番だと言われて囲われました。

文字の大きさ
上 下
3 / 60
いきなり「番い」と言われました

『番』と言われて

しおりを挟む
再度目が覚めたのは翌日だった。

何故か隣に昨日の男性がいる。
何故抱きしめられているんだ???

顔が赤く染まる。耳もかなり真っ赤だろう。

今まで友人とざこ寝した事はある。
冗談でもみ合うように、取っ組み合いのようにじゃれたこともある………
が、これとは全然違う。
何なんだ~~~~

しかも、敵かもしれないのにーーー
身動ぎながら、抱きしめる腕を外そうとする……が、外れない。

臨時とはいえ、軍に所属して普段より体力は上がっているはずだ。
なのに、この腕の檻から逃げられない………

くっくっく

腕の主である昨日の男が笑い出した。
ふっ、あははははっーーー
「何がおかしい。離せ!!」
「ごめんごめん。あまりにも愛らしいから、寝たふりして観察してたよ」

そう言って、拘束をはずし、両腕をおさえられた。
何??????
上にのしかかられて、拘束される。

「なっなっな…………」
あまりの衝撃に声が出ない……

「ふふふっ、どうしてこんなに可愛いんだ。こんな可愛い生き物がいるなんて、信じられないよ。しかも私の物。番だなんてね………」

耳元で息を吹きかけるように話された。身震いする。

「そうだ、君の名前聞けなかったね?私はカイル。カイル  シュナイゼルだ。君の名は?」
じっと見つめられる。

「名前、教えて………でないと、もっと可愛がるよ……………」

耳元で囁かれ、どうしたらいいのかパニックになっている。

「教えてくれないのかなぁ~~」
首筋に舌で舐められる。そして、唇を這わし、ツキッとした痛みをまた感じた。

「ふふっ、次はどうしようかなぁ~~」
「も…………」
「も?」
「森  亜紀。いや、アキ  モリだ。だから、やめて…………」
「アキか。」
「じゃあ、カイルって呼び捨てで呼んで。そしたら今はやめてあげる」

首筋に彼、カイルの髪があたる。
首筋から鎖骨に唇を滑らして、胸元へ落ちていく。
前ボタンの寝衣は片手で開けられていく………

「やん………ふっ………うっ………あぁ………やめ………」

自分の声とは思えない声が出る。

「ふふっ、言ったでしょ、カイルと呼んで。出ないとやめないよ。早くしないと止まらなくなるけど……良いの?」

胸の頂に唇が………

「カイル~~~~や………やめてくれ……」

「ふぅ、残念。せっかく味わおうと思ってたのに……約束だからね。次からもカイルと呼んで。様とかはなしだ。守れなかったらお仕置きね。」

クスクス笑いながら、離れていく。

「そうそう、アキ、君は私の番だ。私からは逃げられないよ。逃がさないけど………」

はぁはぁ……息があがったままだ。

「あと、君の部屋は僕の部屋の隣だけど、寝室はここだからね。」
にこやかに爆弾発言。

「と、そうだ。たぶんこの皇国には君が言っている敵陣はいないよ。」
「???」
「君は変わった乗り物に乗ってこの城の近くの森にいたんだ。かなりの怪我をしてね。私の魔力で治療したけど、痛みが少し残っていたからね。今まで寝てる間に私の魔力を注いで痛みをけしていたんだけど……どうかなぁ……」

「魔力??新たな医療名??」
「ん~~~~ちょっと違うけど……それはまた今度話すよ。たぶんここは君にとって異世界だ。何年か毎に現れる異世界人だね」

僕のような人間がいる時にね………現れるんだよ……

「君は僕の番だ。愛しい人だよ。」
「番?」
「そう、君の世界にも白鳥とかいるかなぁ、あの番とほぼ一緒だよ」
「………………………」
「あっ、ちなみに、性別は関係ないから……」
「………………………」

火照った身体を押さえ込みながら聞く内容は衝撃的だった。
眩暈をおこし、意識が途絶えたのは仕方がないと思う。
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

王様お許しください

nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。 気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。 性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

「じゃあ、別れるか」

万年青二三歳
BL
 三十路を過ぎて未だ恋愛経験なし。平凡な御器谷の生活はひとまわり年下の優秀な部下、黒瀬によって破壊される。勤務中のキス、気を失うほどの快楽、甘やかされる週末。もう離れられない、と御器谷は自覚するが、一時の怒りで「じゃあ、別れるか」と言ってしまう。自分を甘やかし、望むことしかしない部下は別れを選ぶのだろうか。  期待の若手×中間管理職。年齢は一回り違い。年の差ラブ。  ケンカップル好きへ捧げます。  ムーンライトノベルズより転載(「多分、じゃない」より改題)。

最強の弟子を育てて尊敬されようと思ったのですが上手くいきません

冨士原のもち
BL
前世でやっていたゲームに酷似した世界。 美貌も相まって異名をつけられるほど強くなったミチハは、人生がつまらなくなった。 そんな時、才能の塊のようなエンを見つけて弟子にしようとアプローチする。 無愛想弟子×美形最強の師匠 ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

ある国の皇太子と侯爵家令息の秘め事

きよひ
BL
皇太子×侯爵家令息。 幼い頃、仲良く遊び友情を確かめ合った二人。 成長して貴族の子女が通う学園で再会し、体の関係を持つようになった。 そんな二人のある日の秘め事。 前後編、4000字ほどで完結。 Rシーンは後編。

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

ゲーム世界の貴族A(=俺)

猫宮乾
BL
 妹に頼み込まれてBLゲームの戦闘部分を手伝っていた主人公。完璧に内容が頭に入った状態で、気がつけばそのゲームの世界にトリップしていた。脇役の貴族Aに成り代わっていたが、魔法が使えて楽しすぎた! が、BLゲームの世界だって事を忘れていた。

オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う

hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。 それはビッチングによるものだった。 幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。 国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。 ※不定期更新になります。

処理中です...