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時は過ぎ
グレイスの邸宅に
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パーティ予定日前日となった。
私とカイル、亜紀子とグレイスが待つ邸宅につく。
私達の住む居城から離れた場所なのに、思ったより早くついてびっくりしているようだ。
まるで小さな子供のように外を眺め、喜んでいた。
亜希子は可愛すぎる。兄バカと言われるかも知れないが……
「昔、カイルが速く家族で移動できるようにと、特別使用で作ったんだよ。だから、普通の馬車よりもかなり速いんだ。しかも、安静重視。座り心地もこだわってね。速くても、身体を痛めてはいけないしね。魔石を使ってるとか言ってたけど、私にはわからないがね……」
カイルは嬉しそうにしている。
「趣味と実益を兼ねて魔法や魔力研究をしてるのですよ。今までに色んな便利な物が城にはあるんです。勿論、失敗作もあるけど、意外な使い道があったりしてね、結果オーライなんですよ」
そう亜希子に話している。
カイルは仕事にかなり熱心で、その姿はかなりのものだと思う。
おかげで、魔力の無い私は生活などで困らない。ありがたい。
私が困らないように、困っていたらそれをすぐに解決しようとしてくれる。
作った物は、一部国に寄贈した物もあるし、極秘の物もあるとか………
カイルはクスクス笑ってるが、いろんな事があった。
過去に色々やって大変だったなぁ……
そうこうすると、グレイスの邸宅に着いた。
グレイスの側にライラも出迎えてくれているようだ。
亜希子はキョロキョロしている。
執事やメイド達も出迎えてくれて、恥ずかしいようだ。
馬車から降りたあと、亜希子が私の後ろに隠れてしまう。
相変わらずだなぁ~~
クスクス笑ってしまう。そして、そっと亜希子を促す。
亜希子はグレイス達の挨拶し、私たちと共に邸宅に入った。
「皆さんに本当に綺麗な方々で、凡人の私は………」
そう亜希子が呟く。本人は心の中で呟いているつもりだろう……
「亜希子、大丈夫?」
「兄………亜紀様……」
亜希子が私の服の裾を引っ張って呟く
『皆さん綺麗すぎて、目のやり場に困ります………』と……
カイルは側で笑い出してしまった。
涙目で……酷いですね……
「そうですね……私達と違いますからね……」
冷ややかな目でカイルを見る。
今では素敵な紳士だが、出会った時は魅力的なカイルに色んな方々が側にと近づいてきた。
そうなると、近くにいる私に対しての対応は………想像できるだろう……
カイルが少し動揺している。あの時のことを思い出してるのだろうか……
カイルの側にいる私が邪魔だとして排除しようとした者達がいた。
私もそれに関して悩んでいたから、離れようとしたんだよなぁ……
ん???
「アキ!!私から離しませんよ!!」
カイルが私を抱き込んだ。
動けない……というか、妹の前ではやめてくれ!
小声で苦情を言うも離れない……
「父上……程々に……」
呆れながら、グレイスが近づいてきた。
「アキコ、気にしないで。いつもの事だから………今日のアキコも可愛いね。その服もよく似合ってるよ。」
そう言って、そっと亜希子をエスコートする。
「アキコ、紹介するね。」
そう言うや否や、亜希子をライラが抱きしめた。
亜希子が胸に顔が埋まり苦しそうだ……
「可愛い!!アキコ。今日から私の娘ですわ。ライラとお呼びになって。ママでもマミーでも良いですわ!」
「母上、アキコが苦しがっていますよ。」
亜希子を助け出そうとするも、カイルが離してくれない。
代わりではないが、グレイスの2人の子供が助け出した…
良かった……カイル、良い加減離してください!
