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新婚生活

それはいきなりやって来た。

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いつもと同じ感じの時間を過ごし、少し食べすぎたと思って散歩に出かけた。
散歩といっても、城内の庭園をゆっくりと巡るだけ。
疲れたら、座れる場所もあるし、綺麗に咲き乱れた花々を見てると癒される。

なんとなくお腹が張った気がしたが、この頃時々見られる事だし、先生ももうすぐだと言ってたから、そのせいかなぁ…ぐらいに思っていた。

「こんな所にいたのか。心配した」

そう言って迎えに来た夫にそっと抱き締められ、頬を撫でられる。
初めの頃は、恥ずかしすぎる行為も、回数を踏まえれば、素直に受け入れられている自分がいた。

「身体が冷えてる。部屋に戻ろう」

そう言って、2人で寄り添って部屋に戻る。
そのままベットに横になり、深い眠りについた……んだけど、何か変だ。
お腹の張りもまるで波があるようで……

急いで主治医を呼んでもらう。
もしかしたら、陣痛??
今はまだ大丈夫だけど……

「妃殿下。大丈夫ですか?お腹の張った感じはいかがですか?破水した感じは?」

夫は寝室から出されて、診察を受ける。
先生いわく、出産が近いとのこと。
そのまま、寝室が陣痛室及び分娩室と化した。

綺麗なタオルやお湯の準備。
その他色々とバタバタしだす。
私は時折襲いかかる陣痛に少し苦しみながらも、何とか持ち堪えた。
腰が抜けるように重だるく。時には締め付けられるような痛みを感じた。
呼吸で何とか紛らわせながら、悲鳴のような叫びだけはあげたくないと、何とか堪える。

周りの声掛けにあわせて、呼吸を整え………




「おぎゃ~」


「うまれた……」
「妃殿下。元気な男の子ですよ」

そう言って、お腹の上に乗せられた。
産まれたばかりの男の子。
そっと手を伸ばし、小さな手を握りしめる。
我が子との対面に、神に感謝した。
愛おしくて、たまらない……

「さぁ、産湯で綺麗にしてきますね」

そう言って、抱き上げられ、産湯に入り、綺麗なベビー服を着て父親になった彼の元に行ったようだ。
ドアの向こうで歓喜の叫びが聞こえる。
少し大袈裟だな…何て思ったけど、それだけ喜んでくれたのなら良かった。

子を抱いたまま私の側に来た夫は、初めて見る涙顔だった。
泣いているのに、綺麗な顔なのは何故だろうか…
でも、それだけ喜んでくれたのなら、良かった。

「私の家族を、子を産んでくれてありがとう。これからは、子供も君も、この国も民も守って行くよ」

そう言うと、私の側に子供を寝かせ、親子共々抱き締められた。
何て幸せなんだろうか。
これから大変だろうけど、頑張っていこうと心から誓った。




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