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異世界生活
護衛騎士の事情
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ドカドカドカと土埃をたてながら、予定通り英二と俺を乗せた馬車とそれを囲う護衛の騎馬達が突き進む。
城下町などはほぼ石畳の道だったが、砦を過ぎると土を固めた道だ。
所々端の方だが窪みもあったが、特に変わりなく進んでいく。
「どうされましたか?」
「いや、俺、馬車に乗るの初めてだから、あの車輪とかなら走行中とかでも座っていたら痛みが出るんじゃないかって思ってたんだ。まぁ、座席のクッションの性能が良いせいか今のところは全然感じない。むしろ快適なだなって…」
「あぁ、過去にこの世界に渡ってこられた方の知識をもとに王族使用や一部の貴族などが使用しているもの。騎士団の馬車には特殊な魔道具が使用されているんですよ。詳しい事は開発部門に聞かないとわかりませんが。また、作られているところも制限がありますしね。」
「なんか、国家機密みたいな感じだ。」
「まぁ、物によってはそのような物もありますが、この馬車に関しては少し特殊で高価という感じだけです。」
そう言えば、過去にこの世界に来た者達が馬車に初めて乗った時によく馬車の揺れなどで苦労していたと記録されていた。上位貴族や軍の特殊な馬車においては、過去に来られた方々の意見や知識を得ながら現在の特殊魔道具や魔法を装備した馬車が開発されており、乗り心地がかなり良くなっている。
敵や魔物対策も十分されてもいるのだがな。
一般的な馬車はここまでは出来ていない。多少の揺れが改善されるような知識は公開されて普及はしていっているが。
来られる方々の知識は興味を持たれることが多く、魔道具開発部門や魔法研究者達がよく喜んでいた。それは現在進行形でもある。よって、貴重な方々なのだ。
英二の膝の上には、彼の飼い猫であるシオンが優雅に寝ている。
飼い猫と言っていたが、実際は…
一部の城の者や私の部下達には周知されているが、その存在もあまり外に者達には知られるわけにはいかない特殊な存在だ。まぁ、英二を守ってくれそうだし、彼の心の安寧にも必要だと判断して特には気を使わないようにしているが…
いつも以上に尻尾で遊び、撫で回してるから、その存在にも嫉妬しそうだ。
我慢だ…
「もう少ししたら、今回の宿泊予定の場所になります。」
とりあえずそう伝えた。
まだ日没には早い。この辺りの魔物は、大体の昼間は対処が容易いが、夜間になるとどうしても困難になりやすい。
それらを考慮して選んでいる場所だ。
「この先には魔物が出没しやすい場所が数箇所あるんです。それらを踏まえて休める場所を予定してますから、今日はそこで身体を休めましょう。」
「魔物のテリトリーみたいな感じか?」
「まぁそんな感じでしょうか?過去の被害報告や、現在の出没報告などを踏まえてですから。」
英二からの了承を得て、彼が外の景色を眺めるのをじっと見つめてしまった。
城下町などはほぼ石畳の道だったが、砦を過ぎると土を固めた道だ。
所々端の方だが窪みもあったが、特に変わりなく進んでいく。
「どうされましたか?」
「いや、俺、馬車に乗るの初めてだから、あの車輪とかなら走行中とかでも座っていたら痛みが出るんじゃないかって思ってたんだ。まぁ、座席のクッションの性能が良いせいか今のところは全然感じない。むしろ快適なだなって…」
「あぁ、過去にこの世界に渡ってこられた方の知識をもとに王族使用や一部の貴族などが使用しているもの。騎士団の馬車には特殊な魔道具が使用されているんですよ。詳しい事は開発部門に聞かないとわかりませんが。また、作られているところも制限がありますしね。」
「なんか、国家機密みたいな感じだ。」
「まぁ、物によってはそのような物もありますが、この馬車に関しては少し特殊で高価という感じだけです。」
そう言えば、過去にこの世界に来た者達が馬車に初めて乗った時によく馬車の揺れなどで苦労していたと記録されていた。上位貴族や軍の特殊な馬車においては、過去に来られた方々の意見や知識を得ながら現在の特殊魔道具や魔法を装備した馬車が開発されており、乗り心地がかなり良くなっている。
敵や魔物対策も十分されてもいるのだがな。
一般的な馬車はここまでは出来ていない。多少の揺れが改善されるような知識は公開されて普及はしていっているが。
来られる方々の知識は興味を持たれることが多く、魔道具開発部門や魔法研究者達がよく喜んでいた。それは現在進行形でもある。よって、貴重な方々なのだ。
英二の膝の上には、彼の飼い猫であるシオンが優雅に寝ている。
飼い猫と言っていたが、実際は…
一部の城の者や私の部下達には周知されているが、その存在もあまり外に者達には知られるわけにはいかない特殊な存在だ。まぁ、英二を守ってくれそうだし、彼の心の安寧にも必要だと判断して特には気を使わないようにしているが…
いつも以上に尻尾で遊び、撫で回してるから、その存在にも嫉妬しそうだ。
我慢だ…
「もう少ししたら、今回の宿泊予定の場所になります。」
とりあえずそう伝えた。
まだ日没には早い。この辺りの魔物は、大体の昼間は対処が容易いが、夜間になるとどうしても困難になりやすい。
それらを考慮して選んでいる場所だ。
「この先には魔物が出没しやすい場所が数箇所あるんです。それらを踏まえて休める場所を予定してますから、今日はそこで身体を休めましょう。」
「魔物のテリトリーみたいな感じか?」
「まぁそんな感じでしょうか?過去の被害報告や、現在の出没報告などを踏まえてですから。」
英二からの了承を得て、彼が外の景色を眺めるのをじっと見つめてしまった。
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