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遠征という名のお楽しみ

父と夜景

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父と2人で夜空を見に来ています。
エルとカイトはお留守番です。兄も用事が出来たと不参加。
まぁ、良いけどね………
また見に来たら良いし……

しばらくして、目的のものが現れました!
これよこれ、これが見たかったの!!

満点の星空の元、夜空に浮かぶ天空のカーテン!そう、いわゆる『オーロラ』
こちらの世界と、もといた世界とはどうしてこの現象が起きるのか………って事が同じかどうかはわからない。

原理は同じような気もするけど……ほら、この世界、魔力とか魔法とかあるじゃない。全部が同じとは言い切れないのよね……妖精だ、精霊だ、神が………なんて事もあるかも知れないし……

まだまだこの世界の事を把握する必要性ありです。

父様の馬から降ろしてもらい、草原を寝そべって天空を見る。
「綺麗………凄い……」

「この時期は良く現れるらしいよ。でも、見れない時もあるからね。運が良かったね!」
そう言って、頭を撫でられた。
父は側で座っている。

「寒くないかい?」
そう言って、父が上着を貸してくれた。
ぶかぶかです。でもあったかい……

「ねぇ、ラフィは本当に騎士になりたいの?私としてはお姫様でも良いと思うんだけど……」

父がぽそっと聞いてきた。

「剣術は護身術程度で良いと思うんだ。女の子なんだから、無理に危険な……」

ガバッと起き上がり、父の方を見る。
父は部下からも信頼され、特に男女差別をするわけでの無いんだけど、可愛い娘には危険な事はさせたく無いみたい。
よく母に言っていたのを聞いた事がある。
偶々聞いたんだけどね。
夜中こそっと起きて廊下を歩いていた時とか、偶々用事で父や母の部屋を訪ねたときにドア越しでとか……
心配してくれてるのはありがたいのだが、自分の将来は自分で決めたい。

身体と精神年齢が噛み合っていないから、変に思われるかもしれないけど……

「父様、私は女性騎士になりたいです。父様や兄様みたいに強くなって、この国と住民を護れるぐらいに。ダメですか?」

少し上目遣いにうるうる瞳で訴えてみる。

「ダメでは無いが……危険な事も多いよ。なるまでも大変だしね」
「頑張って勉強も鍛錬もします。女性騎士になって、父様や兄様、叔父様達の手助けもしたいの」

はぁ…………
大きなため息をついて、『まぁ、まだ先のことだし…気が変わるかもしれないし……』
そう呟いていた……

クシャッと頭を撫でられて、
「夢に向かって努力する事はいい事だ。怪我だけは気をつけて。危険な事はダメだからね。約束だよ。」
そう言ってくれた。

「寒くなってきたな。身体が冷えて風邪でも引いたら大変だ。戻ろう」

そういうと、ヒョイと抱き上げて、馬に乗せ、その後父もまたがり砦に戻った。
父なりに心配してくれてるんだ。
でもね、夢は諦めませんからね。
馬上で、父が練習場なら訓練してもいいと言ってくれた。
ただし、みんなの邪魔はしないようにと……
演習は砦からの見学!と釘はさされたけどね……
でも、それでも良いかと納得した。

見学も勉強になるしね……
楽しみだ……



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