8 / 65
これがいわゆる異世界転移?
何でこうなった?
しおりを挟む
二匹に着いて行くと、少し霧が立ち込めた場所に出た。
「これはちょっとした結界の様なものです。さっきの場所を守る感じです。で、向こうが…」
霧が晴れた場所に出ると、そこから見えるのは…
自分達が立っているのは、いわゆる崖の上。向こうに広がるのは草原と、大きな川。そして湖だ。
森のようなものも見えるし、田畑の様なものも見えた。そしてもっと遠くに見えるのは人々が暮らしているであろう街だ。
「あのわずかに見える青い場所はもしかして海?」
「そうです。」
「ビルとかないんだ…それに…」
一瞬大きな影が頭上を飛んだ。
思わず見上げると…
「どっ、ドラゴン!?」
空高く飛んでいるのはまさしくゲームで目にしたドラゴンだ。
西洋風の…東洋風の龍ではない。
「あれは竜人族ですね。」
「竜人族って言うからには、種族?人と同じような感じの国家があったり?」
「はい。竜人族は戦闘民族でもあります。かと言って戦いが大好きと言うわけでもありませんが。あと、竜人族の国は竜人族だけが暮らしているわけではありません。他の種族も住んでいますよ。少ないですがね。妖精族の国ではエルフやドアイアドという種族が多いです。獣人族はいろんな獣人が住んでいますよ。あそこは共和国みたいな感じで、鳥族や獣族、魚類族と言った感じで領地を治めていますね。魔人族には鬼神やバンパイヤ族と言った感じでしょうか?ですが、どの種族も生活をする上では基本人型をとります。」
「えっと、ヒト族とかもいるんだよね?」
「いますよ。ご主人様はどちらかと言えばヒト族として生活できると思います。」
「そうそう、大切な事があるのですが、驚かないでしっかり聞いてくださいね。」
そう言ってシオンが目の前でお座りする。
「とっても大切な事です。この世界では同性•異性共に婚姻出来ますし、種族が別でも可能です。種族によっては子供が生まれにくい種族もありますが、どの性別間でも種族間でも子供が出来ます。ただし、魔力の強い者の方が夫、弱い方が妻になる傾向が強いようです。強いものが母子共に守る必要性があるからだと思います。」
「魔力の強さや多さとかの兼ね合いでしょうか?だから、見た目で判断しにくいかも知れません。あと、番とかも。」
「番って、あの漫画設定の?」
「はい。アレです。この世界の憧れ、『運命の番』は魔力感知やお互いのフェロモンでの匂いで分かるみたいなのですが、普通の『番』はフィーリングです。野生の勘?ただ、ヒト族はそれがものすごく鈍いと有名です。」
「何とも言えない世界だね…」
「でも、この世界ではそれが常識なら、それに順応していくしかないのよね…」
「僕達がいますから、無茶振りはさせないつもりです。」
「そこは『させない!』と言い切って欲しいよ…」
はぁ…………と、姉と二人で大きなため息を吐く。
この世界の常識なら仕方ない。
知らずにいきなり囲われるのとは違うのだから、とりあえず良しとしておくか。
したくは無いけれども…
もう一度ため息を吐いて…
「シオン、カノン。この世界が向こうと大いに違うのは何となく理解できたけれど、この格好でも大丈夫か?怪しまれない?」
異世界の服装は向こうと違う設定は多く見られる。
よく有るのは中世ヨーロッパスタイルだ。
「そうですね…アイテムボックスに服とか入っていると思いますよ。多くの種類ではないですが、それに着替えてみては?他の者に見られたりしないように認識阻害とかかけときますね。」
そう言うと、キラキラしたのが頭の上から振りかけられる感じだ。
「向こうの木陰で着替えてきたら良いですよ。僕達も側にいますから。」
そう言われて、姉と二手に分かれて着替えに行く。
「アイテムボックスってどこに有るんだ?」
「欲しい物をイメージして適当に手を突っ込んでみてください。」
よく分からないけれど、言われた通りに…
