異世界で囲われた?!

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異世界生活

異世界生活、波乱です

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ものすごくニコニコして、まるでスキップしていきそうな感じのうかれぐわいで、俺達から走って離れて行った。
思わずぼーぜんとして見送ってしまった俺はきっと悪くない。きっと悪くないはずだ。

ついつい手を伸ばして、ちょっと待てみたいな感じになった俺の手をクリスがそっと包み込み。

「あぁ、彼はいつもあんな感じですからお気にせず。英二様を実験台にしようものなら剣の露にしてもと思いますが、そうでないので大丈夫です。」

そう言ってものすごい笑顔でまた手を引かれて行った。
えっと?俺モルモットにって案でもあったのだろうか?
そんな事を打診されそうならば、思いっきり拒否させてもらうし。
多分、姉の雷がすごいだろうから…大丈夫だろうけど…
クリス、剣の露って、過激な発言、聞かなかったことにしよう…あの笑顔は、一瞬だけど、そう、一瞬だけど背筋がゾ~ッてしたよ。

「さぁ、こちらに。」

そう言って促された席に素直に着く。
ちょっとした部屋のような感じで、吹きさらしではあるが…
装飾品に飾られた壁とちょっとした家具もある。
そしてしっかりグラスとか置かれてるよ。で、席は布張りのクッション付きで…
座りながらもキョロキョロと確認してしまうのは、庶民の俺だから仕方ない。

「えっと?ものすごく豪華なんですが?」
「はい。ここは皇族や外交として来られた貴賓をもてなしする時によく使われる場所です。安全ですし、日の照り返しなどで体調を崩すこともなし。今の英二様にぴったりです。」

もう、背後が光り輝く御光が見えたから、突っ込むことはやめた。
うん、もう楽しむよ。

オペラグラスのような物を渡されて、覗き込む。
これも装飾が…とも思って手が震えそうになったが、そこは気合いだ。

覗いてみると、筋肉。どこもかしこも筋肉。
筋肉隆々の者もいれば、しなやかな筋肉の持ち主達が各々に武器を持ちぶつかり合っているのが見えた。
金属音と雄叫びのような声も相変わらずだ。

「武器などの刃は潰していますから、切り付けるのはかなり難しいかと。向こうのほうに医療班が居ますので、お互い全力で頑張ってますね。手を抜こう者なら…ほら、奥の方で走り込みをしている者達がいるでしょう?団長など指導者が手を抜いていると判断されればあのように…」

指さされた場所を目を凝らして…
うん、みなかったことにしよう。
何とも言えない…かなりハードな訓練がそこに追加されていた。

多分、魔法が使える騎士達だろう。その者達に水球の様なものや火球の様なものを無造作にブンブンぶちかまされている感じだ。それを必死で交わしながら走っている。

「なかなか過激だな…」

思わずどう言うべきかわからずそう呟いて、また騎士達のぶつかり合いの方に視線を送り楽しんだ。
でも、これだけ過激なら、俺、少し場所を貸してもらって訓練という名の運動をしたいなんて言えないよ。
身体は動かしたいんだけどなぁ~。

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