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調査です
騒ぎ
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「城下ってこんな感じなんだ」
「アキ、きょろきょろしたら迷子になるよ」
とりあえず、2人で手を繋ぎ、出歩く。
そうそう、とりあえず、名前も変えてた。
ウィルがそうした方がいいと言うから、転生前の名前から取ろうと話し合ったんだ。
私は昔は章人(あきひと)っていう名前だったから、『アキ』
ウィルは、涼子(りょうこ)って言う名前だったらしい。だから『リョウ』
店先に果物を置いている店
金物や、いわゆる日用雑貨を置いている店
露店もある。
思ったよりも治安が…………良いとは言い切れない。
浮浪者がいるとかは、わからないけど……今はそんな風景は見てないから……でも、別の路地で座ってるとかって言うのはない……でも、早速喧嘩?
「向こうでなんか揉めてるね」
「なんだろうって……ちょっとアキ!」
気になって、ウィルの手を離し、人混みに紛れて見に行った。
「もう!!」
プンプンしながら追いかけて来るウィル。
「だれがこのへんを守ってやってるのかわかってんのか?あ~!!」
「この道端に商品置いたらいけないって決まってんだろ!」
道端に数個果物が転がっている。
店の商品は店内に綺麗に並べられていた形跡があるのに……
地域の住民は遠巻きに見ているだけか…チィ
思わず舌打ちした。
ウィルが近くにいる人の服を引っ張って聞いている。
私は、相手をどう倒すか考えていた。
ウィルと町民の会話を聞き耳をたてながらだが…
どうも、今文句言っている人が、商品を置いている木箱に足をぶつけて道端に倒したようだ……
しかも、警邏。
「また警邏の連中だ……」
「この前、商業ギルドと揉めてただろ………そのはらいせか?」
「ばあさんと、孫娘だけだろ……大変だ……いいとばっちりだよ……」
「こんなとこに置くから、足が当たったじゃないか。しかも、敷地外での商売は禁止だしな、どうしてくれるんだよ!」
「これは違反と、慰謝料だな……なんなら、お前が俺たちの相手をするのでもいいんだぞ!!」
ニヤニヤしながら言い詰めている。
お婆さんは青い顔をして、若い女性が無理やりひっぱられてる……
駄目だ、許せん!!
蹴り倒しに行こうとしたら、
慌てて、ウィルが私を捕まえる
「リョウ、何するんだ」
「アキ、蹴ったらダメ。もっとややこしくなる!」
「じゃぁ、どうしろと!」
ひっぱられてる女性の足元にあったリンゴが転がってきた。
ウィルが人混みから抜け、男たちの背後から少し後ろにまわる。
深呼吸して、少し大きい声を出した。ニコニコ笑顔で
「お姉さん!今日も買いに来たよ!!」
場違いな明るい声で、皆んなの注目をさらう。
なるほど……なら
「あれれ~美味しそうなリンゴが転がってる………どうしたの?お父様は果物大好きなのに、悲しむな。お母さまも悲しんでしまう……」
ウィルが少し、ウルウルした表情で訴えている。それに便乗して
「本当だ。それに何か揉めてるね。お姉さん、何か困ってる?僕のお父さん、軍部局に知り合いがいるから、相談にのるよ?」
そっと男達から女性の手を外して、しがみついてみる。
子供だからできる芸当だ
「そうだよね。お兄さん達、何か知ってる?」
ウィルが、密かにお姉さんを庇いながら男達に対峙して聴いてみる。
勿論、お目目キラキラモードだ。
うん、あざとい…………けど、可愛い……
「いや、俺たちは……なぁ……」
「あぁ、お前、気をつけろよ!」
そう言って逃げていった。
ふふっ…、ざまぁ!
ウィルと顔お見合わせて、笑った。
「あっ、ありがとう。」
「凄いな、警邏を追い払ったよ!」
「凄いな、坊主達!」
えへへ………っと2人で笑う。
「そうだ、おばあちゃん。ちょっとギルドに行って報告して来る」
「あぁ、そうだね……」
「おばあちゃんは腰が痛いんだから、座って待ってて、僕たち、さっきはありがとう。よかったら、これ食べてね。」
そう言って、ウィルと一個ずつリンゴをもらった。
かじると甘酸っぱい。
うん、美味しい………
「美味しいね」
「ありがとう。って、言って来るね!」
「警邏と商業ギルド、揉めてるんだ……」
「あぁ、ギルドの上役が警邏局への維持費をケチったらしくてね………この頃税金も上がって大変だよ。坊や達、こっちに座って食べな」
そう言って、果物屋のお婆さんが手招きしてくれた。
とととっと、2人で行き、素直に近くの箱を椅子がわりにして座って食べた。
「維持費ってなんだろうね……国から経費が下りてるなずなのに」
「もしかしたら、みかじめ料?」
「城では虚偽取引が横行してるし、街は役人の横暴と……癒着……」
「この国、マジでやばいんじゃ……」
2人でコソコソ話す。会話は聴こえていない。
国と民の溝は深まっていき、もし限界が来れば、暴動や内乱が勃発する。弾劾されたとしたら、王である父様と王族。しかも、極刑は免れない……国の混乱に乗じて他国が侵略してくる可能性も否定できないし、乱れた国内で病気の蔓延もありうる……
「どうにかしないとね」
「そうだね、どうにかしないと……」
リンゴを食べ終わる頃、店に客らしい人が見えた。
「エリスはいるかい?」
「アキ、きょろきょろしたら迷子になるよ」
とりあえず、2人で手を繋ぎ、出歩く。
そうそう、とりあえず、名前も変えてた。
ウィルがそうした方がいいと言うから、転生前の名前から取ろうと話し合ったんだ。
私は昔は章人(あきひと)っていう名前だったから、『アキ』
ウィルは、涼子(りょうこ)って言う名前だったらしい。だから『リョウ』
店先に果物を置いている店
金物や、いわゆる日用雑貨を置いている店
露店もある。
思ったよりも治安が…………良いとは言い切れない。
浮浪者がいるとかは、わからないけど……今はそんな風景は見てないから……でも、別の路地で座ってるとかって言うのはない……でも、早速喧嘩?
