7 / 60
いきなり「番い」と言われました
可愛い
しおりを挟む皇帝である父と皇太子である弟に念話で連絡する。
番が現れた事と、今後の事について。
父も弟も喜んでいた。
直ぐに会わせるよう言ってきたが、それは拒否した。
まだ全てを囲い込んだわけではない。
それに、可愛すぎて見せるのがもったいない。
彼ら異世界からきた『番』は魔力を持たないから、魔装具を付けた。
私の魔力を行使して練り込んだもの。
守りと拘束。そして、私の魔力を貯めれるもの。
これで、少しは生活に必要な事はできる。
あくまで、私の魔力を注ぐ必要があるが……
護衛も世話をするメイドも決め、指示した。
そっと自分の部屋に戻り、眠っている彼を見る。
愛おしさが湧き上がる。
しばしの寝顔を堪能して、横に滑り込む。
腕の中に抱きしめて眠った。
朝日が昇り、小鳥のさえずりに目を覚ます。
いつも眠りが浅いが、今日はグッスリと寝たようだ。
腕の中ににいる愛しいものに安堵した。
もう少ししたら目覚めそうだ。
瞼が震えている。
目覚めた彼は暴れ出した。何故か隣に私がいて驚いたようだ。
何故抱きしめられているんだ???
そんな表情だ。
顔が赤く染まっている。耳もかなり真っ赤だ。可愛い。
「何なんだ~~~~」
と唸っている。
ふふふっ……
身動ぎながら、抱きしめる腕を外そうとしているようだ。離すはずがない。
この腕の檻から逃がさない……
くっくっく
笑いが出た。
ふっ、あははははっーーー
「何がおかしい。離せ!!」
可愛い。
「ごめんごめん。あまりにも愛らしいから、寝たふりして観察してたよ」
拘束をはずし、両腕をおさえた。
上にのしかかり、拘束する。
「なっなっな…………」
あまりの衝撃に声が出ないようだ。頬を赤く染めている。
「ふふふっ、どうしてこんなに可愛いんだ。こんな可愛い生き物がいるなんて、信じられないよ。しかも私の物。番だなんてね………」
耳元で息を吹きかけるように話した。身震いしている。
「そうだ、君の名前聞けなかったね?私はカイル。カイル シュナイゼルだ。君の名は?」
じっと見つめる。
「名前、教えて………でないと、もっと可愛がるよ……………」
耳元で囁く。どうしたらいいのかパニックになっているようだ……
「教えてくれないのかなぁ~~」
首筋を舌で舐める。そして、唇を這わし、ツキッとした痛みを感じさせた。
「ふふっ、次はどうしようかなぁ~~」
「も…………」
「も?」
「森 亜紀。いや、アキ モリだ。だから、やめて…………」
「アキか。」
「じゃあ、カイルって呼び捨てで呼んで。そしたら今はやめてあげる」
首筋から鎖骨に唇を滑らして、胸元へ落とす。
前ボタンの寝衣は片手で開けて…………
「やん………ふっ………うっ………あぁ………やめ………」
可愛い鳴き声。
「ふふっ、言ったでしょ、カイルと呼んで。出ないとやめないよ。早くしないと止まらなくなるけど……良いの?」
胸の頂にをおとす。
「カイル~~~~や………やめてくれ……」
「ふぅ、残念。せっかく味わおうと思ってたのに……約束だからね。次からもカイルと呼んで。様とかはなしだ。守れなかったらお仕置きね。」
クスクス笑いながら、離れる。
「そうそう、アキ、君は私の番だ。私からは逃げられないよ。逃がさないけど………」
はぁはぁ……息があがったままだ。
可愛いな~~~
「あと、君の部屋は僕の部屋の隣だけど、寝室はここだからね。」
にこやかに爆弾発言を落とす。
「と、そうだ。たぶんこの皇国には君が言っている敵陣はいないよ。」
「???」
「君は変わった乗り物に乗ってこの城の近くの森にいたんだ。かなりの怪我をしてね。私の魔力で治療したけど、痛みが少し残っていたからね。今まで寝てる間に私の魔力を注いで痛みをけしていたんだけど……どうかなぁ……」
「魔力??新たな医療名??」
「ん~~~~ちょっと違うけど……それはまた今度話すよ。たぶんここは君にとって異世界だ。何年か毎に現れる異世界人だね」
僕のような人間がいる時にね………現れるんだよ……
「君は僕の番だ。愛しい人だよ。」
「番?」
キョトンとしているなぁ、そんな姿も可愛いよ。
「そう、君の世界にも白鳥とかいるかなぁ、あの番とほぼ一緒だよ」
「………………………」
「あっ、ちなみに、性別は関係ないから……」
「………………………」
クスクスと笑ってしまった。
2
お気に入りに追加
1,583
あなたにおすすめの小説
王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
憧れのスローライフは計画的に
朝顔
BL
2022/09/14
後日談追加しました。
BLゲームの世界の悪役令息に憑依してしまった俺。
役目を全うして、婚約破棄から追放エンドを迎えた。
全て計画通りで、憧れのスローライフを手に入れたはずだった。
誰にも邪魔されない田舎暮らしで、孤独に生きていこうとしていたが、謎の男との出会いが全てを変えていく……。
◇ハッピーエンドを迎えた世界で、悪役令息だった主人公のその後のお話。
◇謎のイケメン神父様×恋に後ろ向きな元悪役令息
◇他サイトで投稿あり。
黒豹拾いました
おーか
BL
森で暮らし始めたオレは、ボロボロになった子猫を拾った。逞しく育ったその子は、どうやら黒豹の獣人だったようだ。
大人になって独り立ちしていくんだなぁ、と父親のような気持ちで送り出そうとしたのだが…
「大好きだよ。だから、俺の側にずっと居てくれるよね?」
そう迫ってくる。おかしいな…?
育て方間違ったか…。でも、美形に育ったし、可愛い息子だ。拒否も出来ないままに流される。
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
悪役令息に転生したので婚約破棄を受け入れます
藍沢真啓/庚あき
BL
BLゲームの世界に転生してしまったキルシェ・セントリア公爵子息は、物語のクライマックスといえる断罪劇で逆転を狙うことにした。
それは長い時間をかけて、隠し攻略対象者や、婚約者だった第二王子ダグラスの兄であるアレクサンドリアを仲間にひきれることにした。
それでバッドエンドは逃れたはずだった。だが、キルシェに訪れたのは物語になかった展開で……
4/2の春庭にて頒布する「悪役令息溺愛アンソロジー」の告知のために書き下ろした悪役令息ものです。
生まれ変わったら知ってるモブだった
マロン
BL
僕はとある田舎に小さな領地を持つ貧乏男爵の3男として生まれた。
貧乏だけど一応貴族で本来なら王都の学園へ進学するんだけど、とある理由で進学していない。
毎日領民のお仕事のお手伝いをして平民の困り事を聞いて回るのが僕のしごとだ。
この日も牧場のお手伝いに向かっていたんだ。
その時そばに立っていた大きな樹に雷が落ちた。ビックリして転んで頭を打った。
その瞬間に思い出したんだ。
僕の前世のことを・・・この世界は僕の奥さんが描いてたBL漫画の世界でモーブル・テスカはその中に出てきたモブだったということを。
獅子王と後宮の白虎
三国華子
BL
#2020男子後宮BL 参加作品
間違えて獅子王のハーレムに入ってしまった白虎のお話です。
オメガバースです。
受けがゴリマッチョから細マッチョに変化します。
ムーンライトノベルズ様にて先行公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる