異世界で囲われた?!

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異世界生活

護衛騎士の…

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「英二様、そろそろ休憩にしませんか?」

そう声をかけて側に赴く。
空間属性を付与させている特殊魔道具の一つであるウエストポート型のアイテムバッグから簡易テーブルを取り出しさらにクロスをかけて食事の準備をした。空間属性の魔法も実は習得しているが、その事はあまり他の者には見せない方がいいからな。このような魔道具は一部で流通しているからこれは見せても特に問題はない。容量は秘密であるが…
一般的に流通しているものは少ないもので馬車一個分。多いもので部屋一つ分だ。俺のは特殊であるからそれ以上…

英二は俺に呼ばれるままこっちに来て素直に椅子に腰掛けた。
もう何度も行って来た事であるから、もう慣れてしまったんだろう。
彼の気持ちも考慮に入れて俺も一緒に食べる。そして食べながら勿論世話も怠らず、しっかりと今後をどうするか相談した。
向こうの方で嫌な気配を感じたが…それと同時に離れた場所で騒がしい声が聞こえて来た。
俺達の側で同じように食べていた者や周辺で警備してくれていた者達が一瞬鋭く視線を送る。
あれは…

「少し失礼します。」

英二に対して物騒な物を持っていた男がいたため、そう声をかけて離れた。
それが不味かったんだ…
英二の側には信頼できる部下がいるのと、あの神獣もついているから大丈夫だと考えた俺のおごりだ…

『マスター!!』

いつもは俺に聞こえない神獣の叫び声が頭に響く。
そして目を見開くと、ぶわりと毛を逆立てて英二に向かって『シオン』と呼ばれている神獣が英二に飛びついた。
と同時に急降下して来た物体。そう、竜が英二を襲ったのだ。

俺が捉えた男はあくまでこの…

「くそ!囮か!!」

囮である男は抵抗し、それをどうにか武力で押さえ込んだ。
さっさと切り捨ててしまえばい早いが、捉えて問いただす必要性があるからそう言うわけにはいかない。
多少の手足が折れたり傷を負わすぐらいならと、剣を振るったのだ。

「他にも隠れているものがいる。全て捉えよ!!」

そう静かにひしひしと魔力を漏らしながら命令を出した。
「「「「「ハッ!」」」」」

そう答える者、首を傾げるだけして駆け出す者達を見届けてから、心の底から湧き上がる怒りを抑え込み、己の大切な『番』の痕跡を辿る。

身体に自信の魔力を纏わせ、竜体へと変じる。そして飛び上がり『検索』と『追跡』で追いかけた。
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