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学園生活
学園に戻るにあたり…
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学園に戻るにあたり、両親がオメガ用の薬を準備してくれた。
ゲーム上では与えられなかった物が与えられる事に、少し混乱したが、物凄く助かる事なので、喜んで受け取った。
「翔。これは、我がコーポレーションの製薬部門で独自開発したものだ。以前から、もしかしたらと思い、開発に勤しんできたが、役に立つ日が来ようとは…君には必要のない物であれば本当は良かったんだけどね…」
そう言って渡された物は、オメガ特有のヒート時に抑制するための錠剤と注射液とかだった。
注射液の方はシリンジ注射器に薬液が入っている状態で、勿論針も付いている。よって、太腿などに直接刺せば良い様にされていた。錠剤の方は、水が無くても口内に含めば溶けるタイプだ。
注射液の方が効果が早いため、緊急時や急ぎで必要な時にはそちらを使う様に念を押された。
「いいこと!決して首を噛まれない様にするのよ。これは、噛まれない様に首を守る物だから、常日頃つけているように。制服だったら襟で隠れるし、ハイネックの服とかでもいい具合に隠れるから…まぁ、見えたとしてもオシャレ用に使用してると誤魔化す方がいいかもしれない…ただ、運命の番であるアルファに出会ってしまえば、これは防御力を失ってしまうかもしれないけど、普通の者達なら大丈夫だから!」
そう言って、首に飾りの様に付けられた。
母のセンスで作られているものだから、お洒落でカッコいい仕上がりにはなっているが…目的は、言わずと知れたことだ…
これも、与えられなかった物の一つだ。でも、実際は早くから準備されていた…
という事は、この世界は、実際はゲームなどの原作からはかけ離れた…遠いものなのか?
そうであればいいのだが……
思わず首回りを触りながら思い出した。
両親に、オメガとわかっても、いつもと変わらない愛情が注がれている…
でも、学園内ではどう扱われるかわからない。
オメガである事がわかれば、すぐにオメガのクラスに入る者が多い。
その方が安全なのかもしれないが、周りに『自分はオメガだ!!』と言っている様で自分的には嫌だった。
実際、まだはっきりとした症状が見られないから……
そう思い、家族で相談して、クラスは変わらず、そのままにしておいた。
「おはよう!翔。身体は大丈夫か?」
「お前、急に休むから、一瞬アルファ判定貰えなかったのかと思ったよ。まぁ、お前に関してはそれはあり得ないと思ってたけどな…」
バンバン背中を叩きながら話しかけられた。
一瞬冷や汗ものだったが…
「おはよう。ちょっと風邪ひいてね。今年の風邪は引きやすく、症状がなかなか治りにくい特徴みたいな感じでね。心配してくれてありがとう!」
「授業のノート取っといたから、転写するか?」
「うん。そうさせてもらうよ」
この世界にはコピー機とかは無い。が、それもどきで、転写させれる物はあった。
ゲーム上では与えられなかった物が与えられる事に、少し混乱したが、物凄く助かる事なので、喜んで受け取った。
「翔。これは、我がコーポレーションの製薬部門で独自開発したものだ。以前から、もしかしたらと思い、開発に勤しんできたが、役に立つ日が来ようとは…君には必要のない物であれば本当は良かったんだけどね…」
そう言って渡された物は、オメガ特有のヒート時に抑制するための錠剤と注射液とかだった。
注射液の方はシリンジ注射器に薬液が入っている状態で、勿論針も付いている。よって、太腿などに直接刺せば良い様にされていた。錠剤の方は、水が無くても口内に含めば溶けるタイプだ。
注射液の方が効果が早いため、緊急時や急ぎで必要な時にはそちらを使う様に念を押された。
「いいこと!決して首を噛まれない様にするのよ。これは、噛まれない様に首を守る物だから、常日頃つけているように。制服だったら襟で隠れるし、ハイネックの服とかでもいい具合に隠れるから…まぁ、見えたとしてもオシャレ用に使用してると誤魔化す方がいいかもしれない…ただ、運命の番であるアルファに出会ってしまえば、これは防御力を失ってしまうかもしれないけど、普通の者達なら大丈夫だから!」
そう言って、首に飾りの様に付けられた。
母のセンスで作られているものだから、お洒落でカッコいい仕上がりにはなっているが…目的は、言わずと知れたことだ…
これも、与えられなかった物の一つだ。でも、実際は早くから準備されていた…
という事は、この世界は、実際はゲームなどの原作からはかけ離れた…遠いものなのか?
そうであればいいのだが……
思わず首回りを触りながら思い出した。
両親に、オメガとわかっても、いつもと変わらない愛情が注がれている…
でも、学園内ではどう扱われるかわからない。
オメガである事がわかれば、すぐにオメガのクラスに入る者が多い。
その方が安全なのかもしれないが、周りに『自分はオメガだ!!』と言っている様で自分的には嫌だった。
実際、まだはっきりとした症状が見られないから……
そう思い、家族で相談して、クラスは変わらず、そのままにしておいた。
「おはよう!翔。身体は大丈夫か?」
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バンバン背中を叩きながら話しかけられた。
一瞬冷や汗ものだったが…
「おはよう。ちょっと風邪ひいてね。今年の風邪は引きやすく、症状がなかなか治りにくい特徴みたいな感じでね。心配してくれてありがとう!」
「授業のノート取っといたから、転写するか?」
「うん。そうさせてもらうよ」
この世界にはコピー機とかは無い。が、それもどきで、転写させれる物はあった。
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