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トリップしたみたいです。

お世話

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浴室に案内されて、一人で脱衣所で服を脱ごうとしたら、止められた。
なぜに?

「レイナ様。入浴は私が手伝わせていただきますので…」
「いやいや、一人でできますよ。大丈夫」
「だめですよ。これも奴隷の仕事の一つです。」
「でもね…」
「レイナ様は、私から仕事を取り上げるのですか?」

腰まで伸びた緑の髪に、蒼瞳のハイエルフであるフレイが、瞳を潤ませてそう訴える。
美人さんのそんな姿には逆らえません。
はい、ごめんなさい。

「お願いします……」

少し俯いて、お願いする。
だって、恥ずかしいんだもの…

よかった、女性の奴隷もいて…
男性ばかりで、こんな事されたら…鼻血ものではすまないよ…

美人さんでもだけど、女性同士だから、まだマシ…

なんて事を考えたら、甘かった。
服を脱がされ、身体を洗われ、湯船に浸かれば頭皮マッサージされて…
高級リゾートでのエステだと考えたらいいのかも知れないけど、超庶民の私ですから、恥ずかしくて、ぷるぷるしてしまいましたよ。気持ちよかったけど…

お風呂上がりには、オイルマッサージもされて、むくみスッキリ、肌プルプルだけどね…
精神的にはガリガリ削られました…

「レイナ様の肌はきめ細かく、しっとりしていますね。羨ましいほどです」

そんな美辞麗句を言われ慣れていない私は、酔いました…
そんな時に、そっと落とされた爆弾一つ…

「レイナ様、ご存知かもしれませんが…」
「???」

ゆっくりと瞳を開けて、視線を合わす。
何かを期待する様な、キラキラした瞳で見られてます…

「高級奴隷とご主人様との大切な儀式な様な者です。月に最低数回の」
「何のこと?」
「ご主人様に何かあってはいけない為の繋がりと、契約、その他諸々で、ご主人様から魔力をいただくのですが…」
「はぁ…」
「魔力が少ない場合は、ご主人様の体液をいただいたり、ご主人様の作られた物を頂いたりするんですよ。レイナ様はどうされますか?私達はどちらでも嬉しいのですが…」

え??それって、奴隷と体液って、まさかのまさか?そんなの無理無理。
後は、作ったものって、料理とかで愛情込めて作ったらOKかなぁ。
愛情も込めれば魔力みたいになるとか…

「レイナ様?」
「えっと、それって、お菓子を焼いてあげたりでも良いのかなぁ…」
「お菓子ですか?そうですね。相手の胃袋をつかむ意味合いも兼ねて良いかもしれませんね。ちなみに、これらを与えられないと、あくまで高級奴隷のみの縛りですが、重篤な状態になりますから、気をつけてくださいね。」

ニコニコしながらそう教えてくれる。
多分、契約説明書を最後まで全部読んでない事がバレてるんだろうね…
そういえば、高級奴隷は特殊で、普通の奴隷と違う縛りがあるらしい。
ご主人様が自分よりも能力が低いと見下したりしない様に…だったかな?

気をつけとこう…
だって、3人いるものね…私にとっては、家族みたいな関係になってくれたら嬉しいけど…
この世界で一人ぼっち。だから、主従関係で線引きされるのも寂しいし…
出会ってすぐには無理かもしれないけど、安心できる保護者的な人が欲しいんだもの…
贅沢かもしれないしね…

考え事をしてるうちに、着替えさせられ、髪も乾かされた。
彼女の風魔法でいつのまにか乾いてるって感じだ。
さすが、ハイエルフ…

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