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学園生活
何が…
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何が起こったんだろうか…
状況を知りたくて、ゆっくりと瞼を開けようとしたら、誰かの掌で押さえられた。
「大丈夫だから、これを飲んで…」
心地よいものが唇に触れる。
柔らかいものが触れ、唇の隙間をこじ開けようとする。
先ほどから動悸と息苦しさを感じていたからか、わずかに隙間ができ、そこにすかさずねっとりしたものが入り込んだ…と思ったら、液体のようなものが流し込まれた。
そう、誰かが口移しで液体を俺に飲ませようとしているんだ。
首を振り拒否した方が良いのだろうが、何故かあらがえなかった。
コクリと喉を鳴らして嚥下する。
「そうだ。良い子だ。それで良い。大丈夫だから…」
落ち着いた渋い男性の声がする。
そして、自分の周りに立ち込める甘い香りを吸い込んで、頭がクラクラした…
甘いと言っても、甘ったるい感じじゃない。
でも、好みの香り……
しだいに体の力が抜けていき、誰かわからない人に抱きしめられ、そのまま意識を手放した。
気がつけば、自室のベットに横たわっていた。
ガバッと起き上がり、周囲を見回す。
窓から日差しが入り、小鳥の声が聞こえる。
時計の針は、朝の9時を指していた。
「いつのまに……」
自分の姿を確認する。
着ていたはずの服ではなく、いつもの寝衣に着替えていた。
「おはよう。遅い起床ね」
そう言って入ってきたのは、妹だった。
いったいどういう事だったのだろうか?
夢だったのか??
ベットの端に座りながら、声をかけてくる妹。
「もう、心配したのよ!いきなりいなくなったと思ったら、体調が悪そうだと送ってもらったんですって?豪華な馬車で送りとどけられたらしいんだけど、それが誰だかわからないのよね~~、不思議。妖のアルファかしら??そんな事が出来るのは?セバスチャンが、御身分がしっかりされた男性が送り届けてくれたと言っていたけど、何か術でもかけられたように、誰かわからなかったって言ってた。ただ、高貴の人で間違いないと言ってたけどね…」
「そうなのか?て言うか、送ってもらって申し訳ないけど、怪しいよねそれ…」
「そうなのよね…でも、セバスチャンが大丈夫だと言ってたし、父様達も特に問題ないみたいにしてたからなぁ…」
こてんと首を傾げる姿が可愛い妹と一緒に首を傾げて考えるも、わからない。
夢でないなら、助けられたのだろう…でも、誰に?
そして、誰があの2人組を雇って自分を襲わせたのか?
自分自身に起こった事は?
ふと頭の中で声がリピートされる。
『そうだ。良い子だ。それで良い。大丈夫だから…』
あの声の主は誰なんだろう…
あれをヒントに探すのも…
あのような場所に集まっていた人だ。
調べればわかるかも知れない。
お礼も言いたいし…
「もう!聞いてるの!!」
妹がぷりぷり怒ってる。
「ごめん。考え事してたんだ。で、何?」
「もう良い!!学園に戻る準備が出来てるから、起きて食事して、ね!」
「あぁ、もうそんな時間なんだね。ごめん」
今回休暇で戻っての参加だったから、すぐに戻らないといけない。
急いで着替えるからと、妹に外に出てもらい、着替えて朝食をいただく。
母は、少し呆れていたが、穏やかに微笑んで対応してくれていた。
状況を知りたくて、ゆっくりと瞼を開けようとしたら、誰かの掌で押さえられた。
「大丈夫だから、これを飲んで…」
心地よいものが唇に触れる。
柔らかいものが触れ、唇の隙間をこじ開けようとする。
先ほどから動悸と息苦しさを感じていたからか、わずかに隙間ができ、そこにすかさずねっとりしたものが入り込んだ…と思ったら、液体のようなものが流し込まれた。
そう、誰かが口移しで液体を俺に飲ませようとしているんだ。
首を振り拒否した方が良いのだろうが、何故かあらがえなかった。
コクリと喉を鳴らして嚥下する。
「そうだ。良い子だ。それで良い。大丈夫だから…」
落ち着いた渋い男性の声がする。
そして、自分の周りに立ち込める甘い香りを吸い込んで、頭がクラクラした…
甘いと言っても、甘ったるい感じじゃない。
でも、好みの香り……
しだいに体の力が抜けていき、誰かわからない人に抱きしめられ、そのまま意識を手放した。
気がつけば、自室のベットに横たわっていた。
ガバッと起き上がり、周囲を見回す。
窓から日差しが入り、小鳥の声が聞こえる。
時計の針は、朝の9時を指していた。
「いつのまに……」
自分の姿を確認する。
着ていたはずの服ではなく、いつもの寝衣に着替えていた。
「おはよう。遅い起床ね」
そう言って入ってきたのは、妹だった。
いったいどういう事だったのだろうか?
夢だったのか??
ベットの端に座りながら、声をかけてくる妹。
「もう、心配したのよ!いきなりいなくなったと思ったら、体調が悪そうだと送ってもらったんですって?豪華な馬車で送りとどけられたらしいんだけど、それが誰だかわからないのよね~~、不思議。妖のアルファかしら??そんな事が出来るのは?セバスチャンが、御身分がしっかりされた男性が送り届けてくれたと言っていたけど、何か術でもかけられたように、誰かわからなかったって言ってた。ただ、高貴の人で間違いないと言ってたけどね…」
「そうなのか?て言うか、送ってもらって申し訳ないけど、怪しいよねそれ…」
「そうなのよね…でも、セバスチャンが大丈夫だと言ってたし、父様達も特に問題ないみたいにしてたからなぁ…」
こてんと首を傾げる姿が可愛い妹と一緒に首を傾げて考えるも、わからない。
夢でないなら、助けられたのだろう…でも、誰に?
そして、誰があの2人組を雇って自分を襲わせたのか?
自分自身に起こった事は?
ふと頭の中で声がリピートされる。
『そうだ。良い子だ。それで良い。大丈夫だから…』
あの声の主は誰なんだろう…
あれをヒントに探すのも…
あのような場所に集まっていた人だ。
調べればわかるかも知れない。
お礼も言いたいし…
「もう!聞いてるの!!」
妹がぷりぷり怒ってる。
「ごめん。考え事してたんだ。で、何?」
「もう良い!!学園に戻る準備が出来てるから、起きて食事して、ね!」
「あぁ、もうそんな時間なんだね。ごめん」
今回休暇で戻っての参加だったから、すぐに戻らないといけない。
急いで着替えるからと、妹に外に出てもらい、着替えて朝食をいただく。
母は、少し呆れていたが、穏やかに微笑んで対応してくれていた。
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