうそう、グレイスは単純な感じに見えるけど、すごく優しかった。
初めの印象が…まぁ、あれなんだけどさ~。
ちょうど昼食の時間で、食堂に行こうって感じだったんだ。
アカデミーには、学食が取れる場所が二ヶ所ある。
ガッツリ食べたい学生用のビュッフェタイプ。
好きな物を好きなだけ取れるからね。
後、軽食を好む学生用に、カフェテリアタイプだ。
僕たちは、カルバンとグレイスがいるから、ビュッフェタイプの方に向かった。
二人ともかなりの量を食べるからね。
カフェテリアの方のランチでは足りないらしい。
一度お昼にそこに行ったんだけど、ランチ何人前を頼んだんだろうか…
まるでおかわりのように注文するから、シルビィと二人で恥ずかしかった。
僕の兄達もけっこう食べる方だけど、カフェでは決してそんな事はしない。
場所に応じて注文を考えて食べてくれている。
これは、母がしっかり教えたらしい。
父も、母の希望に沿うからね。
あの二人の喧嘩は、最後はいつも父が折れているからな。
惚れた者の弱み?
寝室に向かうのは…まぁ、ね…
トレイにお皿を置いて好きな物を入れて行く。
時々スレインにチェックされてしまうんだけどね…
好き嫌いなくって感じで、体調に合わせて選んでくれてるのもある。
将来医師になると言っていたから、体調管理の練習?実験台?
そんな事を言ったら怒られそうだから、ありがたく従う。
「あなたは、また肉ばかり取って。野菜も食べなさいといつも言っているでしょう!」
オカンだった。カルバンとグレイスにも注意していた。
シルビィは僕の側でクスクス笑っている。
うん。あれだ。
『番』と一緒に行動する者とか、意中の人を求める人とか…
そこから逃げようとする者もいる。
従者がいるから、ひどい事は起こっていないようだけど、権力をかざす人はどの世界でもいるんだなぁ…
『ヒト族』は勘違いされやすいから、気をつけるように言われているのが良くわかる場面にも出くわした。
僕の場合は、何故かそんな事には遭遇しないはずなんだけど…
「カルロス、友人だろう?助けて!」
そう言って、僕を隠れ蓑にする友人はどうかと思うよ。
「シルビィ。そうやってカルロスの背後に隠れてないで、俺のそばに来い」
「やだよ。すぐに抱き込んだり、膝の上に座らそうとするじゃないか!恥ずかしいんだよ!!」
『ヒト族』の友人シルビヌクスことシルビィと、その『番』の『竜人族』のカルバンだ。
この二人。クラスメイトであり、親しい友人にもなった。
席も近くで、入学当初シルビィが僕に声をかけてきて、その後カルバンがついて来た感じだったけど、何かとフォローしてくれる世話焼きのいい友人だ。
「またカルロス君を巻き込んでるんですか?」
「ほんと、仕方ないやつだな」
そう言って、笑いながら近寄って来たのは、『エルフ族』のスレインと、『獣人族』のグレイスだった。
グレイスは、初め僕を『番』と勘違いして自己アピールして来たのだが、スレインに僕につけられているらしい『マーキング』を指摘されて慌てていた。
それからの友人だ。
スレインは一見穏やかで優しそうに見えるけど、怒らせたらかなりヤバい。
この前、上級生の人にアピールされて、キレていた。
廊下が一部凍っていた。
もう、尖った氷がいくつか床から生えてきたかのように、ペキペキと。
そうそう、グレイスは単純な感じに見えるけど、すごく優しかった。
初めの印象が…まぁ、あれなんだけどさ~。
ちょうど昼食の時間で、食堂に行こうって感じだったんだ。
アカデミーには、学食が取れる場所が二ヶ所ある。
ガッツリ食べたい学生用のビュッフェタイプ。
好きな物を好きなだけ取れるからね。
後、軽食を好む学生用に、カフェテリアタイプだ。
僕たちは、カルバンとグレイスがいるから、ビュッフェタイプの方に向かった。
二人ともかなりの量を食べるからね。
カフェテリアの方のランチでは足りないらしい。
一度お昼にそこに行ったんだけど、ランチ何人前を頼んだんだろうか…
まるでおかわりのように注文するから、シルビィと二人で恥ずかしかった。
僕の兄達もけっこう食べる方だけど、カフェでは決してそんな事はしない。
場所に応じて注文を考えて食べてくれている。
これは、母がしっかり教えたらしい。
父も、母の希望に沿うからね。
あの二人の喧嘩は、最後はいつも父が折れているからな。
惚れた者の弱み?
寝室に向かうのは…まぁ、ね…
トレイにお皿を置いて好きな物を入れて行く。
時々スレインにチェックされてしまうんだけどね…
好き嫌いなくって感じで、体調に合わせて選んでくれてるのもある。
将来医師になると言っていたから、体調管理の練習?実験台?
そんな事を言ったら怒られそうだから、ありがたく従う。
「あなたは、また肉ばかり取って。野菜も食べなさいといつも言っているでしょう!」
オカンだった。カルバンとグレイスにも注意していた。
シルビィは僕の側でクスクス笑っている。
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