異世界で囲われた?!

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異世界生活

護衛騎士の…

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「ここですね…」

予想通り、外の外壁が一部だけ崩れたりはしているが…でも、十分綺麗に保てられている方だ。
建物内部には、明かり取りの窓として使用されていただろう穴があり、そこから柔らかな光が良い感じで差し込んでいた。
あそこは神を祀る祭壇だろう。そして、こっちは椅子。向こうは崩れているがテーブルか…
古びた建物であるから、どうしても歩くとどうしても土埃が少し舞う。
スカーフで口元を隠しているから咳き込む事はないが…光で埃がキラキラして見えたりもした。

放置期間が長いから、建物の外は予想通り雑草が茂ってはいた。が、思ったよりそんなに背の高いものではなかった。英二の側にいながら周りを注視し散策する。

所々から花々が埋もれながらも見えていた。
明らかに人工的に植えられたものだ。ただ野生化はしているようだがな…

「多分、この辺りに現れたのでしょうね。何か気になる物でも見つかれば良いのですが…」

そう言いながらさらに歩いていく。
英二の側に常にいる…アレは多分神獣だろう。まだ幼体のようだが…『シオン』と呼ばれる神獣は草むらをかけたり、建物の中をゆっくり歩いたりしていた。
英二に懐き可愛がられているから…嫉妬はするが…我慢しよう。

建物から南西に向かって出れそうな場所で何かキラッと光った。
英二も気がついたらようで、側に行き、屈んでいた。
さっき光った辺りを…

草むらと化している場所を掻き分けて覗くと、そこに見えたのは…

「これは…」

髪留めの様に見えるが…

そっと持ち上げて、水筒の水をかけて、土汚れを流してスカーフで少し拭いてもう一度眺めている。
手に取って角度を変えながら確認するのを俺は横から覗き込む。
留め具のあたりが見た事がない作りだ。
だが…良い作りだと思う。

少し錆びた感じもあるが…これは目的の物で間違いなさそうだ。
英二が何とも言えない顔をしたから…

「英二様、どうされましたか?」

さらに側によって、英二の手に持つものを眺めた。
そっと腰を抱いて引き寄せたのは気がついていないようだが…

「これ、多分妹のだ。妹に俺がプレゼントした髪留め…」
「少し変わった形の留め具がついていますね…この世界の物と少し違うような…なるほど…」

やはり目的の物だったか…

「とりあえず、痕跡らしい物が見つかって良かったですね。もう日が落ちそうです。一旦宿に戻りましょう。」

少し陽が落ちかけている。もう少しここで捜索させてあげたいが…だが、もしもと言う事もあるから…
少し名残惜しいだろうが、そう言って宿に戻る様促した。
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