何も無い空間にズボッと手が入る。
「うぉ~っ!」
驚いて声を上げてしまったが、何か柔らかい布のような物に触れて、引っ張り出す。
うん、漫画とかイラストとかで見かける異世界に一般的な服だ。
シャツとズボン。そしてベスト。靴はブーツタイプか。
下着は…ボクサータイプでゴムではなく紐で縛るタイプ。
いそいそと着替えて脱いだ服は…
「そのままアイテムボックスに収納すると洗浄と補整されます。勝手に綺麗になって、破けていたら修繕されるんです。便利ですよね。誰しもが持っているものでは無いので、大っぴらに見せてはいけませんよ。」
そう言われて頷いてみた。
確かに便利だが、これを悪用されたら困るよな。納得だ。
「これはちょっとした結界の様なものです。さっきの場所を守る感じです。で、向こうが…」
霧が晴れた場所に出ると、そこから見えるのは…
自分達が立っているのは、いわゆる崖の上。向こうに広がるのは草原と、大きな川。そして湖だ。
森のようなものも見えるし、田畑の様なものも見えた。そしてもっと遠くに見えるのは人々が暮らしているであろう街だ。
「あのわずかに見える青い場所はもしかして海?」
「そうです。」
「ビルとかないんだ…それに…」
一瞬大きな影が頭上を飛んだ。
思わず見上げると…
「どっ、ドラゴン!?」
空高く飛んでいるのはまさしくゲームで目にしたドラゴンだ。
西洋風の…東洋風の龍ではない。
「あれは竜人族ですね。」
「竜人族って言うからには、種族?人と同じような感じの国家があったり?」
「はい。竜人族は戦闘民族でもあります。かと言って戦いが大好きと言うわけでもありませんが。あと、竜人族の国は竜人族だけが暮らしているわけではありません。他の種族も住んでいますよ。少ないですがね。妖精族の国ではエルフやドアイアドという種族が多いです。獣人族はいろんな獣人が住んでいますよ。あそこは共和国みたいな感じで、鳥族や獣族、魚類族と言った感じで領地を治めていますね。魔人族には鬼神やバンパイヤ族と言った感じでしょうか?ですが、どの種族も生活をする上では基本人型をとります。」
「えっと、ヒト族とかもいるんだよね?」
「いますよ。ご主人様はどちらかと言えばヒト族として生活できると思います。」
「そうそう、大切な事があるのですが、驚かないでしっかり聞いてくださいね。」
そう言ってシオンが目の前でお座りする。
「とっても大切な事です。この世界では同性•異性共に婚姻出来ますし、種族が別でも可能です。種族によっては子供が生まれにくい種族もありますが、どの性別間でも種族間でも子供が出来ます。ただし、魔力の強い者の方が夫、弱い方が妻になる傾向が強いようです。強いものが母子共に守る必要性があるからだと思います。」
「魔力の強さや多さとかの兼ね合いでしょうか?だから、見た目で判断しにくいかも知れません。あと、番とかも。」
「番って、あの漫画設定の?」
「はい。アレです。この世界の憧れ、『運命の番』は魔力感知やお互いのフェロモンでの匂いで分かるみたいなのですが、普通の『番』はフィーリングです。野生の勘?ただ、ヒト族はそれがものすごく鈍いと有名です。」
「何とも言えない世界だね…」
「でも、この世界ではそれが常識なら、それに順応していくしかないのよね…」
「僕達がいますから、無茶振りはさせないつもりです。」
「そこは『させない!』と言い切って欲しいよ…」
はぁ…………と、姉と二人で大きなため息を吐く。
この世界の常識なら仕方ない。
知らずにいきなり囲われるのとは違うのだから、とりあえず良しとしておくか。
したくは無いけれども…
もう一度ため息を吐いて…
「シオン、カノン。この世界が向こうと大いに違うのは何となく理解できたけれど、この格好でも大丈夫か?怪しまれない?」
異世界の服装は向こうと違う設定は多く見られる。
よく有るのは中世ヨーロッパスタイルだ。
