竜の国のご都合主義？

驚きは急にやってくる

誕生日

「アルスト、ずっと皆んなが出たまんまで、僕の魔力大丈夫なの？尽きない？」

魔力の枯渇は大変な事になる。
『死』に直結してしまうんだ。
沢山の英霊が僕のために姿を現せるこの『英霊召喚』のスキルはすごく嬉しいけど、心配だ。

「大丈夫ですよ。他の者とは違い、マスターの場合は、『召喚』の時に魔力が使われるだけで、我らがこの世界でマスターのために力を奮っている分には必要ありません。己らでこの世界の魔力を勝手に吸収してますから」
「そうそう。それに、私達二人でマスターには勿論、マスターが呼び出した英霊にも癒しを施しますから、ご安心ください」
「まぁ、大丈夫よ。任せて。ほんと、我が甥っ子のスキルは他の人とは別物だね。さすが我が甥っ子だ」

そう言いながら、バンバン背中を叩いてくる。
決して痛くはないが、恥ずかしいから少し痛そうにして逃げた。

「では、私たちは戻らせてもらいますね。あの者達のように身を隠してマスターについている事は残念ながらできかねますので」
「本当に残念です」
「私がいたら、ビックリするだろうしね。それに…見つかると面倒だし…」

最後の言葉は聞き取れなかった。

フッと三人の姿が消えた。
英霊の世界に戻ったのだろう…

ベットにで横になり、掛け物を引き寄せて眠りにつく。

「あの視線は何だったんだろう…」

気にはなりながらも、疲れのせいだろう。瞼が閉じ、そのまま深い眠りについた。