兄様達の愛が止まりません!

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悪役令嬢回避

新しい家族

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食事が終わると、父達は仕事があると言って出て行った。
結局両親には、兄に教えられた挨拶はできなかった。
あれって家族みんなにするんじゃないの?

「母上とはしっかりハグしただろ?それに、父上には母上をしっかり捕獲してもらってないと、また飛びつきそうだったからね。母上が…だから、今日はいいんだよ。」
「そうそう。今日はお庭の散歩やこの屋敷の散策をしたら良いよ。いろんなものがあって面白いから。本当は僕達が案内したい所なんだけど、家庭教師がもう来てると思うからね。ごめんね。」
「じゃぁ、この子達を…」
「はい。お任せください。」

エレインが代表して返事をし、他の侍従•侍女は了承として頭を下げた。

「さぁ、坊ちゃん。お嬢様。少しだけ食休みをしてからお外に行きましょう。向こうの方に屋敷にと隣接して建てられた温室がございます。そこに椅子やテーブルがありますから、花を愛でながら休めますよ。」

そう言うと、私はアンに、兄はカルに抱き上げられた。
兄を抱き上げている侍従、カルはカルロス•ロンド。側にいるもう一人は、ロイル•ロンドと言って、兄弟なんだって。「カルとお呼びください。」「ロイとお呼びください。」って言われたから、素直にそう呼ぶことにした。
兄の方にももう一人付くらしい。今用事で屋敷の外に行っているんだとか。こっちも午後には帰ってくるんだって。

「私の方と一緒だね」って兄に言って笑った。どちらも可愛い人らしい。そう言って教えてくれたのが一緒だねって。

温室は、屋敷二階分の高さがあるんじゃないかって感じだった。
しかも、結構広い。

「奥様…エリエル様の魔力属性が緑。植物関係に特化されてるんです。奥様の瞳が緑色でしたでしょ?基本、主属性が瞳の色として出るんです。他の属性もお持ちですけどね。はっきりとした属性判定は神殿に行って判定となりますよ。六歳のお誕生日が過ぎたら判定をしに神殿に赴くのです。もう少しですね。」
「奥様は植物に特化された魔力をお持ちですので、旦那様が奥様の為に温室を建てられたのです。坊ちゃんやお嬢様にもそのような能力がお持ちであったり、好きな植物を育てたいと言われれば、更に温室が広がるか新たに建てられるかするかもしれませんね。」

そう言ってニコニコしながら説明してくれた。

小さな花が植えられた所や、ここは南国?って感じのトゲトゲした大きな葉っぱをバァ~って感じに広げている木みたいなのもあった。
あんなに大きいから、この高さで広さなのかな?

可愛らしいベンチが置かれ、そこにはふかふかクッションも置いてあった。

「こちらにどうぞ。」

そう言われて二人でちょこんと座る。
ベンチ自体もふかふかしていた。

「特殊な保護魔法をかけられてるんです。ですから余程のことがない限り、壊れたり汚れたりしないんですよ。」
「えっ?そうなの?」
「はい。でないと、このような家具は傷んでしまいますからね。」


そっか…確かに…
水撒きとかで濡れたりしたら…うん、大変そうだ。納得。

「そう言えば、神殿で魔力鑑定してもらうんだよね。それまでは魔法、使えないの?」
「魔力鑑定によって、本来の力を開花させたりするんです。それに応じて家庭教師が選ばれます。簡単な生活魔法は鑑定前でも使えますよ。そのぐらいの魔力は普通に流れ出ていますからね。実際にお使いになられてるでしょ?」

いつ使った?知らない…

「洗面所の蛇口からお水が出たり、お湯が出たり。その時の気温や湿度で温度が変わる刻印がされていますが、魔力を流しながらひねらないと蛇口から出てこないのですよ。」
「そうなんですね。普通に出してました。」

「そうですね。向こうのお屋敷では…お嬢様達はかなり疲弊しておられましたから…」

エレインの一瞬表情が…
彼女は私達のために良くしてくれていた。彼女は悪くない。

「エレインのせいじゃないよ。」
「そうだよ。僕達のために、いつも…」

思わず二人で泣き出してしまった。

「申し訳ありません。泣かせるつもりはなかったのですよ。もう大丈夫ですからね。」
「うんうん…」
「………」

そっと抱きしめてくれたのは、以前から感じていた温かい温もり。
いつもできる限り頑張って守ってくれた彼女。
彼女のためにも、自分達のためにも頑張らないと…

あの、兄から流れ込んだ情報のように…
嫌われて、不幸な結末にはなりたくない…

だから、頑張るんだ。



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