オメガ転生。

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学園生活

手に入れられず…

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「くそ!くそ!くそ!」

側にある花瓶などを投げ壊し、椅子や机を蹴り飛ばす。
物に八つ当たりの様に怒りをぶつけても治らない。

途中までうまく行っていたんだ。
そう、途中まで…


学園などで見つけたあの美しく愛しい人。
彼を捉えて、この部屋に閉じ込め、自分だけのモノにするはずだった。
本当なら…計画通りに行っていたなら、彼のために整えたこの部屋。
このベットに鎖で繋いで拘束し、今頃はあらゆる物を使って彼を堪能するはずだった。

彼は自分の性を周りに明かしていない様だが、アレはオメガだ。
私のためのオメガにして良いはずだ。

オメガ特有の愛らしい顔と、いくら鍛えても変わらぬ滑らかでしなやかな身体つき。
彼をこの鎖で繋ぎ、オメガを発情させる香を焚きしめ、媚薬のオイルを使い…
魅惑的な表情とその裸体や痴態を堪能し、私のてくだでもっと愛らしく引き出していく…
彼の鳴く声を部屋中に響かせ、堪能し、彼の体を征服する…はずだった…

はずだったんだ。
彼を色んな物で愛でるために、あらゆる道具を集めた。
拷問の道具のような物もある。
コレを使用した時の、彼の懇願する姿も…

なのになのになのにだ!!!

愛しい者が常に持ち歩いていると情報があった薬をすり替え、彼が飲む物にヒートを誘発させる物を混ぜさせた。
オメガ以外には、反応しない特殊な物。
無味無臭の物だけに、何に混ぜてもわかりにくい物だ。
それで彼が取るであろう行動を先読みし、特殊ギルドから人を雇い入れ、彼を私の元に連れてくるはずだったのに…

奴らはせっかくの計画を失敗した。
ギルドには代行人を使ったから、私とはわからないはずだが…
私との繋がりがもしバレても金と力でどうにでもなるだろう…
なるはずだ。あの方の力も借りれるし…

次の計画を練り直さねば…

「あぁ、待っていてくださいね。必ず…そう、貴方は私の腕の中に落ちる運命なのですよ……翔…」

そうだ、狩りもしなくては…あの方の希望に添える獲物を…

ついつい自分の事ばかり考えてしまう。
私のものは、私の腕の中に絶対に落ちてくる。
そういう運命なのだから…
だから、仕事の計画を実行指示しないと…

呼び出しベルを鳴らし、来た者に指示を出す。
勿論、愛しい者を捕獲する指示も…

そうだ、彼に似合うとっておきの服も準備しよう…
考えると興奮してくる。たまらない…

少し発散させよう…地下のあの子で…
つい最近手に入れたオメガの子。
以前のは飽きたから、他の者に下賜した。
下賜した者は喜んでいたから、まぁ良い。

「地下に行ってくる」

側に控えていた者にそう声かけ、コツコツと靴音を響かせながら、地下の部屋へと降りて行った。
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