45 / 60
時は過ぎ
会いたい
しおりを挟む
子供達も元々良い子達で、慣れてきたのもあり、屋敷内は明るい声が響き渡っていた。
スクスクと育ち、学園にも通いだし、寂しい時間んもあるが、見ていて幸せを感じていた。
子供達の施設運営も順調に進んでいる。
カイルと共に舞踏会に呼ばれるときは、少しヒヤヒヤするが、常にカイルが側にいるから安心もできる。
「何か悩み事ですか?」
年月が経過するごとに、束縛は緩められて入るが、求められるのは変わらず、家族も十分理解してくれている。
飽きられているかもしれないけれど……
「この世界に来て、戸惑いは多かったです。まさかこんなに順応するとは思えませんでした。」
異世界に飛ばされて、助けられ、護られ愛される。
しかも男同士……
妹達が見たらどう思うだろう。
「私はアキがこの世界に、私の元に来てくれて幸せですよ。逃すつもりも、離すつもりもありませんが……」
そう言って抱きしめられる。
もう慣れてしまった行為だから、逃げることもしない。
ただ、時と場所さえ考えてくれたら……だが……
「そう言えば、いつも書いている模様の様なもの、そろそろ教えてくれても?」
時間があれば書いている日記のことか?日本語で書いているから、この世界の者達にとっては模様に見える様だ。声を出しながら書いているわけではないから、なおさらなのかもしれないが……
「あれは駄目ですよ。秘密です。またいつか自分と同じ異世界から来た人がいれば参考にと書いてるのです。いきなり異世界にきたなんて、混乱するだろうから、私の様な者もいたと知れば安心するかもしれないでしょ?」
「内容は知りたいですが、その考えも一理ありますね。」
そう言って、それ以上の追求はなかった。
月日は過ぎていき、子供達はそれぞれ家庭を持つ様になった。
孫もでき、良い年になったなぁ……なんて思っていた。
カイルは相変わらずだが……
そうこうすると、長男からの手紙で驚いた。
我がシュナイゼル皇国を犯そうとアルテカ帝国の進軍
アルテカ帝国を撃退すべく第二皇子であるナディル殿下が軍を率いていると
あのきな臭い国は好戦的で、次々と他国に進軍し飲み込んでいるらしい。
カイルも時々呼ばれていたし、子供達もそれの対応で忙しそうだった。
ナディル殿下も確か魔力が強いとかカイルが言っていた様な……番が見つからず、力が暴走しそうだとか……
手紙を読み進めると、そこには信じられないことが書いてあった。
戦闘時、ナディル殿下は番と出会い、力の暴走を起こす事なく勝利を収めたと……
それはいい。その後の文章に、番とされて助けられた女性………
『アキコ・モリ』と名乗る女性だとか……
もしや………いゃ、人違いかも……でも………
いても立ってもおられず、カイル を探す
もしかしたら………違っても同じ日本人だろう。会いたい……
カイルの書斎のドアを叩く。
カイル自身も、私の動揺を感じ取ったのか
ドアを開けると同時にぶつかった。
倒れるかと思ったが、抱き留められる。
「アキ?」
「カイル、私を城に連れて行って欲しい。この女性に会わせて欲しい、お願いです!!」
カイルに握りしめていた手紙を見せる。
手紙を受け取り、じっと文字を追う。
「このアキコという女性に………ですか?」
「あぁ、同じ世界から来た人かもしれない……そして、妹と同じ名前なんだ。年齢を考えるとありえないかもしれないが……気になるんです。お願いです」
カイルにすがる。今すぐのでも会いにいきたい……亜希子……お前なのか?別人でもいい……会いたい!!
「わかりました。直ぐに手紙を書きましょう。戦が終わったばかりなら、戦後処理で少し時間がかかるかもしれませんが……それまでは待ってくださいね。無理な行動は駄目ですよ」
カイルにそう促された。カイルがそう言うなら、きっと叶えてくれるだろう。
モヤモヤするが、そこは我慢できる。
そう考えて、息子に返事を書いた。
城に行くときはそちらにもよるからと添えて………
スクスクと育ち、学園にも通いだし、寂しい時間んもあるが、見ていて幸せを感じていた。
子供達の施設運営も順調に進んでいる。
カイルと共に舞踏会に呼ばれるときは、少しヒヤヒヤするが、常にカイルが側にいるから安心もできる。
「何か悩み事ですか?」
年月が経過するごとに、束縛は緩められて入るが、求められるのは変わらず、家族も十分理解してくれている。
飽きられているかもしれないけれど……
「この世界に来て、戸惑いは多かったです。まさかこんなに順応するとは思えませんでした。」
異世界に飛ばされて、助けられ、護られ愛される。
しかも男同士……
妹達が見たらどう思うだろう。
「私はアキがこの世界に、私の元に来てくれて幸せですよ。逃すつもりも、離すつもりもありませんが……」
そう言って抱きしめられる。
もう慣れてしまった行為だから、逃げることもしない。
ただ、時と場所さえ考えてくれたら……だが……
「そう言えば、いつも書いている模様の様なもの、そろそろ教えてくれても?」
時間があれば書いている日記のことか?日本語で書いているから、この世界の者達にとっては模様に見える様だ。声を出しながら書いているわけではないから、なおさらなのかもしれないが……
「あれは駄目ですよ。秘密です。またいつか自分と同じ異世界から来た人がいれば参考にと書いてるのです。いきなり異世界にきたなんて、混乱するだろうから、私の様な者もいたと知れば安心するかもしれないでしょ?」
「内容は知りたいですが、その考えも一理ありますね。」
そう言って、それ以上の追求はなかった。
月日は過ぎていき、子供達はそれぞれ家庭を持つ様になった。
孫もでき、良い年になったなぁ……なんて思っていた。
カイルは相変わらずだが……
そうこうすると、長男からの手紙で驚いた。
我がシュナイゼル皇国を犯そうとアルテカ帝国の進軍
アルテカ帝国を撃退すべく第二皇子であるナディル殿下が軍を率いていると
あのきな臭い国は好戦的で、次々と他国に進軍し飲み込んでいるらしい。
カイルも時々呼ばれていたし、子供達もそれの対応で忙しそうだった。
ナディル殿下も確か魔力が強いとかカイルが言っていた様な……番が見つからず、力が暴走しそうだとか……
手紙を読み進めると、そこには信じられないことが書いてあった。
戦闘時、ナディル殿下は番と出会い、力の暴走を起こす事なく勝利を収めたと……
それはいい。その後の文章に、番とされて助けられた女性………
『アキコ・モリ』と名乗る女性だとか……
もしや………いゃ、人違いかも……でも………
いても立ってもおられず、カイル を探す
もしかしたら………違っても同じ日本人だろう。会いたい……
カイルの書斎のドアを叩く。
カイル自身も、私の動揺を感じ取ったのか
ドアを開けると同時にぶつかった。
倒れるかと思ったが、抱き留められる。
「アキ?」
「カイル、私を城に連れて行って欲しい。この女性に会わせて欲しい、お願いです!!」
カイルに握りしめていた手紙を見せる。
手紙を受け取り、じっと文字を追う。
「このアキコという女性に………ですか?」
「あぁ、同じ世界から来た人かもしれない……そして、妹と同じ名前なんだ。年齢を考えるとありえないかもしれないが……気になるんです。お願いです」
カイルにすがる。今すぐのでも会いにいきたい……亜希子……お前なのか?別人でもいい……会いたい!!
「わかりました。直ぐに手紙を書きましょう。戦が終わったばかりなら、戦後処理で少し時間がかかるかもしれませんが……それまでは待ってくださいね。無理な行動は駄目ですよ」
カイルにそう促された。カイルがそう言うなら、きっと叶えてくれるだろう。
モヤモヤするが、そこは我慢できる。
そう考えて、息子に返事を書いた。
城に行くときはそちらにもよるからと添えて………
2
お気に入りに追加
1,597
あなたにおすすめの小説

