竜の国のご都合主義?

文字の大きさ
上 下
10 / 269
驚きは急にやってくる

捜索と…

しおりを挟む
「さて、確かこの辺りだったよな…」
「あぁ、そうだね」
「ここなのですか?」

双子の兄に連れられて訪れた場所。

末っ子の可愛い弟が倒れていた場所。
母は末っ子の看病中。
看病というより介護だな。

熱とか下がっても、なかなか目が覚めなくて、おかげで筋力が少し落ちた弟。
まぁ、過保護でベットの住人にしてしまっている感じがしないでもないが…
だから、介護といった方がスッキリする。

長男は一旦城に報告に行っている。

国内。しかも公爵の敷地内で起こった事だ。
全てが明らかになっての報告の方が本当は良いのだけれど…
情報が曖昧なのは、良くないからね…

なら、何故?
そう、あのバカが屋敷に来たからだ。
あいつは日頃は良くできるヤツなのに、何故か…ポンコツに…

「はぁ…………」

「どうした?」
「何でもないですよ…」
「そっか?そうには見えないけど…あぁ、アレか?心配性だもんなぁ…」

クスクスおかしそうに笑い出す兄と、哀れな視線を送ってくる兄。
くそっ!あのバカのせいだ!!

「それよりも、何か残っていないか探しましょう。兄上、笑ってないで!!」
「「ハイハイ…」」

兄2人の背中を押して、急がせる。
妹は情報を纏めるために屋敷で待機だ。
侍従や騎士達に情報を集めさせてもいるみたいだが…

父上もいるが、屋敷の敷地内で起こった事だから、その辺りを調べているからと、かってでた。
そういう仕事が得意だしな…

双子の兄が、末っ子の魔力や匂いを辿り、見つけた場所。
屋敷から離れた森の石碑の近く。
竜人族である兄だから見つけれたし、ここまで直ぐに来れたのだろう。
ヒト族である自分だと、徒歩か馬を走らせてになるから、いくら魔力で追っても時間がかかる。
移動もそうだし、捜索もだ…

見つけた時には、周囲は小さな光の粒子が側を飛び交っていたらしい。
という事は、自然が豊かで、石碑があるこの場所は、かなり神聖な場所なんだろう。
遺跡や石碑がある場合は神聖な場所が多かったりする。
全てではないけれど…
光の粒子が飛び交うなら、明らかに神聖な場所であると言い切れる。

前に訪れた時は、そこまで感じなかったんだけど…
まぁ、空気が澄んで、聖域ぽいなぁ…ぐらいだったか…
この辺りは魔獣の被害をあまり聞かないなぁ…ぐらいだったか…

石碑の側には綺麗に澄んだ泉があり、リリアンの花が咲き乱れていた。
そよそよと吹き風が心地よい。

「この辺りでカルが横たわってたんだ。特に気になる外傷は無かったし、周りも踏み荒らされた感じも無かった。意識が無かったから、急いで抱いて連れ帰ったんだよな」
「あぁ、妖精は時に魔力を喰ったりするからな…相手の魔力を喰って、力を貸したり護ったりする。場合によっては…考えたくないな…」

あまり害は無いようでも、可愛い弟が単に『喰われる』というのが許せなかったんだろう…
魔力は生命維持に大切だ。枯渇で倒れる事だってあるからな…
それを使って生活したり、守り戦う事だってあるのだから…
量や質にもよるけれど…



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話

gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、 立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。 タイトルそのままですみません。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!

みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。 そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。 初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが…… 架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。

【完結】王子様たちに狙われています。本気出せばいつでも美しくなれるらしいですが、どうでもいいじゃないですか。

竜鳴躍
BL
同性でも子を成せるようになった世界。ソルト=ペッパーは公爵家の3男で、王宮務めの文官だ。他の兄弟はそれなりに高級官吏になっているが、ソルトは昔からこまごまとした仕事が好きで、下級貴族に混じって働いている。机で物を書いたり、何かを作ったり、仕事や趣味に没頭するあまり、物心がついてからは身だしなみもおざなりになった。だが、本当はソルトはものすごく美しかったのだ。 自分に無頓着な美人と彼に恋する王子と騎士の話。 番外編はおまけです。 特に番外編2はある意味蛇足です。

処理中です...