竜の国のご都合主義?

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驚きは急にやってくる

家族会議

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「そう言えば、領地の方は大丈夫でしたか?」

長男であるルシウスが声をかけてきた。

城での仕事は、だいぶん前に子供に託し、自分は領主として妻と双子。末っ子と過ごしていた。
領地の見回りや、地政を行う必要があるからな。
そして、自治領もだが、他領や隣接した他国から依頼を国の指示にて、自然災害援助や魔獣討伐など、多岐に行わなければいけない時もある。

他の子供達は、城での仕事が忙しいのか、首都にある屋敷を拠点に過ごしていた。
政務に関したり、騎士として務めていたりだ。
長男に関しては、両方頑張ってもらっていた。

そんな日々を過ごし、たまたま視察に妻と赴き、末っ子以外の子供達は屋敷に居なかった。
末っ子が居なくなったのだ。

「領地の方収穫は、ほぼ例年通りだが、魔獣被害は増えてきているようだったか…討伐部隊の編成や計画を至急立てる必要があるな。後、例の事も気になっていた。カルが居なくなったと連絡が来た時は、もしやと思ったよ」

屋敷の者達が捜索を開始したが、見つからなかった。
私もだが、行方不明の連絡を受け、家族全員が慌てて屋敷に戻ったのだ。

「国の方も、今年の魔獣被害の問題は上がっています。後、誘拐事件も我が国にも…」
「魔獣被害に便乗して行っている感じなんだよなぁ~。襲われた事にして、実際は攫って闇市って事も他国で問題視されていた。」

先に戻った双子が、末っ子の魔力や匂いを辿り、見つけたのは、屋敷から離れた森の石碑の近くだった。
周囲は小さな光の粒子が側を飛び交っていたらしい。
そして、カルはリリアンの花畑によこたわっていた…
特に気になる外傷は無く、抱いて連れ帰ったと言っていた。

見つかったから良かったが、もし我が子がそんな事に…と思うと…

ピシッピシッと不吉な音が……

「ちょっと…」

側にいた妻に裾を引っ張っられ、ハッとする。
怒気のせいか、窓ガラスにヒビが…

「すまん…」

ついつい不安と苛立ちでやってしまったようだ。
子供達は、いつもの事のように冷ややかに眺め、控えの者達は顔が引き攣っていた。

「今回は無事だったけど、何であんな所に居たんだろうな?」
「でも、周辺での問題もあるし、今回の事もあるから、屋敷の護衛はもう少し必要?」
「護衛もだが、守護結界を考え直す必要ありだな。」
「あと、その問題に関して情報を集めると共に、目先の問題も片すべきだね。」
「とりあえず、明日カルが居なくなった場所と見つかった場所を重点に確認しよう…」
「それもそうだね。」

問題山積みだ。それと、魔獣討伐か……

相談しながら、時に脱線もし、しばらく家族で現状報告と相談など、時間を許す限り行なっていった。
はぁ…………




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