婚約破棄されたから能力隠すのやめまーすw
ミクリ21
BL
婚約破棄されたエドワードは、実は秘密をもっていた。それを知らない転生ヒロインは見事に王太子をゲットした。しかし、のちにこれが王太子とヒロインのざまぁに繋がる。
軽く説明
★シンシア…乙女ゲームに転生したヒロイン。自分が主人公だと思っている。
★エドワード…転生者だけど乙女ゲームの世界だとは知らない。本当の主人公です。

王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

嫌われ変異番の俺が幸せになるまで
深凪雪花
BL
候爵令息フィルリート・ザエノスは、王太子から婚約破棄されたことをきっかけに前世(お花屋で働いていた椿山香介)としての記憶を思い出す。そしてそれが原因なのか、義兄ユージスの『運命の番』に変異してしまった。
即結婚することになるが、記憶を取り戻す前のフィルリートはユージスのことを散々見下していたため、ユージスからの好感度はマイナススタート。冷たくされるが、子どもが欲しいだけのフィルリートは気にせず自由気ままに過ごす。
しかし人格の代わったフィルリートをユージスは次第に溺愛するようになり……?
※★は性描写ありです。

【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。
cyan
BL
留学中に実家が潰れて家族を失くし、婚約者にも捨てられ、どこにも行く宛てがなく彷徨っていた僕を助けてくれたのは隣国の宰相だった。
家が潰れた僕は平民。彼は宰相様、それなのに僕は恐れ多くも彼に恋をした。

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

「じゃあ、別れるか」
万年青二三歳
BL
三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。
期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。
ケンカップル好きへ捧げます。
ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。

【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

ある国の皇太子と侯爵家令息の秘め事
きよひ
BL
皇太子×侯爵家令息。
幼い頃、仲良く遊び友情を確かめ合った二人。
成長して貴族の子女が通う学園で再会し、体の関係を持つようになった。
そんな二人のある日の秘め事。
前後編、4000字ほどで完結。
Rシーンは後編。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる