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学園生活
我が家は良いね
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日が落ちて、夕食どきに父が帰って来た。
夕食までに時間があったから、兄とチェスをしながら待ってたのよね。
幼少時には兄に全然敵わなかったけど、この頃は5割の確率で勝てるようになったから、かなり嬉しい。
「ふふっ、今回は私の勝ちね」
「ラフィも強くなったね。これも学校での成果かな?」
負けた時も、勝った時も兄はキチンとアドバイスしてくれるから、とっても勉強になる。ここは何故こうしたの?こうした方が良かったんじゃ?とか、ここに置かれて苦戦した。この戦略は良いねとか。
学校での勉強も役に立ってるけど、兄のアドバイスで勉強になってる方が上のような気がするんだよね。
「ただいま。私の宝物は皆元気かな?」
「カリム、お帰りなさい。着替えは?」
「「父上、お帰り」」
「父様、お帰りなさい」
父は軍服のまま部屋に入ってきた。
子供達を暖かい目で見つめていた母は、手元の刺繍をテーブルに置き、父にお帰りのハグをしている。
相変わらずのラブラブぶりで、見てる方が恥ずかしいです。
慣れたけど……
ちょうどチェスを終えて片付けをしようとしていた時だったので、盤上に置いたままだ。
父が覗きにやって来た。
「今回はラフィの勝ちか。うん。良いね」
チェスのコマの配置をみて頷いていた。
父もかなりの腕らしく、兄は父に教わったとよく言っていた。
私も時々相手にしてもらってらけど、勝てた試しがない。
かなりの手加減では勝てたけどね……それは勝ったカウントにはならないよね。
「カリム、みんな待ってたんだから、着替えて来て食事にしましょう。ね!」
母はそう言って、父を追い立てるように部屋を出た。
メイド達の仕事の関係もあるし、お腹も空くしね。
スタッフの食事や休憩なども考慮しての采配はさすが。
主人がダラダラしてたらね、取れる休憩も取れないし、困るよね。
「ラフィ、片付けるよ」
「ごめなさい。ボ~ッとしてた」
兄は片付けたチェスの駒とチェス盤をメイドに預けた。
父上も直ぐに来るだろうから、行こうか。
兄達に連れられて、食事のために移動した。
兄は婚約者の女性をエスコートして、仲良さそうだ。
綺麗というよりも、可愛らしい感じで、おっとりとしている。近い未来、姉になる方。
後でお話し出来るかな。
父を待つ間、少し皆んなで団らんしたんだけど、聞き上手のようで、優しく微笑んでいた。
いつも女性に対して関心をあまり見せて来なかった兄がこの女性に対しては接し方が全然違うから、驚いたぐらいなんだけどね。ほんと、兄様は女性に対して社交的に笑顔は見せるけど、目が笑ってなくて、適当にあしらうのよね………それも、上手に……そのだしによく使われていたような気もするけど……
お呼ばれで行った会場では常に兄達がそばにいて、世話されたり……
思わず遠い目をしてしまったが、今は私の相手もしてくれるけど、婚約者と仲良くしているから、後で兄様抜きでお話ししよう。聞きたいよね、馴れ初めとかの恋話。
騎士にはなりたいけど、お年頃の女の子だもの。恋話も大好き。
ふふっ、楽しみだ。
「ラフィ、何考えてるの?嬉しそう」
「ジーク兄様。秘密です。ふふっ」
「気になるね。後で兄上と一緒にお話しする?」
ん?兄様の目が………これはやばい。尋問されそうだ……
「ジーク、ラフィを虐めないのよ。」
「母上、虐めるわけないじゃないですか。私の可愛いラフィなのに」
「ジーク兄様は、姉様大好きだものね。くくくっ」
「アル、うるさいよ。後でしっかり特訓してあげようね。」
「げっ」
弟のアルベルトこと、アルは慌てて逃げるようにして席についた。
「私の宝物は楽しそうだね。お待たせ、食事にしよう」
そう言って父が席につき、食事がスタートした。
本来、貴族の食事はあまり会話を楽しまない。
マナー違反だからとかで。
でも、我が家は食事は楽しい方が良いからと会話を良くするから、家に帰ったって実感が湧いてきた。
