異世界で囲われた?!

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異世界生活

異世界生活、波乱です

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訓練所の近くまでやってきたのか、向こうのほうで激しく金属のぶつかる音と怒声のような声が聞こえてきた。
一瞬ビクッともしたけれど、自ら見学希望したんだ。怯むわけには行かない。

「彼方の方から全体が見渡せると思います。」

そう言って思わずビクビクした俺の手を引いてくれた。
まるでエスコートされてる感がする。いやいや、ここは気合いでだな。

「きちんとついて行くから大丈夫だ。だけど、何だかコロッセオのような建物なんだな。」
「コロッセオとは?」
「えっと、向こうの世界の、俺は行ったこともないから実物を見た事はないんだが、外国の円形の闘技場だ。立ち見席や座って見える座席、後、貴族とかのお金持ちが予約制で特別な部屋みたいな所から見たりするんだったか?」

途中から某アニメで見たコロッセオのイメージが入り込んだが、まぁいっか。

「闘技大会とかがない時には訓練所として開放ってこともあったような?うん、そこら辺はさっぱり。」

両手を開いて首を傾げて「わかりませ~ん」とジェスチャーで示してみた。

「なるほど。ここは多重結界が張られてまして、魔力暴走しても大丈夫なように安全設計されてるんです。剣に魔力をまとわせて放ったり、魔法を発動しながら剣を振るったりと色々出来るように。で、向こうにはもしもの場合に備えて癒しの魔法が使える救護班が常時待機しています。救護班においても癒しの魔法の訓練も兼ねてますからね。」

「なるほど、訓練所だから多少の怪我人が出る。その怪我をどのくらい短時間で数多く完璧に治療が施せるか。また、新たな癒しの魔法の開発とか…もしくは異世界だから、ポーションの実験体的な?」
「よくご存知ですね。まさにその通りです。ポーションの実験はしていませんでしたが、それも良いかもしれませんね。今度案として出してみましょう。」
「いゃいゃいゃ、ポーションと言えば薬だろう?薬の実験はまずいだろ、流石に。ちょっと言ってみただけで…」
「それはいい案ですね。ある程度完成した物をいつも自分達自ら実験体として作っていましたが、なるほど。今度団長に相談してみましょう。」

背後から聞いた事のない声が聞こえてきて、思わず振り向いてしまった。

「これはこれは、ヒューズ様。今日はどうされたのですか?」
「クリス、誰ですか?」
「英二様、この方は…」
「初めてお目にかかります。聖女様の同郷の方。私はヒューズ•クロムスと申します。騎士団の中の医療師団で団長をさせてもらっています。まぁ、いつもは副団長に任せて、薬やポーションの研究をメインにしてるんですがね。今日は救護班に派遣した団員の抜き打ちチェックをしてこいって、アメリアに追い出されまして…でも、良い収穫が出来ました。ありがとうございます。」

そう挨拶してきたのは騎士団の服装の上に白衣を着た感じの背が高い男性だった。
髪の色が濃い紫色で、こんな色合いの人もいるのか~って思ってしまった。


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