オメガ転生。

学園生活

そんな事が

もうどうしたら良いのか…
そう考えてしまっていた。

白一色の世界に閉じ込められ…でも、風を感じる事ができるし、サワサワと揺れる木々の音を感じられるから、まだマシなのだろうか…

これが更に無音の空間だとか、物も触れられなかったら…とっくに狂ってしまっただろう…

瞳を閉じて考える。
ゲームや小説でこんな感じの世界…空間はあっただろうか…

あのゲームでは…知らない…
気づいていないだけかもしれないけれど…
でも…アレとは関係ないものでは？

精霊が住んでる空間とか、神の領域とか…
そんな摩訶不思議な空間では、そんな描写がされたものがあったような気がする。

なら、ここは？
もしかしたら、日ごろは見えないもの、会話などが出来ないものと遭遇できるかもしれない空間かも知れない。
違うかもしれないけど…

魔法陣で飛ばされるぐらいだから…
あの家族に優しい父が、泣いて謝ってはいたが、危険な場所に僕を飛ばすだろうか…
どんな理由があったとしても、不安を感じさせる空間に置いてしまったとしても、そこまではしないような気がする。
それに、それだけはさせないとも思った。

なら…

そう考え出したら、気持ちが少し落ち着いて来た。
落ち着いて来たら、不思議ともっと色んなものに目がいき、感じれるようになってきた。

そう、白一色…そう思っていた空間に、少し淡い色ではあるが、小さな光がふわふわと、僕の周りに近寄りながら漂っていることに気がついた。

そっと手を伸ばし、包み込んでみる。
昔、そう前世で蛍を捕まえた時にしたように…