番だと言われて囲われました。

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近寄っていく心

不穏

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白銀に追い出され、仕方なく臨時執務室に向かう。
父である皇帝陛下と、弟である皇太子に頼まれた仕事を片付ける為に……

ふとした事で、先ほどの自分の下で身悶え、潤んだ瞳で見てくるアキのことをついつい思い出してしまう。

「はぁ………可愛かったなぁ……何度貪っても飽きたらない。」

あの可愛い声が、感覚が思い出され、手元が止まる。

「いかん、仕事をしないと……」
テーブルの上に置かれている書類に目を通して、サインする。

そうそう、この国に対して不穏な情報が……
念話で影の者を呼ぶ。
隠密行動などを担う者だ。
「殿下」
すぐさま姿を現し、膝をつく
「来たか……例の件はどうなっている?」
「我が君、やはり武器の貯蓄と資金徴収が増えているようです。国境沿いの兵も密かに増やされ、民衆の中にも兵士らしきものが混じっている感じですね」
「この頃は、色んな国にちょっかいを出していましたしね……あの国から確か来ていましたよね……」
「そうですね。諸国も巡られていた方ですよね。」
「そうだ。今は確か……」
「我が国で学ばれていたはず。少し個性的な方ですが……」

少し思案する。
あの国は今近隣諸国を飲み込もうと不穏な動きが見られている。
作物を作るより、武器などを作るのに特化し、戦闘能力も高い為、よく傭兵として諸外国に出稼ぎという名目で散らばっている。
諜報活動か……と懸念している民族で、20年前に独立した国だ。

我が国に対して害をなすなら、排除しないといけない。
引き継ぎ、調べるよう伝え、下がらせる。

弟と父に念話で声かける。
今まで調べ上げてきたものを伝える為に。そして今後の事について
この状態で城には連れて行きたくなかったが……そんな事も言ってはおれないし……まぁ、高位精霊である白銀が側に付いているから……それに、アキとは強く繋がったから……

自分にとっての弱点はアキだろう。また、アキに何かされたら……何をするかわからない……

「取り敢えず、どうにかしてみましょう。」

メイドを呼び、お茶を持って来させる。
飲みながら、心を落ち着かせた。



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