「そうですね…アイテムボックスに服とか入っていると思いますよ。多くの種類ではないですが、それに着替えてみては?他の者に見られたりしないように認識阻害とかかけときますね。」
そう言うと、キラキラしたのが頭の上から振りかけられる感じだ。
「向こうの木陰で着替えてきたら良いですよ。僕達も側にいますから。」
そう言われて、姉と二手に分かれて着替えに行く。
「アイテムボックスってどこに有るんだ?」
「欲しい物をイメージして適当に手を突っ込んでみてください。」
よく分からないけれど、言われた通りに…
何も無い空間にズボッと手が入る。
「うぉ~っ!」
驚いて声を上げてしまったが、何か柔らかい布のような物に触れて、引っ張り出す。
うん、漫画とかイラストとかで見かける異世界に一般的な服だ。
シャツとズボン。そしてベスト。靴はブーツタイプか。
下着は…ボクサータイプでゴムではなく紐で縛るタイプ。
いそいそと着替えて脱いだ服は…
「そのままアイテムボックスに収納すると洗浄と補整されます。勝手に綺麗になって、破けていたら修繕されるんです。便利ですよね。誰しもが持っているものでは無いので、大っぴらに見せてはいけませんよ。」
そう言われて頷いてみた。
確かに便利だが、これを悪用されたら困るよな。納得だ。
40
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
ド平凡な俺が全員美形な四兄弟からなぜか愛され…執着されているらしい
パイ生地製作委員会
BL
それぞれ別ベクトルの執着攻め4人×平凡受け
★一言でも感想・質問嬉しいです:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です
X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

最強様が溺愛したのは軟派で最弱な俺でした
7瀬
BL
『白蘭高校』
不良ばかりが集まるその高校は、学校同士の喧嘩なんて日常茶飯事。校内には『力』による絶対的な上下関係があり、弱い者は強い者に自らの意思で付き従う。
そんな喧嘩の能力だけが人を測る基準となる世界に、転校生がやってきた。緩い笑顔・緩い態度。ついでに軽い拳。白蘭高校において『底辺』でしかない筈の瑠夏は、何故か『最強』に気に入られてしまい………!?
「瑠夏、大人しくしてろ」
「嫌だ!!女の子と遊びたい!こんなむさ苦しいとこ居たくない!」
「………今千早が唐揚げ揚げてる」
「唐揚げ!?わーい!」
「「「単純………」」」」
溺愛系最強リーダー×軟派系最弱転校生の甘々(?)学園物語開幕!
※受けが割とクズな女好きです。
※不良高校の話なので、喧嘩や出血の描写があります。
※誤字脱字が多く申し訳ないです!ご指摘いただけるととても助かります!

聖獣騎士隊長様からの溺愛〜異世界転移記〜
白黒ニャン子(旧:白黒ニャンコ)
BL
『ここ、どこ??』
蔵の整理中、見つけた乳白色のガラス玉。
手にした瞬間、頭に浮かんだ言葉を言った。ただ、それだけで……
いきなり外。見知らぬ深い森。
出くわした男たちに連れ去られかけた眞尋を助けたのは、青銀の髪に紺碧の瞳の物凄い美形の近衛騎士隊長、カイザー。
魔導と聖獣を持つ者が至上とされる大陸、ミネルヴァ。
他人の使役聖獣すら従えることができる存在、聖獣妃。
『俺、のこと?』
『そうだ。アルシディアの末裔よ』
『意味、分かんないって!!』
何もかも規格外な美形の騎士隊長の溺愛と、かっこよくて可愛いモフモフ聖獣たちに囲まれての異世界転移生活スタート!!
*性描写ありには☆がつきます
*「彩色師は異世界で」と世界観リンクしてますが、話は全く別物です

異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる