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自国を思い
連れ帰る
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彼女の自宅にお邪魔する。
家の者達は、少し驚き、戸惑っていたが、私が来るだろう事は想像できていたようだ。
流石だと思う。
リビングに案内され、ソファーでお茶を頂きながら、愛しい者の帰りを待つ。
迎えに行くことも、婚儀のことも全て伝えていたからね。
しばらくして、帰って来たようだ。
さて、捕らえるか……
「信じられない………。なんでここにいるのよ!!」
彼女の一声はそんな驚きの声だった。
当たり前でしょ。妻にすると言っているのだから、迎えに来るのは……
目を見開いて、プルプルしている姿も愛らしいな。
「ラフィ、お帰り。迎えにきたよ。」
「迎えって……」
そう文句を言っている彼女の側に行くため、すっと立ち上がり、近づく。
ラフィは、ジリジリと後退するも、コンパスの差は歴然だ。
壁に追い詰め、逃がさない。
両手で逃げ道を塞ぎ、少し屈んで覗き込む。
頬を朱に染めて、潤んだ瞳で見上げられた。
恥ずかしそうだね。でも、その表情はダメだ。
他の者に見せれない。
そして、私を煽らないで……
可愛すぎるだけだから…
「ふふっ、顔が赤いね。可愛い。」
「可愛いじゃないわよ。嬉しいけど……じゃなくて、どうしてここにいるの!!」
「ん?迎えにきたって言ったよ。言っただろ、逃がさないって。どんな手を使ってもね。」
彼女が両手で私の胸を押して、少しでも空間を作ろうと頑張るんだけど、離れる気はないしね……
「私もそれなりに鍛えてるからね。君に負ける気はしないよ。君より弱い夫は嫌でしょ?」
そう言って、頬に口づけた。
自分の城なら、直ぐに押し倒したいけど、ここはラフィの自宅。
我慢は辛いなぁ……
「もう、里帰りは良いだろう?マリッジブルーなのはわかるけどね。」
「まだ、結婚するって決まってない。婚約もしてないのに。」
「そうだね、私から無理強いの婚約だものね。これを渡した時点で、私の妃なんだけどね。」
「そんな、騙し討ちみたいな……」
「そうだね。でも、これを渡す以前から打診はしてたんだ。君と出会って直ぐにね。それから、君にそんな相手が来ないように色々と……」
「色々って……何かしたの……」
「ふふっ、君が私のものだって知ってもらってただけだよ。色んな国の人達にね。ちなみに、この国ににもね……」
そう言いながら、彼女の髪を一房摘んで、もて遊ぶ。
いろいろしたよ。
当たり前でしょ。
威圧もしたし、部下を使って近寄らさなかった。
場合によっては、力でねじ伏せたが……それは秘密だ。
まぁ、楽しかったけどね……君は知らない……
「君の学園生活でも、私の部下をもぐらせたり、僕自身も密かに会いに行ったりしたんだ。スリリングで楽しかったよ。君の闘う姿もゾクゾクした。国に戻っても、剣術はして良いよ。騎士になりたいと言うのは少し無理があるけど、騎士服を着て城内を歩いたりするのも許すよ。まぁ、他の男たちの目には見せたくないんだけどね。既婚者ぐらいなら、許すかもね…」
「ちょっと待ってよ。今日初めてお城で聞いただけなんだよ。そんなにどんどん話を進めないで…」
「進めないと、君は直ぐに立ち止まり、気がついたら、回れ右で逃げるでしょ?言ったはずだ。逃がさないって。離さないとも言ったはずだよ。」
「でも……」
「あまり我がままで、ここにいると言うのなら、無理矢理連れて帰るよ。例えこの国を滅ぼしても……」
少し過激発言をする。
でも、そのくらいやりかねないんだよね……
来なかったら滅ぼすみたいな……
私の一族は少し特殊だから……
昔はそれが嫌だったんだけど、君に出会ってから、良かったと思っているよ。
使えるものは使わせてもらう。
「まぁ、それは冗談だけどね。」
彼女がホッとしていたら、向こうで呟いている。
「あれは、半分本気だ……」
そう聞こえて来る。
よく理解しているね…
「式の準備は我が国でしたら良いよ。君の母君が準備したドレスを着ても良い。ただし、長居無用。行くよ。そうそう、お前たちも来るんだろ?自力で来る?そうしてくれる?じゃ、待ってるよ。」
そう言うと、彼女をさらに抱き込んだ。
もう良いだろ?帰ろう……
一気に魔力展開して転移。
勿論、我が城の彼女の部屋。
「ふふっ、お帰り。少しは自由を堪能できたね。」
そう言うと、彼女の意識が途切れた。
「このままお仕置きしようと思ったんだけどなぁ……ラフィは私を焦らす天才だね。」
