オメガ転生。

文字の大きさ
153 / 302
学園生活

そんな事が(雅貴)

しおりを挟む
ある程度仕事を終え、今日は早めに屋敷に戻った。
愛しい翔が、友人達と旅行に行く話がある事は聞いていたし、報告にも上がっていた。
翔自身が楽しみにしていたようだから、ダメだとは言わないが、気分は悪い。

いくら婚約者としても、婚姻を結んではいないのだから、どこで横槍が入るかわからない。
入らせる気もないが、邪魔だてするようなら、容赦はしない。
護衛は勿論つけておく。本人に気づかれないように細心の注意を払ってだが。

そうだ、我が領地の屋敷に宿泊させるのも良いだろう。
そうすれば、私がもし不在であっても、屋敷の者達がしっかり注意してくれるはずだ。
しかも、いつヒートを起こしても対応が早いはず。

すでに私のモノだとしっかり刻んで入るが、本人の体調が悪くなるのも可哀想だ。
何かのきっかけで、私を求めて起こす可能性は十分にあるしな。
この前も、そんな感じだったし…

よし、しっかり長期休暇をもぎ取れるよう、部下に仕事を割り振っておこう。
良い考えだ…

自室の電話が鳴り、受話器を取る。

『旦那様。翔様からお電話が入っております。いかがいたしますか?』

受話器の向こうはこの屋敷の執事の高柳だ。
回線を回してもらい、そのまま相手に声をかけた。

『今晩は。こんな時間にすみません』
「いゃ、電話をかけてくれて嬉しいよ。どうしたんですか?」

何となくかけてきた理由はわかるのだが、あえてそう声をかける。

『旅行先が大方決まったのでお伝えしておこうと…あと、もし良ければお勧めスポットとか教えてもらえればなぁ~なんて思って…お仕事でお疲れのところ、こんな事で電話してごめんなさい』
「ふふっ、良いんですよ。些細な事でも教えてくれたら嬉しいし、君の声が聞けて嬉しいから。今すぐ会いたいぐらいだ」

何となくだが、受話器の向こうで翔が照れているのがわかる。
本当に可愛らしい。
早く身も心も全てを喰らい尽くしてしまいたいぐらい、愛してる。
何で今この時そばにいないんだろう…

相手が寮生活の学生である事が残念で仕方がない。
卒業したら、自分の側に置いておくのに…
そのための段取りもしっかりすすめている。
あの鬼道院 一雅にも笑われたがな…
アイツだって、自分の番いを一時期ずっと側にいさせていたんだから、人のことは言えないだろう。
今は子供もいるから、屋敷に置いているようだが…

そう、一時期自分の所属場所に連れて行き、いつも側に置いていた。
会議の時も、執務の時、演習の時などずっとだ。
あの時協力したのだから、私の時も協力してもらう。

『もしもし、雅貴さん?』

いかん、考え事をしていた。

「少し考え事をしてしまった。そうだ、もし良ければ私の屋敷に泊まらないかい?屋敷の者も喜ぶし、私も少し領地に戻るから、来てくれると嬉しい。勿論、友人達も歓迎するよ」

本当は翔だけでも良いのだが、翔の婚約者が私である事を十分知らしめておく必要もある。特にあの幼馴染という青年だ。翔に恋慕しているのは側から見てもわかるし、そう報告も上がっている。密かに引き離しても良いが、翔が悲しむのは論外だしな…

それから小一時間しっかり話して受話器を置いた。
そんなに話す事はないだろうと思うかもしれないが、愛しい者との貴重な時間だ。少しでも長く声を聞きたいと思う気持ちは許してもらいたい。

旅行に行く前にあってせっかくの印を視えなくする約束もした。
牽制の意味では視えなくしたくは無かったが、温泉を楽しみたいという気持ちも理解できるし、そういう約束だから、仕方ないか…

さて、護衛の配置とかも考えておこうか…


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

勃たなくなったアルファと魔力相性が良いらしいが、その方が僕には都合がいい【オメガバース】

さか【傘路さか】
BL
オメガバース、異世界ファンタジー、アルファ×オメガ、面倒見がよく料理好きなアルファ×自己管理が不得手な医療魔術師オメガ/ 病院で研究職をしている医療魔術師のニッセは、オメガである。 自国の神殿は、アルファとオメガの関係を取り持つ役割を持つ。神が生み出した石に魔力を込めて預ければ、神殿の鑑定士が魔力相性の良いアルファを探してくれるのだ。 ある日、貴族である母方の親族経由で『雷管石を神殿に提出していない者は差し出すように』と連絡があった。 仕事の調整が面倒であるゆえ渋々差し出すと、相性の良いアルファが見つかってしまう。 気乗りしないまま神殿に向かうと、引き合わされたアルファ……レナードは、一年ほど前に馬車と事故に遭い、勃たなくなってしまった、と話す。 ニッセは、身体の関係を持たなくていい相手なら仕事の調整をせずに済む、と料理人である彼の料理につられて関わりはじめることにした。 -- ※小説の文章をコピーして無断で使用したり、登場人物名を版権キャラクターに置き換えた二次創作小説への転用は一部分であってもお断りします。 無断使用を発見した場合には、警告をおこなった上で、悪質な場合は法的措置をとる場合があります。 自サイト: https://sakkkkkkkkk.lsv.jp/ 誤字脱字報告フォーム: https://form1ssl.fc2.com/form/?id=fcdb8998a698847f

みそっかす‪α‬、ある日スパダリΩに拾われる。

Q矢(Q.➽)
BL
飯嶋 茜太(いいじま せんた)、25歳。 ‪性別 男、‪α‬。長身で黒髪黒目、ルックスそこそこ、学歴そこそこ。 基本性格は明るく人懐っこい。 でも、モテません。 それは、‪"α‬"だから―――。 さて、期待外れと呼ばれて今迄の生活を捨てたαに、幸せは訪れるのか。

すべてはあなたを守るため

高菜あやめ
BL
【天然超絶美形な王太子×妾のフリした護衛】 Y国の次期国王セレスタン王太子殿下の妾になるため、はるばるX国からやってきたロキ。だが妾とは表向きの姿で、その正体はY国政府の依頼で派遣された『雇われ』護衛だ。戴冠式を一か月後に控え、殿下をあらゆる刺客から守りぬかなくてはならない。しかしこの任務、殿下に素性を知られないことが条件で、そのため武器も取り上げられ、丸腰で護衛をするとか無茶な注文をされる。ロキははたして殿下を守りぬけるのか……愛情深い王太子殿下とポンコツ護衛のほのぼの切ないラブコメディです

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】

晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...