兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

校外学習

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目に前に見えるのは…そう過去の映像だと思う。
私達の過去ではなくて、歴史的過去…
何故過去と言えるのか…

まず。服装が今の服装と全然違う。
母様はドレスを着られているし、父様だってスーツ。
ギル兄様やアシュ兄様、エル兄様や私に至っても貴族として、それなりの服装であるし、学園では指定の制服姿でもある。ですが、目の前に見えているのは、自宅や学園などの図書館や図書室で資料として見た事がある…。古いと言えば語弊だとか言われるかもしれないけど、そんな服装なんです。

引いて言えば、神殿に祀られている神々の像がきている服装…。

見えているのは勿論『神』という存在でなく、精霊王でもなく…
そう、普通の一般人だとは理解できている…不思議とね…。

もしかしたら…あの鏡が、銅製でできている鏡。それが見せている過去?

ふと横を見れば不思議とエル兄様の姿が見えた。

「レイン?」
「エル兄様、ここは?」
「よくは解らないけれど、鏡が見せてる世界かもしれない。」
「閉じ込められたって事は?」
「絶対とは言い切れないけれど…、でも、何か理由がありそうな気がするから…手を繋いだまま観てみよう…。」

エル兄様が落ち着いてそう言われたから、私も…
そう、不思議と恐怖心はなかったんだ。
全然ないとは言わないけれどね…。

うん、やっぱり少しは怖い。手が震えてしまって、ギュッとエル兄様の手を握りしめて、コクンと頷き返事をした。

そして二人で目の前の展開を見つめたんだ。

特に音はしない。まるで過去の…エル兄様の知識でいう『白黒の映画』を見ているようだった。
私とエル兄様は何度も双子としてかリンクしてしまう事が多かった。
私の時属性のスキルであったり、エル兄様の前世の知識であったり…。
兄様が体験している事を見てしまった事もあるんだ。。
だからこれは、エル兄様の前世で見たものと同じような感じ…。
無声映画?そんな感じで言われていたものだと思うけど…。

見えた映像は、自分達が住んでいる国とはまた別の地域だろう。
屋敷で見たことのある本や、学園で見たことのあるものと違うんだ。
まず、山々の形や樹々が違う。

兄様の前世の知識が私の方にも流れてきて、頭の中に残された資料のページを捲る。
その中の一ページ。
兄様の知識の…この世界の地図を思い出したんだ。

周りを海に囲まれて描かれて、確か…そう、太古の時代は海の向こうにも人は住んでいたらしい。
今も探せば住んでいるのかもしれないけれど、周りの海には凶暴な魔物や魔獣が生息しており、船での航海は一部以外は厳しいとされていたんだ。
漁業でも特殊な魔道具を積んだ船が数艘必要なんだったか…。
一艘で行こうものなら魔物の餌食にされると言われている。
それ以外にも天候等の問題などもあるらしい…。

でも、目の前に見えるのは…うん、海だ。それも北側の…。
波からしてそんな気がする。荒々しい…。

兄様が少し怖いお顔で真剣に見入っているから…
私もしっかりと覚えておこうと思う。

後でギル兄様達の知識や父様にお伺いして確認していく必要性のある情報であると感じたから…。

私は何となくだけれども、思うに…見えるのは北の大地だと思う…。
雪山が見えるけど、小さな花も見えるから全てが雪で覆われているわけではなさそうだ。
そこに見えるのは…人…。

五人の人…。子供の姿が見えた。

そして、映像は流れるように進んでいく…。

最初は穏やかに暮らしていたけれど、ここでも魔素が淀み出したようで…そしてそれは澱む。
澱めば澱むほど禍々しいものに変わっていくのだろう…。

この映像にも下の方に文字が見えるから、両方で確認できそう…。

その五人の子供は、偶然見つけた『不快と感じるモノ』…それが淀み出した時に対処しようとしたが、原因がわからなかったんだ。
初めて見つけたのは小さい子供の頃である。感受性豊かであったから感じ取れたのかも知れない。
『不快と感じるモノ』の存在を親達に伝えても、親達はそれが見えず感知も出来なかったから気のせいだと言い聞かせていた。
子供達はそれでも気になり、五人揃う時もあれば二人だけの時もあり、それでも毎日、いや雨風の時や冬の時期で見に行けない時もあり、行ける範囲で確認して行ったがそれは徐々に大きく広がりを見せたんだ。

不思議な事に、それが大きく、自分達が更に不快に感じると、周りでいざこざが増え、罵り合ったりする揉め事が増えていったんだ。
側を通る動物がいきなり異形のものに変貌した時には、流石に驚きすぎて逃げ出した。

そこでもう一度大人に相談した。
今度は神殿の者にしたようだ。

何かを唱えて少し清浄化したみたいで、「これは魔素が何某かの影響で汚れ溜まったのであろう。その汚れで周りに悪影響をきたし出したのだろう」と説明された。

また時間が経てば再び同じ状態になる。
それを何度か繰り返しているうちに、偶然見てしまったんだ。

そう、偶然に妖精がその澱みに近づけば、そこはまた、もとの綺麗な場所になったんだ。
数日後また同じく淀み澱む。
元々そうなりやすい場所だったのかもしれない。
妖精など滅多に見かける事が出来なかったから、たまたまだと少し諦め気味になった。
見かけれないのなら、頼み込むなどは無理だからだ。

数日後、いつも会ったりしていた人物とは違う神殿の者が、そこに青銅の鏡を持って一人でやって来て、何も言わずに子供達の前で、その場にそっと備えたんだ。
それはとある神殿に奉納されていた物らしく、備えた途端にそこに『黒いモヤのような不快と感じるモノ』…それが吸い込まれるように見え、澱みが鏡の中に収まると同時に朽ちてボロボロになって消えた。

