竜の国のご都合主義?

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驚きは急にやってくる

そろそろアカデミー?(ジャディール)

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アカデミーには、講師として潜入する手筈ができた。
あくまで講師であるから、いつも側に居続けることは、残念ながらできない。
非常~に残念だ。
よって、友人に相談して、学生として数名自分の手の者を忍ばせる事にした。
同学年と、あえて上級生としてだ。
二年生で入学であるから、下級生は無い。

この案はなかなか良いと思う。
学園生活で、上級生の助けが必要になる事もある、同級生の友人もだ。
だから、後々、国に支えるにふさわしいと思われる者、私や愛しい者に支えるに値するかどうかの確認も兼ねる事にした。
優秀な人材ならば、それなりに良い仕事をしてくれるだろう。
この国を支える為の人材も大切な宝だ。
私や愛しい者を支える…と言う事は、我が領地を支えると言う事。
領民にとっても、私が治める領地にとっても宝だ。

まぁ、彼らだけに任せる事はしない。
自分自身に仕える影の者達もいるからね。
これだけの構えで、奴は手を出してこないと信じたい。

「はぁ…………本当に奴は懲りないね。あの時潰して仕舞えば良かったと常々思うよ…」
「左様でございますね。あの時はまんまと逃げられましたから…しかし、今回はそのような事がないよう、全力を尽くしますよ」
「頼もしいなぁ。さすがセバスチャン。我が家の筆頭執事であり、頼もしい友人だ。」

「かの方が、アカデミーに御入学される前に、ご婚約をされるのではないのですか?」
「あ~っ、そのつもりだったんだが、この前急にいなくなってしまった事があったから、自宅で厳重体制及び超過保護体制になってしまってね…離したくないと言われてしまったよ。私の『番』なのだから、婚約者としてこの屋敷にさっさと迎えて、囲ってしまいたかったんだが…」
机に突っ伏してしまう。
これも、ヤツのせいだ。本当だったら、もう接近許可が降りていて、あの時の奴のように可愛がり倒したかったのに…
自分は『番』の側にいるために、俺を散々使ったのに、もう忘れたのだろうか…

あまり酷い仕打ちをするようなら、奴の『番』であるユーリに全部バラしてやろうか…

はぁ…………なんで俺の『番』は、奴の子として生まれたんだろうか…


今更だけど…まぁ、それだけの因果が繋がっているのだろう…

「ご準備はすでにできておりますよ。荷物も運んでおりますのでご安心下さい」

セバスチャンが優雅に挨拶をして出て行った。
まぁ、私の事やこの屋敷のことなどで忙しいからなぁ…

書類も確認し終わったし、領主としての仕事も全て指示を出しておいたから大丈夫だろう。
何か問題があれば、竜体となって、この地に戻ってきたら良いだけのこと。
部下の皆んなも優秀だから、そうそう呼び戻される事はないだろうし…

サインが必要な物は、まとめて届けてくれる手筈も整っているし…

講師として仕事をしながら愛しい者の側に行き、守り護る。
そして、領主としての仕事もこなす。
大丈夫だ。いつもと対して変わりはないだろう…

彼とのアカデミー生活を満喫してやろうではないか!!
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