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学院生活
時は回り
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学園生活にも慣れ、幾度かの季節が巡っていった。
色んなことがあったけど、それなりに楽しんだし、友人もできた。
これから起こるかもしれないものは、回避できるように留意して…
長期の休みには、ウィルと共に実家である城に戻り、家族で過ごした。
温泉も、訓練所も行く機会があり、上手く機能していて嬉しい。
思った以上の成果もあった。
騎士達が生き生きして訓練していたのと、少し離れて暗部組織の訓練所も、高度な技術を身につけ、レベルも結構上がってると思う。
犬達が鍛えてたからなぁ……
あと、いつまでも、犬扱いもなぁ……
取り敢えずの旗印は考えてみたんだ。
『犬』ではなくて、『狼』をモチーフにして。
『犬』より『狼』の方がかっこいいもの…
ウィルも、賛成してくれたし。
クロさんとシロさんは、犬には勿体無いと言っていた。
渋々OKだったけどね。
で、ネーミングも、ウィルがクロさんに無理言って、『漆黒の牙』って付けてた。
クロさんは嫌がってたけどね。
理由は、あれだよ。わかるよね。
そうそう、ハウス栽培も、順調で、今では数種類の野菜や、薬草、果物も少し作られて、食糧難は何とか回避されていた。
領民んも、少し生活にゆとりが出来たのか、笑顔が増えていて嬉しかったなぁ~。
他の地域にも、栽培のノウハウが活かせれるところは、実施していると言っていた。
父や、兄達の頑張りで、腐食されていた政権が少しは改善されてきたようだが、まだまだ油断は出来ない。
元老院を牛耳っている奴や、例の宗教団体がいるからだ。狸の宰相も厄介だしね……
「ウィルとリリィは大丈夫?」
「大丈夫ですよ。勉学も楽しいですしね。」
「ウィルは真面目だもの。私は身体を動かす方が楽しい。」
「それは良かった。」
そう言って、父達は喜んでくれた。
確かに楽しんで今までは来れた。
来れたんだけど………
父達との団欒を終え、部屋に戻る。
ウィルの部屋に一緒に行く。
「ウィル、大丈夫?」
「何とも言えないね。彼女、マリアンヌが編入してきたから……」
「………」
マリアンヌ。このゲームのヒロイン。
彼女の登場で、これからどう転ぶかわからない。
ゲーム上の嫌なフラグは回避してきた。
今のところは……
隣国の皇太子や、騎士団長の息子、レダリア教教皇の子息など学園での接触はあるが、あくまで友人としてだけで、それ以上はない。
彼らにあまり関わると、ウィルに変なフラグが立つ。
あの夢が、正夢になりかねない。
それは、絶対に嫌だ。
だが、このヒロインの登場で、どうなるかわからない。
彼女が学園に通いだし、みんなが彼女に好意を向け、側にいる。
側にいるだけなら、別に良いんだけど……
何だか変なのよね。まるでそう、『魅了』の魔力を感じる。
まるで薬物中毒者のように感じた。
ヒロインである彼女マリアンヌの言いなり。
「ウィル?」
「彼女には近づかないようにしてるよ。」
「その方が良いよね。でも……」
「何故か、側によってくるんだよね。嫌な予感しかしない…」
「気をつけて、もう、色んなことが起こる年代になったんだから。ウィルに何かあったら…」
「リリィもだろう?そろそろ接触があるはずだ。」
ソファーに座り、クロさんの入れてくれたお茶を飲む。
シロさんも側にいてくれている。
もう、15歳にお互いなった。
16歳頃に起こるであろう、あの悪夢を思い出す。
ウィルの夢に同調してみた悪夢。
いくつかは、回避できたはずなんだ。
そう信じているんだけど、心配だ。
宰相の汚職などの罪を後もう少しで……
犬達を使い、後一歩までいった。
学園生活でなければ、もっと早く暴露できたかもしれないが、これさえ上手くいけば、父や兄が治める治世がいいものになる。
ウィルが全ての証拠をアイテムボックスにしまい、クロさんとシロさんに指示を出した。
私は心配でウィルをみつめるだけだった。