「向こうでなんか揉めてるね」
「なんだろうって……ちょっとアキ!」
気になって、ウィルの手を離し、人混みに紛れて見に行った。
「もう!!」
プンプンしながら追いかけて来るウィル。
「だれがこのへんを守ってやってるのかわかってんのか?あ~!!」
「この道端に商品置いたらいけないって決まってんだろ!」
道端に数個果物が転がっている。
店の商品は店内に綺麗に並べられていた形跡があるのに……
地域の住民は遠巻きに見ているだけか…チィ
思わず舌打ちした。
ウィルが近くにいる人の服を引っ張って聞いている。
私は、相手をどう倒すか考えていた。
ウィルと町民の会話を聞き耳をたてながらだが…
どうも、今文句言っている人が、商品を置いている木箱に足をぶつけて道端に倒したようだ……
しかも、警邏。
「また警邏の連中だ……」
「この前、商業ギルドと揉めてただろ………そのはらいせか?」
「ばあさんと、孫娘だけだろ……大変だ……いいとばっちりだよ……」
「こんなとこに置くから、足が当たったじゃないか。しかも、敷地外での商売は禁止だしな、どうしてくれるんだよ!」
「これは違反と、慰謝料だな……なんなら、お前が俺たちの相手をするのでもいいんだぞ!!」
ニヤニヤしながら言い詰めている。
お婆さんは青い顔をして、若い女性が無理やりひっぱられてる……
駄目だ、許せん!!
蹴り倒しに行こうとしたら、
慌てて、ウィルが私を捕まえる
「リョウ、何するんだ」
「アキ、蹴ったらダメ。もっとややこしくなる!」
「じゃぁ、どうしろと!」
ひっぱられてる女性の足元にあったリンゴが転がってきた。
ウィルが人混みから抜け、男たちの背後から少し後ろにまわる。
深呼吸して、少し大きい声を出した。ニコニコ笑顔で
「お姉さん!今日も買いに来たよ!!」
場違いな明るい声で、皆んなの注目をさらう。
なるほど……なら
「あれれ~美味しそうなリンゴが転がってる………どうしたの?お父様は果物大好きなのに、悲しむな。お母さまも悲しんでしまう……」
ウィルが少し、ウルウルした表情で訴えている。それに便乗して
「本当だ。それに何か揉めてるね。お姉さん、何か困ってる?僕のお父さん、軍部局に知り合いがいるから、相談にのるよ?」
そっと男達から女性の手を外して、しがみついてみる。
子供だからできる芸当だ
「そうだよね。お兄さん達、何か知ってる?」
ウィルが、密かにお姉さんを庇いながら男達に対峙して聴いてみる。
勿論、お目目キラキラモードだ。
うん、あざとい…………けど、可愛い……
「いや、俺たちは……なぁ……」
「あぁ、お前、気をつけろよ!」
そう言って逃げていった。
ふふっ…、ざまぁ!
ウィルと顔お見合わせて、笑った。
「あっ、ありがとう。」
「凄いな、警邏を追い払ったよ!」
「凄いな、坊主達!」
えへへ………っと2人で笑う。
「そうだ、おばあちゃん。ちょっとギルドに行って報告して来る」
「あぁ、そうだね……」
「おばあちゃんは腰が痛いんだから、座って待ってて、僕たち、さっきはありがとう。よかったら、これ食べてね。」
そう言って、ウィルと一個ずつリンゴをもらった。
かじると甘酸っぱい。
うん、美味しい………
「美味しいね」
「ありがとう。って、言って来るね!」
「警邏と商業ギルド、揉めてるんだ……」
「あぁ、ギルドの上役が警邏局への維持費をケチったらしくてね………この頃税金も上がって大変だよ。坊や達、こっちに座って食べな」
そう言って、果物屋のお婆さんが手招きしてくれた。
とととっと、2人で行き、素直に近くの箱を椅子がわりにして座って食べた。
「維持費ってなんだろうね……国から経費が下りてるなずなのに」
「もしかしたら、みかじめ料?」
「城では虚偽取引が横行してるし、街は役人の横暴と……癒着……」
「この国、マジでやばいんじゃ……」
2人でコソコソ話す。会話は聴こえていない。
国と民の溝は深まっていき、もし限界が来れば、暴動や内乱が勃発する。弾劾されたとしたら、王である父様と王族。しかも、極刑は免れない……国の混乱に乗じて他国が侵略してくる可能性も否定できないし、乱れた国内で病気の蔓延もありうる……
「どうにかしないとね」
「そうだね、どうにかしないと……」
リンゴを食べ終わる頃、店に客らしい人が見えた。
「エリスはいるかい?」
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