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悪役令嬢回避
ギル兄様学園へ
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ギル兄様の学園入学式当日となった。
朝から屋敷はバタバタして、ギル兄様もいつもより早く起きられて、真新しい制服姿でカッコいいと思ったんだけど。
だけど、その姿を一緒に楽しみにしていたエル兄様がお側にいないの。
父様がこの前言われた通り、私とエル兄様にポニーをプレゼントしてくれたんだ。
あまりの可愛さで、テンションが上がったんだ。
兄様達と、教えてくれる先生と一緒に初乗馬。自分一人で乗る方ね。
お世話の仕方も教わった。
基本は屋敷の者がお世話をしてくれるから、私やエル兄様が来られたら、いつでも乗れますよって。
私よりもエル兄様の方が喜んで、ほぼ毎日お世話に言っていたみたい。
妖精や精霊達に魔法を教わって、気がつけばポニーの側で倒れかけていたんだとか。アシュ兄様が抱き上げて、エル兄様の侍従達が大慌てしていたんだ。
医師が呼ばれて、診断は風邪だったんだけど、かなり今までの疲れが一気に来たんじゃないかって言われていた。
後、父様だけにお話があるって言われてたんだ。
確かにいろんな事があったものね。
この屋敷に来る前からもそう。この屋敷に来てからもいろんな事があったんだ。
妖精の事もあったし…。
私とエル兄様は、未来、悪役設定されていた。
エル兄様のゲームや小説というこの世界にないものを、エル兄様は前世で見て読んでいたらしい。
そして、自分達に降りかかる恐れがあることを知っていたんだ。
私も、時魔法が使える事を、この前知ったんだ。
それまでは、不思議な夢と感じたり、双子であるから、エル兄様の…
それは今は良い。
とにかく、早く病気が治れば良いのにと思ったんだ。
でも、結局今日も治っておらず、一緒にギル兄様の入学式に参加する事ができなくなってしまったの。
ものすごく楽しみにされていたのに、残念。
で、エル兄様にはお手紙を届けてもらったの。
早く元気になってねって。そして、父様にギル兄様のお姿をしっかり撮ってもらうねって。
後、私もしっかり見て覚えてくるって。そして、お話ししてあげるねって。
エル兄様からは、熱のせいもあると思うんだけれど、よろしくねって返事がきた。
いつもより文字がぶれている様な感じで、相当お熱でしんどいのねって思ったんだ。
玄関先でギル兄様をお送りして、ふとエル兄様の視線を感じたんだ。
お部屋の窓から、悲しそうに、でもキラキラした瞳でギル兄様を送り出していた。
でも、まだ身体が十分そうではないと思ったんだ。
直ぐに父様がエル兄様のお部屋に向かわれたんだ。
その後、アシュ兄様や父様、私やレイとで学園に向かい、兄様のなんとも言えないお姿を見守っていた。
とても素敵で、キラキラしていたの。
他の学園生や、家族と来られた女の子達が兄様に視線を送っていたのは、少しモヤッときたんだ。
何でだろう?
兄様にはまだ婚約者はいらっしゃらない。いつか兄様の側に…
その時私は…。私は義理とは言え妹だ。そんな感情を持つのは良くない。
うん、心に蓋をしないと…。
えっ…。
ここにいないはずのエル兄様の気配を感じた。
姿は見えないけれど、ギル兄様のお姿が見たくて、心だけが飛んできた?
