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新婚生活
気配が…
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「ん?」
急に愛しい者の気配が消えた。
ラフレシア・フィリミア・アジェスタもとい、ラフレシア・フィリミア・エスレラルド。
愛しいラフィ。
エスレラルドの王太子である自分には、城内の執務以外にも視察などの所用の仕事がある。
やっと手に入れた妻。
その彼女の気配が消えた……というか、薄くなった。
3歳の時に出会った愛しい人。彼女を手に入れるために、まぁ、色々と努力して、この国に嫁いできた。
彼女には、特殊なネックレスを贈っているから、どこに行こうとわかるのだが……
だが、気配がかなり薄い。
こういう事は……そう言えば、過去の文献にあったか……
エスレラルド。我が国は、本とかでは海と山に囲まれた軍事国家でもあり、一部農業の盛んな地域や漁業が盛んであり、軍事国家特有の他国吸収が遥か昔にあったので、その地域地域の特色がある。南の方は農業に特化し、北は海に面しているので漁業が盛んで、東は銅山など鉄鉱石が取れたりするので、武器や金物などが盛ん。中央都市は湖もあり、のどかで綺麗な景色の場所もある。そんな特色と、特別強い魔力のを持つ王族がいるのだ、妖精たら、精霊、その他がいてもおかしくはない。元に、今妻が迷い込んだというか…多分連れて行かれたのであろう場所は…
「エリオス!」
「お呼びでしょうか?」
金色のストレートヘヤーで、眼鏡をかけた美丈夫であるこの男。
私の騎士ではあるが……
「ラフィの気配が消えた…というか、薄くなった。」
「えっ?ラフィ様が?」
「消えたというか、薄くなったのですか?それは、もしかして…」
「あぁ、多分……」
「やってくれましたか……確かに、あの方の魔力は……いえいえ、私ではないですよ。」
「お前でないのは分かっている。が…」
「同胞……でしょうね…」
「どうにかしてこい。」
「わかりました。取り敢えず、立ち入り許可ですね。」
そう言って、エリオスは部屋から出ていった。
臨時の執務室で、イライラしながら待つ。
エリオスはこの国で私に仕えている騎士ではあるが、精霊王の遠い縁者だ。
いわゆる精霊騎士。
この国でも珍しくはあるが、ゼロではない。
上手く紛れ込んでいるから、わかりにくいが……
遥か昔、この国の建国王と精霊王の条約とかで、そうなっている。
詳しくは国家機密だから、これ以上は説明できない。
だが、だからといって、人攫いのようなことが許されるはずもなく、例え妖精の悪戯でも……
それ以前に、私の宝を連れ去るなど…
「殿下、連絡してきましたよ。許可を頂きました。どうしますか?今すぐに?」
「すぐにだ!!」
そう言って立ち上がり、とある場所に行く。
「エリオス!」
「はいはい。どうぞ。」
そう言ってエリオスに転回させたのは、妖精や精霊のいる世界への入り口。
人目につくわけにも行かないから、エリオスに急作り場所を確保した所に転回させたのだ。
2人でその入り口から入ると、すぐさま入口は塞がり見えなくなる。
ただ単に、摩訶不思議な道を歩いていく。
決して暗がりだとか、ゴツゴツした岩肌とかではない。
歩くのに困りはしないが、不思議な草花や蔓などに囲まれたアーチ状の道だ。
場所によっては道が変わるらしいが、今回の場所はこの道なのだろう……
少しイラつくも、道の浄化作用などのせいか、イライラが収まり冷静になる。
「殿下、この先に妖精王がお待ちです。喧嘩しないでくださいね。後々めんどくさいので…」
「喧嘩はしないが、嫌味の一つも言いたいな。」
少し悪い顔をしている自覚はある。
大切なラフィを連れ去ったのだからな……
急に愛しい者の気配が消えた。
ラフレシア・フィリミア・アジェスタもとい、ラフレシア・フィリミア・エスレラルド。
愛しいラフィ。
エスレラルドの王太子である自分には、城内の執務以外にも視察などの所用の仕事がある。
やっと手に入れた妻。
その彼女の気配が消えた……というか、薄くなった。
3歳の時に出会った愛しい人。彼女を手に入れるために、まぁ、色々と努力して、この国に嫁いできた。
彼女には、特殊なネックレスを贈っているから、どこに行こうとわかるのだが……
だが、気配がかなり薄い。
こういう事は……そう言えば、過去の文献にあったか……
エスレラルド。我が国は、本とかでは海と山に囲まれた軍事国家でもあり、一部農業の盛んな地域や漁業が盛んであり、軍事国家特有の他国吸収が遥か昔にあったので、その地域地域の特色がある。南の方は農業に特化し、北は海に面しているので漁業が盛んで、東は銅山など鉄鉱石が取れたりするので、武器や金物などが盛ん。中央都市は湖もあり、のどかで綺麗な景色の場所もある。そんな特色と、特別強い魔力のを持つ王族がいるのだ、妖精たら、精霊、その他がいてもおかしくはない。元に、今妻が迷い込んだというか…多分連れて行かれたのであろう場所は…
「エリオス!」
「お呼びでしょうか?」
金色のストレートヘヤーで、眼鏡をかけた美丈夫であるこの男。
私の騎士ではあるが……
「ラフィの気配が消えた…というか、薄くなった。」
「えっ?ラフィ様が?」
「消えたというか、薄くなったのですか?それは、もしかして…」
「あぁ、多分……」
「やってくれましたか……確かに、あの方の魔力は……いえいえ、私ではないですよ。」
「お前でないのは分かっている。が…」
「同胞……でしょうね…」
「どうにかしてこい。」
「わかりました。取り敢えず、立ち入り許可ですね。」
そう言って、エリオスは部屋から出ていった。
臨時の執務室で、イライラしながら待つ。
エリオスはこの国で私に仕えている騎士ではあるが、精霊王の遠い縁者だ。
いわゆる精霊騎士。
この国でも珍しくはあるが、ゼロではない。
上手く紛れ込んでいるから、わかりにくいが……
遥か昔、この国の建国王と精霊王の条約とかで、そうなっている。
詳しくは国家機密だから、これ以上は説明できない。
だが、だからといって、人攫いのようなことが許されるはずもなく、例え妖精の悪戯でも……
それ以前に、私の宝を連れ去るなど…
「殿下、連絡してきましたよ。許可を頂きました。どうしますか?今すぐに?」
「すぐにだ!!」
そう言って立ち上がり、とある場所に行く。
「エリオス!」
「はいはい。どうぞ。」
そう言ってエリオスに転回させたのは、妖精や精霊のいる世界への入り口。
人目につくわけにも行かないから、エリオスに急作り場所を確保した所に転回させたのだ。
2人でその入り口から入ると、すぐさま入口は塞がり見えなくなる。
ただ単に、摩訶不思議な道を歩いていく。
決して暗がりだとか、ゴツゴツした岩肌とかではない。
歩くのに困りはしないが、不思議な草花や蔓などに囲まれたアーチ状の道だ。
場所によっては道が変わるらしいが、今回の場所はこの道なのだろう……
少しイラつくも、道の浄化作用などのせいか、イライラが収まり冷静になる。
「殿下、この先に妖精王がお待ちです。喧嘩しないでくださいね。後々めんどくさいので…」
「喧嘩はしないが、嫌味の一つも言いたいな。」
少し悪い顔をしている自覚はある。
大切なラフィを連れ去ったのだからな……
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