楽しい~
我が家はやっぱり良いね。うん。
夕食までに時間があったから、兄とチェスをしながら待ってたのよね。
幼少時には兄に全然敵わなかったけど、この頃は5割の確率で勝てるようになったから、かなり嬉しい。
「ふふっ、今回は私の勝ちね」
「ラフィも強くなったね。これも学校での成果かな?」
負けた時も、勝った時も兄はキチンとアドバイスしてくれるから、とっても勉強になる。ここは何故こうしたの?こうした方が良かったんじゃ?とか、ここに置かれて苦戦した。この戦略は良いねとか。
学校での勉強も役に立ってるけど、兄のアドバイスで勉強になってる方が上のような気がするんだよね。
「ただいま。私の宝物は皆元気かな?」
「カリム、お帰りなさい。着替えは?」
「「父上、お帰り」」
「父様、お帰りなさい」
父は軍服のまま部屋に入ってきた。
子供達を暖かい目で見つめていた母は、手元の刺繍をテーブルに置き、父にお帰りのハグをしている。
相変わらずのラブラブぶりで、見てる方が恥ずかしいです。
慣れたけど……
ちょうどチェスを終えて片付けをしようとしていた時だったので、盤上に置いたままだ。
父が覗きにやって来た。
「今回はラフィの勝ちか。うん。良いね」
チェスのコマの配置をみて頷いていた。
父もかなりの腕らしく、兄は父に教わったとよく言っていた。
私も時々相手にしてもらってらけど、勝てた試しがない。
かなりの手加減では勝てたけどね……それは勝ったカウントにはならないよね。
「カリム、みんな待ってたんだから、着替えて来て食事にしましょう。ね!」
母はそう言って、父を追い立てるように部屋を出た。
メイド達の仕事の関係もあるし、お腹も空くしね。
スタッフの食事や休憩なども考慮しての采配はさすが。
主人がダラダラしてたらね、取れる休憩も取れないし、困るよね。
「ラフィ、片付けるよ」
「ごめなさい。ボ~ッとしてた」
兄は片付けたチェスの駒とチェス盤をメイドに預けた。
父上も直ぐに来るだろうから、行こうか。
兄達に連れられて、食事のために移動した。
兄は婚約者の女性をエスコートして、仲良さそうだ。
綺麗というよりも、可愛らしい感じで、おっとりとしている。近い未来、姉になる方。
後でお話し出来るかな。
父を待つ間、少し皆んなで団らんしたんだけど、聞き上手のようで、優しく微笑んでいた。
いつも女性に対して関心をあまり見せて来なかった兄がこの女性に対しては接し方が全然違うから、驚いたぐらいなんだけどね。ほんと、兄様は女性に対して社交的に笑顔は見せるけど、目が笑ってなくて、適当にあしらうのよね………それも、上手に……そのだしによく使われていたような気もするけど……
お呼ばれで行った会場では常に兄達がそばにいて、世話されたり……
思わず遠い目をしてしまったが、今は私の相手もしてくれるけど、婚約者と仲良くしているから、後で兄様抜きでお話ししよう。聞きたいよね、馴れ初めとかの恋話。
騎士にはなりたいけど、お年頃の女の子だもの。恋話も大好き。
ふふっ、楽しみだ。
「ラフィ、何考えてるの?嬉しそう」
「ジーク兄様。秘密です。ふふっ」
「気になるね。後で兄上と一緒にお話しする?」
ん?兄様の目が………これはやばい。尋問されそうだ……
「ジーク、ラフィを虐めないのよ。」
「母上、虐めるわけないじゃないですか。私の可愛いラフィなのに」
「ジーク兄様は、姉様大好きだものね。くくくっ」
「アル、うるさいよ。後でしっかり特訓してあげようね。」
「げっ」
弟のアルベルトこと、アルは慌てて逃げるようにして席についた。
「私の宝物は楽しそうだね。お待たせ、食事にしよう」
そう言って父が席につき、食事がスタートした。
本来、貴族の食事はあまり会話を楽しまない。
マナー違反だからとかで。
でも、我が家は食事は楽しい方が良いからと会話を良くするから、家に帰ったって実感が湧いてきた。
楽しい~
我が家はやっぱり良いね。うん。
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