兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

妖精のイタズラ…その家族は

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その考えがまとまった時、娘は長男に抱きしめられていた。

風魔法で言葉を拾う。
向こうはとりあえず治ったようだが、こっちはまだだ。
だが、必要な情報だと思い…
「私達の側にいた侍女達は、見えたままみたいだ。」と呟いていた声を拾った。「そうそう、確か、一度見え出したら、その場にいる妖精達だけ、その時だけ見えるって本に書いてあったんだ。一時的なんだとか…」と呟く声もだ。

「まだ見える」と侍女達が呟いる声も拾い上げたから、考えたくなかったが、やはり『妖精のイタズラ』に遭遇したのかと判断した。無事に回避できたのは、まぁ良いとしよう。

今は長男も次男もその妖精が見えているのだろう。

まだ背後にしている湖のものは大暴れ中だ。
そっちに集中する必要性があるが、私達にはその妖精は見えてはいない。触手が暴れているだけだ。
こっちにも妖精が飛び交っては触手被害に遭っているのだろうが…
いつ治るんだ?
もう、討伐してしまおうか…。
水飛沫もかなりひどくなり出したしな…。

その時、

「父様達にも見える様に…」
「そうね…」

と、二人の声を拾った。
どのようにするのか興味はあるが~。
チラッと視線をやると、二人の息子は庇うのではなく、止める為に、いゃ、自分たちの側に留める為にか?二人をの羽交い締めするように捕まえていたんだ。
お前達は一体何をしているんだと一瞬思ってしまった。

「エル達が手を握らなくても大丈夫。良いものがある。」

あおう息子が言った途端、魔道具か何かを作動させたのだろう。
これは弟が息子に作ってプレゼントしたあの…。


兄様が以前見せてくれた事がある物。その魔道具に魔力を流して作動させたんだ。
魔道具でできる事は、共有と共鳴だと言っていた。魔道具に己の魔力を流す事によって作動する魔力感知の魔道具だ。できる事は『共有•共鳴』使用できる範囲は決まっているが、今いるこの場では十分だった。

発動が成功したのか、目の前に見えていなかったものが見えてくる。
一瞬驚いてしまったが、やっぱりだ。

湖に無数の妖精が…

「兄様、あの触手が見えてますよね。あれは、この湖に主らしいんです。」
「兄様、あの主様は、いつもは奥の方に住んでるらしいの。この湖を守ってくれてるらしいの。」

下の二人が兄二人にそう訴えていたんだ。
それを駆けつけた私とレイ。エレイン達や護衛の者達が武器を持ったまま聞いていた。

触手の被害はこっちにはまだ…

あっ、触手にぶつかって飛んできたのか、魚が飛んできた。
危ないな!

私達は剣に魔力を込めて切り捨てる。
レイは防御魔法を展開。
次男は魔法で氷の壁を築き上げて防ぎ、下の二人をそこに避難させるつもりのようだ。
しっかりと三男を抱き込んでいたが、見なかった事にした。

長男は娘を抱き上げて、目の前に飛んで来たもの全てを、火魔法で燃やし尽くしてた。
真っ黒に焼けた魚などは、ことごとく消し炭になってしまっていた。

飛んできた魚が悪いわけではないんだけどね…
仕方ないよ。咄嗟の判断での魔法行使だから。

それよりもだ。

「兄様、あの主様、兄様達が使っていた疑似餌を間違って食べてしまったのかもしれないの。」
「兄様、それで痛くて暴れてるのかもしれないから、どうにかしてあげて欲しい。妖精達も心配して近づいたら、あんな感じになってるみたいで…」

したの二人が暴れる触手の方に指差して示したんだ。
長男は「そういえば…」と呟いて、魔法を展開させていた。

あれは、釣りの際、最後に行う切れた糸や疑似餌などを回収する魔法だ。
長男がそのは方を展開している間、次男が補佐していた。
氷の壁の背後には、下の二人とエレインがいる。
なるほどな…。

すると…

切れた糸がついた疑似餌が、ぽとって長男の側に落ちたのを確認した。
落ちたのは二つ。

で…バシャバシャと大きな水飛沫をあげて暴れていた触手は、徐々に落ち着いて…
飛び回る妖精とまるで会話をするように触れ合って、水の中に消えていったんだ。
その様子は神秘的にも思えたんだが…。

湖の水面も落ち着き、私はレイに契約魔法の準備をさせた。
この後必要だ。後、友人達にも連絡して助力を乞う事を緊急用の転送魔法書簡で送ったんだ。
アイテムバッグに入れてあるからね。

息子達は、護衛の騎士達とで、生きている魚達を魔法で湖に帰しいく。
魚にとっては人の肌は、長く触れると火傷を負うのと同じだ。火傷を負う感覚は魚側だ。
で、この対処法を行うんだ。流石に手際よくやっているようだ。

