オメガ転生。

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学園生活

事件です※(雅貴)

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「なんて可愛らしいのでしょう。このまま私のものになってくださいね」
「だめ……ん…」
「可愛らしい抵抗ですね。知ってますか?逃げたり拒否されると、ますます追いかけ、捕らえて…」

妖の血が激る。
赤い瞳がギラついてみえたのか、妖独自の妖力に怯えたのか、愛しい者が身じろぎし、逃げようとするが、逃すわけがない。
運命の番。長い間探し続け、待ち続け、やっと出逢い、捕らえたのだ!!

「そうそう、遥か昔、番いに酷く拒否をされ、逃げられかけた者がいました。その者はどうしたと思いますか??」

愛しい者の顔が強ばる。
恐ろしく感じているのだろう。背中に嫌な汗をかいてるのかもしれない。
でも、そういう事は、過去にあったのだ。
知っているかもしれないし、知らないかもしれないが、妖の執着は人とは少し違うかもしれない。
同じ部分もあるだろうが…


「ふふふっ、私はそんな事しませんよ。狩は楽しまないとね…捕らえる獲物は、愛しい者ですし…」

ちょっと怖い発言をしている自分を可笑しく思う。
翔自身は、逃げたいけど、身体が熱って思い通りにならないようだ。

私と翔のフェロモンが混ざり合っての効果と、妖自身からの物のせいだろうが…

翔の上にまたがり、アルファとして、そのまま蹂躙しようとする者と、オメガとして蹂躙されたいと反応しているようだ。
甘い香りが纏わり付き、もっともっとと思ってしまう自分を少し、いゃ、おおいに戸惑っているようだ。

「あぁ、泣かないで。私は貴方を泣かしたいのではないのですよ。鳴したいのです。こうやって…」

唇で頬に伝う涙を拭い取ってやる。
ほっとさせた矢先に、ぷつりと入れてみた。
それは初めは優しく撫で、やがてある場所を探し見つけるように動かした。
翔の良い所を全て暴き出したいがため…

「あっ…あぁ…はぅ…ん…そこダメ~~~~~~!!」

ピクピクと引きつる。
目の前が一瞬真っ白になり、鈴口から熱いものが吹き出しそうになる。
ペロリと唇を舐め、ニヤッと口角が上がる。

そして、私の口の中に収まり、いっきに吸い上げた。
本来、青臭い味がするのであろうが、妖の番に関しては、甘酸っぱい感じたり、美酒の様に感じたりするとされていた。
私の場合は後者だ。
これほど美味しい物はない…

飲み干した後、唇を赤い舌で舐める。
艶かしく、妖しく感じたかもしれないね…
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