神殿の者は何も言わずに立ち去り、子供達は「もうこれできっと大丈夫だ」と安心しきった。

やがて子供達も成長する。

またあの時と同じ事が起き出した。
当時の事を覚えていたから、『同じような鏡があれば』と言う考えに至ったが、残念ながら『同じ鏡』は近くの神殿などにも無かった。あの時の神殿の者も、その神殿には居なかったし、どこにいるかも誰も知らなかったんだ。
そう、あの時一緒に見ていた子供達しか知る者はいなかったんだ。


一人の子供だった者は、青銅を加工する方法を知った。だが、自分で同じように作るが、上手くいかなかったんだ。
仲が良く側にいたもう一人が『妖精の事』を思い出した。
そしてそこから残酷な行為が行われ出したんだ。

実験の結果、鏡を作る際の時に大量の妖精を捕らえて材料と一緒に混ぜ溶かせば、その力を鏡が得れると知ったんだ。
偶然失敗した物で妖精を捕らえる事が出来、何故か捕えた物ごと机の上に置いていたんだ。
足を滑らして机にぶつかり、偶然青銅を溶かした中に、妖精が捕えられたままの状態で落としてしまった。
銅などの鉱物は貴重であり、勿体無いからとそのまま鏡として作り上げたんだ。
結果、あの時見た鏡と同じ効力を認めて、完成させた。

妖精の事を思い出した方が、幾つも同じ物を作ろうとするその行為は狂っていると止めるが、既に作る側の者の心も侵されていたのだろうか…。
完成させて澱みが酷く大きくなっている場所に最後の一枚を持っていき、自慢して三人の友人達に見せるようにして、止める友と自分の魔力で力を引き出し作動させて…澱みは消えたが、残ったのは鏡のみだった。
残された者達はその場に祠を建てて鏡を祀った。

また別の場所で同じ事が起こり、残された三人のうち一人が当時を思い出して残された記録を元に作り上げた。
そして材料として使われたのが『妖精』ではなく偶然にも『精霊』だった。
残された男は別の国から『妖精を簡単に捉える道具』を手に入れていたんだ。
その経緯は不明。

偶然か必然かは不明であるが、手に入ったようだ…。

そこでまた作られたんだが、『精霊』と『妖精』では格が違うから、以前よりももっと早く澱みが消えたし、使った者も命を落とすこともなかったんだ。

それを聞きつけた他国の者が「譲って欲しい」と言ったが拒否。作り方も極秘だ言い高額の金を要求。
結果殺害されて製造方法が奪われたが鏡の方は、持ち去ろうとした者が探したが、何故か無かったんだ。
あったはずなのに、消えたように見えたようだ…。

以前のように朽ちたのか、それとも…

残ったの二人はその地を治める者となっていた。
また同じ事が起こり、方法は亡くなった友から聞いていたけれど、作れなかった。
魔力の性質が違ったのか、量の問題か、それとも創作のセンスの問題か?

作れると言う者を見つけ出し、大金を渡し依頼。
依頼された者は作り上げたが、材料とした精霊の負の力で異形な者に変貌した。
一人は何とか異形な者を闇に葬り命を落とす。
鏡はその憎悪も吸い込んだ。

最後の一人は『精霊』や『妖精』を使って作ったせいではないかと考え精霊王に謝罪した。
勿論許されるはずがない。が、精霊王の世界まで澱みの影響が及ぼしかけて、世界全体が危機となった。
澱みのせいだ。

残された一人は、国を治めていたから、国民を国外に遠ざけた。
「澱み広がる場所から離せば少しは…」と言う気持ちがあったんだ。
そして、一人となり、石畳の広い建物の神殿に向かい、精霊王に謝罪し、神に祈りを捧げ方法を問うた。
そこで、消えたと思っていた鏡を『精霊王』と名乗る者が浄化して渡し姿を消した。

結果、『自らの命』『自身の魔力」『その大地の魔力』、そう、自分が治める国ごと犠牲にして、消えたと思っていた鏡ごと封印したんだ。
溜め込むのではなく、自分の身体に鏡を取り込んで媒体とし、浄化させたものを放出させる方法で…。

自らの命を犠牲にした男には寄り添い力を貸した精霊王がいたが、その者もまた浄化に力を貸し力尽たんだ。
その国は氷に閉ざされたまま今も…


見えたのはここまでだった。
その後、この国の北側のとある国が、その複製品を作り上げた。
『青銅の聖物の鏡』だと思い込み復活させるべく研究し、複製途中の失敗か、複製のせいで効力が落ちているのか、過去の物のように一定以上吸収すると、『黒いモヤのような不快と感じるモノ』を放出する物になったが、広範囲まではいかない…。程度は低いが…妖精や精霊の怨念も含んだ呪物となったんだ。呪物であるから、太鼓その地を治めていた者達の城、今とは違う古代遺跡の方に封印されていたんだが…。


その国の聖女召喚推進派が…今回それを脅しとして利用した…。

エル兄様は最後まで見たようだけれど、私の事を気にして、途中から目と耳を塞ぐようにいわれた。
だけど…私だって知る必要性があると、うっすらと目開けようとしたんだけれど…兄様の方に身体の向きを変えさせてられて…聞こえるえて感じるのはエル兄様の心音と温もりでいいと考えてくれたんだろう…。
兄様が小声で呟かれるのを聞き逃さないようにしたから、何とか把握できたんだ。

そして、「精霊王フェリス!?」とだけ呟いた声で、視界は一気に変わり、目を覚ませば心配顔の兄様のお顔だったんです。
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