いくら身体は男子でも、心に生前の女性だった頃のものが残っているウィル。
大丈夫だろうか……心が壊れないか心配だ。
色んなことがあったけど、それなりに楽しんだし、友人もできた。
これから起こるかもしれないものは、回避できるように留意して…
長期の休みには、ウィルと共に実家である城に戻り、家族で過ごした。
温泉も、訓練所も行く機会があり、上手く機能していて嬉しい。
思った以上の成果もあった。
騎士達が生き生きして訓練していたのと、少し離れて暗部組織の訓練所も、高度な技術を身につけ、レベルも結構上がってると思う。
犬達が鍛えてたからなぁ……
あと、いつまでも、犬扱いもなぁ……
取り敢えずの旗印は考えてみたんだ。
『犬』ではなくて、『狼』をモチーフにして。
『犬』より『狼』の方がかっこいいもの…
ウィルも、賛成してくれたし。
クロさんとシロさんは、犬には勿体無いと言っていた。
渋々OKだったけどね。
で、ネーミングも、ウィルがクロさんに無理言って、『漆黒の牙』って付けてた。
クロさんは嫌がってたけどね。
理由は、あれだよ。わかるよね。
そうそう、ハウス栽培も、順調で、今では数種類の野菜や、薬草、果物も少し作られて、食糧難は何とか回避されていた。
領民んも、少し生活にゆとりが出来たのか、笑顔が増えていて嬉しかったなぁ~。
他の地域にも、栽培のノウハウが活かせれるところは、実施していると言っていた。
父や、兄達の頑張りで、腐食されていた政権が少しは改善されてきたようだが、まだまだ油断は出来ない。
元老院を牛耳っている奴や、例の宗教団体がいるからだ。狸の宰相も厄介だしね……
「ウィルとリリィは大丈夫?」
「大丈夫ですよ。勉学も楽しいですしね。」
「ウィルは真面目だもの。私は身体を動かす方が楽しい。」
「それは良かった。」
そう言って、父達は喜んでくれた。
確かに楽しんで今までは来れた。
来れたんだけど………
父達との団欒を終え、部屋に戻る。
ウィルの部屋に一緒に行く。
「ウィル、大丈夫?」
「何とも言えないね。彼女、マリアンヌが編入してきたから……」
「………」
マリアンヌ。このゲームのヒロイン。
彼女の登場で、これからどう転ぶかわからない。
ゲーム上の嫌なフラグは回避してきた。
今のところは……
隣国の皇太子や、騎士団長の息子、レダリア教教皇の子息など学園での接触はあるが、あくまで友人としてだけで、それ以上はない。
彼らにあまり関わると、ウィルに変なフラグが立つ。
あの夢が、正夢になりかねない。
それは、絶対に嫌だ。
だが、このヒロインの登場で、どうなるかわからない。
彼女が学園に通いだし、みんなが彼女に好意を向け、側にいる。
側にいるだけなら、別に良いんだけど……
何だか変なのよね。まるでそう、『魅了』の魔力を感じる。
まるで薬物中毒者のように感じた。
ヒロインである彼女マリアンヌの言いなり。
「ウィル?」
「彼女には近づかないようにしてるよ。」
「その方が良いよね。でも……」
「何故か、側によってくるんだよね。嫌な予感しかしない…」
「気をつけて、もう、色んなことが起こる年代になったんだから。ウィルに何かあったら…」
「リリィもだろう?そろそろ接触があるはずだ。」
ソファーに座り、クロさんの入れてくれたお茶を飲む。
シロさんも側にいてくれている。
もう、15歳にお互いなった。
16歳頃に起こるであろう、あの悪夢を思い出す。
ウィルの夢に同調してみた悪夢。
いくつかは、回避できたはずなんだ。
そう信じているんだけど、心配だ。
宰相の汚職などの罪を後もう少しで……
犬達を使い、後一歩までいった。
学園生活でなければ、もっと早く暴露できたかもしれないが、これさえ上手くいけば、父や兄が治める治世がいいものになる。
ウィルが全ての証拠をアイテムボックスにしまい、クロさんとシロさんに指示を出した。
私は心配でウィルをみつめるだけだった。
いくら身体は男子でも、心に生前の女性だった頃のものが残っているウィル。
大丈夫だろうか……心が壊れないか心配だ。
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