そこで、エルが発動させた魔法の事を考える。
あの時使ったのは、緊急事態だからセーフ。直ぐにでも褒めてやりたい。
だが、危険性もなかっとは言えないんだ。結果的にはセーフだが、場合においてはアウト。
だから、そのことも踏まえて話が必要だな。あと今後の魔法講師にも伝える必要性が…。
またやる事が増えた…。

そんな事を考えていたら、湖は美しい景色をかもしだしていた。

「原因はこの疑似餌か。主が餌だと勘違いして喰いついて切れたんだろう。で、暴れた…。」

長男が落ちた疑似餌を拾ってそう呟いていた。

「まだ釣りを楽しんでいる者もいたから、回収していなかったんだ。最後にまとめて回収することが多くてね…今度からは、切れた後はこまめに回収した方がいいかもしれない。」
「そうですね…」

私にはその会話も聞こえてはいたが…二人がその事を伝えてきたから、返事をしておいた。

下の二人は、息子達の腕の中に確保中だ。
いつ抱き上げたのか、三男は、考え事に夢中で気が付かなかったようだ。
思わずハッとして気がついたようだ。にこやかに笑われていた。
娘もはそんな兄の姿を見て、自分も抱き上げられたままの姿だけど、笑ってた。

このほのぼのとした家族の姿を大人である自分達は守らなくては行けないと強く思う。

気になる事は、妖精が子供達の側から離れない事だ。
一瞬消えたかと思えばまた姿を現したんだ。

やっと終わったのか…。
また姿を消したんだ。それは幻想的で綺麗だった…けれどだ…。

風魔法が私に会話を運んでくる。

「兄様、お伝えしなければいけない重大な事が…」
「あぁ、レインを庇うように蔓が伸びていた件か?」
「そうです。そうですけど…」

「ちょっとだけ待ってね。」

そう言って息子が駆けてくるから、風魔法を解除した。
レイは私の指示で既に緘口令を出して、しかも、契約魔法まで終えていた。
息子の話を聞き、共に息子達の元に行く。

「お待たせ。エルとレイン。ここでは何だから、屋敷に戻って父様達とお話ししよう。屋敷で少し休んでからでもいいけれどね。時間は作るし、大丈夫だよ。」

この場には家族以外の者もいる。
聞こえないように魔法で結界を作ることもできるけれど、不審に思う者が出るかもしれないからね。
要らぬ耳や目の心配もあるかもしれない。

レイの部下達が排除していると思うが…。
レイの部下が動いたようだ…。
どこの狸か狐の目か耳か…。

「はい。とても大切な事なので、お時間ください。」
「絶対にお伝えしないといけない事だから。お時間ください。」

「わかった。」

そう言って、私は久しぶりにしたの二人ををひょいと同時に抱き上げた。
あの時、抱き上げたあの時よりも重みが増えた。
あの時、私はこの子達を幸せにすると誓ったんだ。そして守るとも…。

「うん、あの時よりも大きくなっている。よかった。」

そう言って笑った。

「父上、エドを降ろしてください。」
「父上、レインを降ろしてください。」

息子達の抗議は想定内だ。

「良いじゃないか。いつもお前達が抱っこしてるんだ。父様だって、この可愛らしい我が子を抱っこしたいよ。お前達も可愛い我が子だけど、少し大きくなってるから、抱き上げさせてくれないし…」

そう言って、笑顔が出てしまう。

下の二人は思わず私と息子達の顔を交互に見てしまったようだった。
可愛らしいね。

「母様には騒動のお話はしない方がいいかなぁ。心配したらいけないからね。」

私はウインクしながらそう言ったんだ。
確かにこの事件を聞けば妻はかなり驚くだろう。妊娠中であるから、あまり刺激の強い話はどうかと思うが…でも、内緒にしたらしたらで、後でバレたら、それはそれで…。

「父様の方からちょっとだけ、お話ししておくよ。」

「その件はお願いします。」
「確かに、母上なら怒ると思いますので、よろしくお願いします。」

そう言って私が頑張ることにしたんだ。
大人としての仕事もあるからね。侯爵家の権力だって使わせてもらうよ。
場合によってはだけどもね…。

「「父様、お願いします。」」

下の二人揃ってお願いしてきた。

私は、「任せて!」といい笑顔で返せたと思う。その時ちょうど「帰る準備ができたと」レイが伝えてくれた。

いつも通り口笛を吹く。そうすると愛馬達は側に来たんだ。
近くで草を食べたりしてたのだろう。来るのは早かったからね。

そして、行きと同じように子供達は二人で騎乗して駆けて行く。
途中で下の二人はうとうとしだしたようだ。
あれだけの魔力をこの小さな体で使ったんだ。眠くもなるだろう。

「支えているから大丈夫。絶対に落とさないから、おやすみ…」

そう声をかけているのが聞こえて、幸せな気持ちになったんだ。
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