「家族の会話の邪魔はダメですよ」
「あっ………」
そうだった。亜希子はグレイスの娘となる。なら、家族との会話などは大切だ……
寂しい……
「アキコ、私は長男のカズマです。」
「私はカイトです。魔術師団に所属してるんですよ。よろしくね。」
ニコニコ笑顔で、孫の2人が亜希子に声かけている。
「よろしくお願いします。お兄様方。アキコです。」
「「可愛い!!」」
そう言って2人が亜希子の頭を撫でまわしていた。
日本人は外国人に比べると幼く見えると聞いたことがある。この世界でも若く見えるのだから、そんな反応なのだろう……
「カズマ、カイト。亜希子は小さな子供では無いのですから、その扱いはどうかと思いますよ。」
「アキ様。そうですね、すみません。噂では聞いていましたが、本当に可愛らしくて。」
ニコニコしながら、カズマが答えてきた。
亜希子が「カズマ兄様も『アキ様』呼びなんですね?」と呟く。
「アキ様が、そう呼んでと昔から言われていたからですよ。カイル様も、『お爺様』呼びは年寄り臭くて嫌だと言われてね。昔からそう呼ばされてたんです。もう癖ですね。」
カイト達が、亜希子の耳元で内緒話のように呟いて教えている。
亜希子の緊張感が解れたようだ。
良かった。
和やかな雰囲気でそのまま楽しく会話した。
今後の事や明日のことなどの打ち合わせも兼ねて……
私とカイル、亜紀子とグレイスが待つ邸宅につく。
私達の住む居城から離れた場所なのに、思ったより早くついてびっくりしているようだ。
まるで小さな子供のように外を眺め、喜んでいた。
亜希子は可愛すぎる。兄バカと言われるかも知れないが……
「昔、カイルが速く家族で移動できるようにと、特別使用で作ったんだよ。だから、普通の馬車よりもかなり速いんだ。しかも、安静重視。座り心地もこだわってね。速くても、身体を痛めてはいけないしね。魔石を使ってるとか言ってたけど、私にはわからないがね……」
カイルは嬉しそうにしている。
「趣味と実益を兼ねて魔法や魔力研究をしてるのですよ。今までに色んな便利な物が城にはあるんです。勿論、失敗作もあるけど、意外な使い道があったりしてね、結果オーライなんですよ」
そう亜希子に話している。
カイルは仕事にかなり熱心で、その姿はかなりのものだと思う。
おかげで、魔力の無い私は生活などで困らない。ありがたい。
私が困らないように、困っていたらそれをすぐに解決しようとしてくれる。
作った物は、一部国に寄贈した物もあるし、極秘の物もあるとか………
カイルはクスクス笑ってるが、いろんな事があった。
過去に色々やって大変だったなぁ……
そうこうすると、グレイスの邸宅に着いた。
グレイスの側にライラも出迎えてくれているようだ。
亜希子はキョロキョロしている。
執事やメイド達も出迎えてくれて、恥ずかしいようだ。
馬車から降りたあと、亜希子が私の後ろに隠れてしまう。
相変わらずだなぁ~~
クスクス笑ってしまう。そして、そっと亜希子を促す。
亜希子はグレイス達の挨拶し、私たちと共に邸宅に入った。
「皆さんに本当に綺麗な方々で、凡人の私は………」
そう亜希子が呟く。本人は心の中で呟いているつもりだろう……
「亜希子、大丈夫?」
「兄………亜紀様……」
亜希子が私の服の裾を引っ張って呟く
『皆さん綺麗すぎて、目のやり場に困ります………』と……
カイルは側で笑い出してしまった。
涙目で……酷いですね……
「そうですね……私達と違いますからね……」
冷ややかな目でカイルを見る。
今では素敵な紳士だが、出会った時は魅力的なカイルに色んな方々が側にと近づいてきた。
そうなると、近くにいる私に対しての対応は………想像できるだろう……
カイルが少し動揺している。あの時のことを思い出してるのだろうか……
カイルの側にいる私が邪魔だとして排除しようとした者達がいた。
私もそれに関して悩んでいたから、離れようとしたんだよなぁ……
ん???
「アキ!!私から離しませんよ!!」
カイルが私を抱き込んだ。
動けない……というか、妹の前ではやめてくれ!
小声で苦情を言うも離れない……
「父上……程々に……」
呆れながら、グレイスが近づいてきた。
「アキコ、気にしないで。いつもの事だから………今日のアキコも可愛いね。その服もよく似合ってるよ。」
そう言って、そっと亜希子をエスコートする。
「アキコ、紹介するね。」
そう言うや否や、亜希子をライラが抱きしめた。
亜希子が胸に顔が埋まり苦しそうだ……
「可愛い!!アキコ。今日から私の娘ですわ。ライラとお呼びになって。ママでもマミーでも良いですわ!」
「母上、アキコが苦しがっていますよ。」
亜希子を助け出そうとするも、カイルが離してくれない。
代わりではないが、グレイスの2人の子供が助け出した…
良かった……カイル、良い加減離してください!
「家族の会話の邪魔はダメですよ」
「あっ………」
そうだった。亜希子はグレイスの娘となる。なら、家族との会話などは大切だ……
寂しい……
「アキコ、私は長男のカズマです。」
「私はカイトです。魔術師団に所属してるんですよ。よろしくね。」
ニコニコ笑顔で、孫の2人が亜希子に声かけている。
「よろしくお願いします。お兄様方。アキコです。」
「「可愛い!!」」
そう言って2人が亜希子の頭を撫でまわしていた。
日本人は外国人に比べると幼く見えると聞いたことがある。この世界でも若く見えるのだから、そんな反応なのだろう……
「カズマ、カイト。亜希子は小さな子供では無いのですから、その扱いはどうかと思いますよ。」
「アキ様。そうですね、すみません。噂では聞いていましたが、本当に可愛らしくて。」
ニコニコしながら、カズマが答えてきた。
亜希子が「カズマ兄様も『アキ様』呼びなんですね?」と呟く。
「アキ様が、そう呼んでと昔から言われていたからですよ。カイル様も、『お爺様』呼びは年寄り臭くて嫌だと言われてね。昔からそう呼ばされてたんです。もう癖ですね。」
カイト達が、亜希子の耳元で内緒話のように呟いて教えている。
亜希子の緊張感が解れたようだ。
良かった。
和やかな雰囲気でそのまま楽しく会話した。
今後の事や明日のことなどの打ち合わせも兼ねて……
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