竜の国のご都合主義?

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驚きは急にやってくる

目が覚めた

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両親や兄妹の心配を受けた後、ぐっすりとまた寝てしまっていた。
外からの光を受けて、目を覚ます。

「おはようございます。ご気分はいかがですか?」

側に控えていた男性の声で一瞬ビクッとした。

「どうされましたか?」
「いゃ、何でもない」

彼は昔から僕に仕えてくれている者だ。
この屋敷に古くから仕えてくれている執事長ベスターの息子であり、僕の幼馴染。
良き従者兼護衛だ。
父親であるベスターにかなり鍛えられているらしく、クタクタになっているだろうに常に僕の世話をやきながら、護衛をしてくれていた。

「ジャスティス?」

そっと僕の側に来て、顔色を確認し、脈をとり体調なども確認された。
彼の心配性はかなりのものだと思う。
つい最近では屋敷の専属医師に指南してもらい、僕の体調管理までしだしたのだから…

「大丈夫だよ。もうぐっすり寝たから。ほら、熱も下がっただろ?」
「そうですね…」

そういうと、隣の部屋に行き、着替えをとってきてくれた。
二つの意識が混ざったからか、着替えさせられるのに少し抵抗感があるけれど…

「少しは自分でできるよ」

そう言って、シャツのボタンを留めていく。
全てを着終わって、最後の襟元だけ直してもらった。

「ありがとう。」
「朝食の準備もできていますよ。こちらで召し上がられますか?」

以前遊んでいた時は、タメ口をきいてくれていたのに、いつの頃からか敬語で話され…
寂しいなぁ…

「ねぇ、僕と二人きりの時は、昔みたいに喋って欲しいんだけど…」
「……」
「ダメかなぁ?」
「はぁ…………わかった。オマエの成人のお披露目が近くなってくるから、敬語で丁寧に接するように注意されてるんだが…他の場所や、二人以外では言葉や態度を変えるからな!」
「それで良いよ」

昔の口調に戻ってくれて嬉しい…
思わずニコニコしてしまった。

「それより、俺に内緒にしている事があるだろう?後で吐かせるからな」
「う~ん。何のことかな?食事は食堂で食べるよ」

僕が庭先でいなくなった理由を聞いてるのだろうか??
転生前の記憶が戻った今、少し気になる情報が頭の中を駆け巡る。
何と言ったら良いか…

とにかく、今はごまかそう!!

心の中で握り拳を天に向けて掲げながら気合を入れる自分の姿を想像する。
その横で、旗を振って応援する自分と、冷や汗をかいている自分がいたが、気にしない事にした…
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