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自国を思い

お仕置き?

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起きたら、やっぱり自宅ではなかった……
まぁ、私の部屋ではあるんだけど……

しかも、身体に拘束を感じた。
ほどよく温かく……でも、動けない~~~~~

「ん………おはよう。起きた?」

さらに拘束が強まる。
背後から抱きしめられた身体を回され、頬に彼の胸元を感じた。

頬が染まり、火照ってくる。

「恥ずかしいから、離して……」
「可愛いなぁ。でも、どうして離さないといけない?もう、私のものにしても良いよね。」
「いいわけ………ん……」

抱きしめていたものが、体の位置をずらしながら、頬や首筋に唇を滑らし、唇を奪われた。
少し息苦しくなり、かすかに開いた口元から割り開くように舌を入れられ、蹂躙される。
逃げ惑う舌を捕らえられ、吸われる。上顎や下顎を舐められ、歯列を這わし、翻弄された。

「はぁ……はぁ……」

ボーッとしている間に、胸元をくつろがされ、彼の掌が滑り込んできた。

「やぁ~~~」

何とか拒絶の言葉が出たが、すぐに飲み込まれる。

「大丈夫。最後までしないよ。それは、婚儀まで待つ。でも、それ以外はもらうね。」

そう言って、胸の頂を刺激され、背中や腰。腹部へと掌を滑らしていく。
ゾクゾクする。
未知の体験に戸惑うが、彼に翻弄され過ぎいて、ついていけない……

思わず涙が伝う。

「うっ…………」

そっと唇で涙を拭われる。
くつろがされた服を元に戻され、耳許で呟かれる。

「ごめん、いじめすぎた。これ以上はしないから、泣かないで……君が私から逃げようとしたから……。もう逃げないで。私のものになって。約束してくれたら、婚儀までは、これ以上しないよ。」

何もかもが初めてで、今は考えられず……
とりあえず、うなずいた。

「ありがとう。婚儀は3ヶ月後だ。本当は今日でも良いんだけどね。他国にも招待しないといけないし、国中の準備もいるからね。愛しているよ。」

そう言って、抱きしめられた。
もう、覚悟を決めよう。
これだけ求められるのは、ありがたいのかもしれない。

自分の国で、ずっといる事は叶わなかったけど、この国を守り、母国も守れたら良いのではと考え直す。
今は、少し頭を休めよう……

そう思い、力を抜いた……
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