そう呟いて、ベッドに寝かせた。
「起きたら、覚悟してね……」
彼女を見下ろし、舌舐めずりしたのも、内緒だ。
家の者達は、少し驚き、戸惑っていたが、私が来るだろう事は想像できていたようだ。
流石だと思う。
リビングに案内され、ソファーでお茶を頂きながら、愛しい者の帰りを待つ。
迎えに行くことも、婚儀のことも全て伝えていたからね。
しばらくして、帰って来たようだ。
さて、捕らえるか……
「信じられない………。なんでここにいるのよ!!」
彼女の一声はそんな驚きの声だった。
当たり前でしょ。妻にすると言っているのだから、迎えに来るのは……
目を見開いて、プルプルしている姿も愛らしいな。
「ラフィ、お帰り。迎えにきたよ。」
「迎えって……」
そう文句を言っている彼女の側に行くため、すっと立ち上がり、近づく。
ラフィは、ジリジリと後退するも、コンパスの差は歴然だ。
壁に追い詰め、逃がさない。
両手で逃げ道を塞ぎ、少し屈んで覗き込む。
頬を朱に染めて、潤んだ瞳で見上げられた。
恥ずかしそうだね。でも、その表情はダメだ。
他の者に見せれない。
そして、私を煽らないで……
可愛すぎるだけだから…
「ふふっ、顔が赤いね。可愛い。」
「可愛いじゃないわよ。嬉しいけど……じゃなくて、どうしてここにいるの!!」
「ん?迎えにきたって言ったよ。言っただろ、逃がさないって。どんな手を使ってもね。」
彼女が両手で私の胸を押して、少しでも空間を作ろうと頑張るんだけど、離れる気はないしね……
「私もそれなりに鍛えてるからね。君に負ける気はしないよ。君より弱い夫は嫌でしょ?」
そう言って、頬に口づけた。
自分の城なら、直ぐに押し倒したいけど、ここはラフィの自宅。
我慢は辛いなぁ……
「もう、里帰りは良いだろう?マリッジブルーなのはわかるけどね。」
「まだ、結婚するって決まってない。婚約もしてないのに。」
「そうだね、私から無理強いの婚約だものね。これを渡した時点で、私の妃なんだけどね。」
「そんな、騙し討ちみたいな……」
「そうだね。でも、これを渡す以前から打診はしてたんだ。君と出会って直ぐにね。それから、君にそんな相手が来ないように色々と……」
「色々って……何かしたの……」
「ふふっ、君が私のものだって知ってもらってただけだよ。色んな国の人達にね。ちなみに、この国ににもね……」
そう言いながら、彼女の髪を一房摘んで、もて遊ぶ。
いろいろしたよ。
当たり前でしょ。
威圧もしたし、部下を使って近寄らさなかった。
場合によっては、力でねじ伏せたが……それは秘密だ。
まぁ、楽しかったけどね……君は知らない……
「君の学園生活でも、私の部下をもぐらせたり、僕自身も密かに会いに行ったりしたんだ。スリリングで楽しかったよ。君の闘う姿もゾクゾクした。国に戻っても、剣術はして良いよ。騎士になりたいと言うのは少し無理があるけど、騎士服を着て城内を歩いたりするのも許すよ。まぁ、他の男たちの目には見せたくないんだけどね。既婚者ぐらいなら、許すかもね…」
「ちょっと待ってよ。今日初めてお城で聞いただけなんだよ。そんなにどんどん話を進めないで…」
「進めないと、君は直ぐに立ち止まり、気がついたら、回れ右で逃げるでしょ?言ったはずだ。逃がさないって。離さないとも言ったはずだよ。」
「でも……」
「あまり我がままで、ここにいると言うのなら、無理矢理連れて帰るよ。例えこの国を滅ぼしても……」
少し過激発言をする。
でも、そのくらいやりかねないんだよね……
来なかったら滅ぼすみたいな……
私の一族は少し特殊だから……
昔はそれが嫌だったんだけど、君に出会ってから、良かったと思っているよ。
使えるものは使わせてもらう。
「まぁ、それは冗談だけどね。」
彼女がホッとしていたら、向こうで呟いている。
「あれは、半分本気だ……」
そう聞こえて来る。
よく理解しているね…
「式の準備は我が国でしたら良いよ。君の母君が準備したドレスを着ても良い。ただし、長居無用。行くよ。そうそう、お前たちも来るんだろ?自力で来る?そうしてくれる?じゃ、待ってるよ。」
そう言うと、彼女をさらに抱き込んだ。
もう良いだろ?帰ろう……
一気に魔力展開して転移。
勿論、我が城の彼女の部屋。
「ふふっ、お帰り。少しは自由を堪能できたね。」
そう言うと、彼女の意識が途切れた。
「このままお仕置きしようと思ったんだけどなぁ……ラフィは私を焦らす天才だね。」
そう呟いて、ベッドに寝かせた。
「起きたら、覚悟してね……」
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