思わずそう思ったんだ。
式典が終わり、学園の庭園で噴水の側で写真を撮る。
ギル兄様だけのと、アシュ兄様とギル兄様。ギル兄様と私。
家族だけ。
色々とって、エル兄様が喜んでくれたら。母様が喜んでくれたらと思ったんだ。
すると、アシュ兄様が不思議な行動を取られていた。
まるでそこにエル兄様がいる様に見えてしまう。
アシュ兄様のお膝の上にエル兄様を座らせて抱きしめながら慰めている感じだ。
そして、エル兄様の気配が消えたんだ。
やっぱりここに来ていたんだと思った。
それだけ楽しみにしてたんだねって思ったんだ。
早く良くなって欲しいと思ったのよ…。
朝から屋敷はバタバタして、ギル兄様もいつもより早く起きられて、真新しい制服姿でカッコいいと思ったんだけど。
だけど、その姿を一緒に楽しみにしていたエル兄様がお側にいないの。
父様がこの前言われた通り、私とエル兄様にポニーをプレゼントしてくれたんだ。
あまりの可愛さで、テンションが上がったんだ。
兄様達と、教えてくれる先生と一緒に初乗馬。自分一人で乗る方ね。
お世話の仕方も教わった。
基本は屋敷の者がお世話をしてくれるから、私やエル兄様が来られたら、いつでも乗れますよって。
私よりもエル兄様の方が喜んで、ほぼ毎日お世話に言っていたみたい。
妖精や精霊達に魔法を教わって、気がつけばポニーの側で倒れかけていたんだとか。アシュ兄様が抱き上げて、エル兄様の侍従達が大慌てしていたんだ。
医師が呼ばれて、診断は風邪だったんだけど、かなり今までの疲れが一気に来たんじゃないかって言われていた。
後、父様だけにお話があるって言われてたんだ。
確かにいろんな事があったものね。
この屋敷に来る前からもそう。この屋敷に来てからもいろんな事があったんだ。
妖精の事もあったし…。
私とエル兄様は、未来、悪役設定されていた。
エル兄様のゲームや小説というこの世界にないものを、エル兄様は前世で見て読んでいたらしい。
そして、自分達に降りかかる恐れがあることを知っていたんだ。
私も、時魔法が使える事を、この前知ったんだ。
それまでは、不思議な夢と感じたり、双子であるから、エル兄様の…
それは今は良い。
とにかく、早く病気が治れば良いのにと思ったんだ。
でも、結局今日も治っておらず、一緒にギル兄様の入学式に参加する事ができなくなってしまったの。
ものすごく楽しみにされていたのに、残念。
で、エル兄様にはお手紙を届けてもらったの。
早く元気になってねって。そして、父様にギル兄様のお姿をしっかり撮ってもらうねって。
後、私もしっかり見て覚えてくるって。そして、お話ししてあげるねって。
エル兄様からは、熱のせいもあると思うんだけれど、よろしくねって返事がきた。
いつもより文字がぶれている様な感じで、相当お熱でしんどいのねって思ったんだ。
玄関先でギル兄様をお送りして、ふとエル兄様の視線を感じたんだ。
お部屋の窓から、悲しそうに、でもキラキラした瞳でギル兄様を送り出していた。
でも、まだ身体が十分そうではないと思ったんだ。
直ぐに父様がエル兄様のお部屋に向かわれたんだ。
その後、アシュ兄様や父様、私やレイとで学園に向かい、兄様のなんとも言えないお姿を見守っていた。
とても素敵で、キラキラしていたの。
他の学園生や、家族と来られた女の子達が兄様に視線を送っていたのは、少しモヤッときたんだ。
何でだろう?
兄様にはまだ婚約者はいらっしゃらない。いつか兄様の側に…
その時私は…。私は義理とは言え妹だ。そんな感情を持つのは良くない。
うん、心に蓋をしないと…。
えっ…。
ここにいないはずのエル兄様の気配を感じた。
姿は見えないけれど、ギル兄様のお姿が見たくて、心だけが飛んできた?
思わずそう思ったんだ。
式典が終わり、学園の庭園で噴水の側で写真を撮る。
ギル兄様だけのと、アシュ兄様とギル兄様。ギル兄様と私。
家族だけ。
色々とって、エル兄様が喜んでくれたら。母様が喜んでくれたらと思ったんだ。
すると、アシュ兄様が不思議な行動を取られていた。
まるでそこにエル兄様がいる様に見えてしまう。
アシュ兄様のお膝の上にエル兄様を座らせて抱きしめながら慰めている感じだ。
そして、エル兄様の気配が消えたんだ。
やっぱりここに来ていたんだと思った。
それだけ楽しみにしてたんだねって思ったんだ。
早く良くなって欲しいと思ったのよ…。
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