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緊急事態
緊急事態
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寮で寝ていたら、緊急呼び出しがかかった。
何事かと思い、急いで騎士団詰所に戻る。
そこは、少し緊張感が漂い、ピリピリしている。
「お疲れます。これは一体……」
「ラフレシア・フィリミア・アジェスタ!」
フルネームで呼ばれた。
何事だろう………いつもは『ラフィ』って愛称で呼ばれるのに……
何か嫌な予感………
団長室に入る。
そこには何か大きな紙が広げられ、そして、見たことのある物……
「団長?」
「あぁ、そこに座ってもらえるか?」
そう言って、団長と向かい合わせでソファーに座る。
いつもは、団長の机を前にして、立っての話なのに、そんなに重要な話しなのか?
「気をしっかり持って聞いて欲しい。」
団長が、かなり厳しい表情で、蒼い布に包まれた物を開いて、テーブルの上に置き見せた。
血が付いた騎士団服。そして一太刀の剣。
剣は………兄が持っていた物に似ている。
そして、血の付いたネックレス。ペンダントヘッドには家紋が彫られて……
「こ………これ……は……」
身体が震える……私は何を見せられてる?
兄とは5日前にあった。
確か、辺境の地に行くと言っていた。
今回、共同演習の為に、約1ヶ月とかで……
昔、父と一緒に行った場所。
オーロラが綺麗だった。
確か、医療班もいたし、魔導士達もいたはず。
だから、そんな大きな事故は無いはず……なのに……
「ラフレシア・フィリミア・アジェスタ。これは君の兄君の物で間違い無いよね」
「はい……間違いありません……」
「良いかい、簡潔に言うと、君の兄君、カルディアは現在消息不明だ。」
「えっ?」
どう言うこと?団長、何言ってるの?
「まだ正式に詳しい事は言えない。今調査及び対応中だがらね。でも、君は関係者として伝えておく。他言しないように!」
「はい……」
「君の兄君が参加されていた共同演習時、使われる予定ではなかった爆薬が使われて、大きな被害が起こった。それを機に、隣国が進行。いきなり戦地となり、砦を落とされ、多くのものが亡くなった。」
「…………」
「これは、この知らせを持ち帰ってきた騎士が持ち帰った遺品の一つ。」
「これから、緊急会議及び増援の為に騎士団が派遣されることになる。騎士の先導者として、皇太子殿下が決まっている。この隊からも数名参加する事になる。…………………………」
騎士団長の言っている事が、途中から分からなくなった。
どうやって、その部屋から出て、どうやって寮に戻ったのかも分からない。
ジーク兄様が迎えに来て、自宅に戻ってきたようだが……
母は泣き崩れ、父が慰めている。
兄の嫁は、実家に戻るように言われたが、拒否し、気丈に振る舞っている。
「まだ、死んだとは限らない!私がここで彼をお待ちします!」
そう言って、家の事を、どうにか切り盛りしてくれていた。
父から、明日早く登城し、騎士達と共に行くと言っていた………
なら、私は……私も騎士。他の騎士達に比べたら足手まといになるかもしれない。
でも、国を守るために……
コンコンとドアをノックされる。
入ってきたのは、エルとカイト。
2人とも、心配そうに入ってきた。
決めた………
「エル、カイト、お願いがあります。否とは言わないで欲しい」
何事かと思い、急いで騎士団詰所に戻る。
そこは、少し緊張感が漂い、ピリピリしている。
「お疲れます。これは一体……」
「ラフレシア・フィリミア・アジェスタ!」
フルネームで呼ばれた。
何事だろう………いつもは『ラフィ』って愛称で呼ばれるのに……
何か嫌な予感………
団長室に入る。
そこには何か大きな紙が広げられ、そして、見たことのある物……
「団長?」
「あぁ、そこに座ってもらえるか?」
そう言って、団長と向かい合わせでソファーに座る。
いつもは、団長の机を前にして、立っての話なのに、そんなに重要な話しなのか?
「気をしっかり持って聞いて欲しい。」
団長が、かなり厳しい表情で、蒼い布に包まれた物を開いて、テーブルの上に置き見せた。
血が付いた騎士団服。そして一太刀の剣。
剣は………兄が持っていた物に似ている。
そして、血の付いたネックレス。ペンダントヘッドには家紋が彫られて……
「こ………これ……は……」
身体が震える……私は何を見せられてる?
兄とは5日前にあった。
確か、辺境の地に行くと言っていた。
今回、共同演習の為に、約1ヶ月とかで……
昔、父と一緒に行った場所。
オーロラが綺麗だった。
確か、医療班もいたし、魔導士達もいたはず。
だから、そんな大きな事故は無いはず……なのに……
「ラフレシア・フィリミア・アジェスタ。これは君の兄君の物で間違い無いよね」
「はい……間違いありません……」
「良いかい、簡潔に言うと、君の兄君、カルディアは現在消息不明だ。」
「えっ?」
どう言うこと?団長、何言ってるの?
「まだ正式に詳しい事は言えない。今調査及び対応中だがらね。でも、君は関係者として伝えておく。他言しないように!」
「はい……」
「君の兄君が参加されていた共同演習時、使われる予定ではなかった爆薬が使われて、大きな被害が起こった。それを機に、隣国が進行。いきなり戦地となり、砦を落とされ、多くのものが亡くなった。」
「…………」
「これは、この知らせを持ち帰ってきた騎士が持ち帰った遺品の一つ。」
「これから、緊急会議及び増援の為に騎士団が派遣されることになる。騎士の先導者として、皇太子殿下が決まっている。この隊からも数名参加する事になる。…………………………」
騎士団長の言っている事が、途中から分からなくなった。
どうやって、その部屋から出て、どうやって寮に戻ったのかも分からない。
ジーク兄様が迎えに来て、自宅に戻ってきたようだが……
母は泣き崩れ、父が慰めている。
兄の嫁は、実家に戻るように言われたが、拒否し、気丈に振る舞っている。
「まだ、死んだとは限らない!私がここで彼をお待ちします!」
そう言って、家の事を、どうにか切り盛りしてくれていた。
父から、明日早く登城し、騎士達と共に行くと言っていた………
なら、私は……私も騎士。他の騎士達に比べたら足手まといになるかもしれない。
でも、国を守るために……
コンコンとドアをノックされる。
入ってきたのは、エルとカイト。
2人とも、心配そうに入ってきた。
決めた………
「エル、カイト、お願いがあります。否とは言わないで欲しい」
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