15 / 109
悪役令嬢回避
とりあえず、頑張る…(ギルベルト)
しおりを挟む
この世界は、基本は異性との婚姻が推奨される。
同性同士でも婚姻は可能で、子孫ももちろん残せるのだが、同性同士よりも異性の方が妊娠率も高く、出産率も安定しているからだ。
僕が求めるのはこの子と決めた。
弟も決めたようだ。
我が家の男性は、伴侶と求める者に対しての執着心が強い。
それは父自身が経験している事であるからして…僕達の反応を見て…
何ともいえない表情を示していた。
それよりもだ。神官達が治癒魔法などで治療してくれた子供達。僕や弟にとって大切な者達の身体の何と言うか…
二人の名前は知っている。
男の子がエドワルド・アルガスト。女の子がレイチェル・アルガスト。
直ぐに父が手続きするから、二人ともアルガストからフィンレイに姓は変わるが…
神殿からも書類が司法局に提出されるから、アルガスト伯爵領主代理がどんな事を言ってきても、こちらの言い分が通り、養子縁組に支障は起こらないだろう。と言うか、起こらせない。
現在、アルガスト伯爵領は混乱状態にまで陥っており、父達が今後介入しても、国がどう指示してくるかで領主不在にするか、他と併合させるか、もしくは我が家が関係してくるから我が家が治めるかとなるだろう。
多分後者だ。国も助力してこっち任せにした方が国庫を減らさずに済むしな…
そこは父上の力量と、後継である僕が後々関与してくる事だろう…
今は父上にお任せだ。
で、二人の身体に残された傷…
綺麗にはなったが…
どれだけ傷が残るような…
後で…そう、後で僕と弟の能力で確認して、父に報告しよう。
多分だが…いろんなものが見えてくるだろう…
だが、それを見ない事には、この愛しいと感じた者の心を守ってやる事が出来ない気がしたんだ。
治療が終わり、母から渡されておいた寝衣に着替えさせられている二人を連れ帰る。
神殿側からは、自分達の方でと何度も言われた。
余りにも酷い傷から、精神的なものも考慮して、神殿預かりにと考えたのだろう。
神を信仰し、仕えていくことで、心身穏やかにと…。
別の最もあるかもしれないが、このもの達からはそのような邪な感情はないと判断した。が、そうなると、この子達は神官職となり、余程でなければ自分の伴侶として求められなくなる。
その辺りも父上は考慮したのだろう。丁寧に断りを入れて連れ帰る事が出来たのだ。
二人から離れられない僕達は、父上に願い出て、二人が目覚めるまで簡易ベットを置いてもらい、ずっと側で手を握り続けて魔力をを譲渡した。
譲渡しながら、この子達の…この子の身の上に起きた事を覗き見る。
それは悍ましい内容だった。
アスガルド伯爵家に、エドワルドとレイチェルの専属メイドとして勤めていたエレイン。当時、彼女はオズワルド伯爵家三女であり、彼女の祖父とアスガルド前伯爵が親友であったため、専属として務め続けれたようだった。あの代理と称する愚か者が手が出せない程…
だが、彼女の目を掻い潜り、彼女が目を離すしかない時、そう、メイドとして仕事をしているのだから、四六時中ついているわけにはいかない。その不在の時に………あったようだ。
僕達の能力は、相手の記憶を覗き見る事ができる。それは、治世を治める上では有用な能力ではあるが…
僕や弟のような能力は、極秘であるが、我が家では持って生まれるものは多い。
能力の差はあるが…
で、僕達は、別視点に切り替えても見れたりするから…
代理と名乗り出た男は、伯爵夫妻を殺害指示出した犯人だと断定した。そして、実行にも…そう、直接関与していたんだ。
僕達の能力で見ただけで、悔しいけれど状況証拠がなければ司法で裁けないが…
遠い親族である男は、僕達の叔母である夫人に以前から恋慕していた。夫人からは拒否され続け、前伯爵からも婚約の打診を拒否され続けていたようだ。それは、男が常に叫んでいたからそう理解できた。
父上からの情報もあるが…。
で、叔父の能力やそれ以外色々と勝手に妬み、憎悪して事故を装って殺害。夫人は殺害するつもりはなかったようだが、その時の何かが気に入らず、逆上しての殺害となったようだけどだ。
叔父達伯爵夫妻が亡くなった事で、前伯爵は体調を崩したのだろう。
手出しさせないように迅速に屋敷内に乗り込んで、代理と称して全権を奪い取った。
子供達を別邸に追いやってだ。
自分のストレスの捌け口に、兄であるエドワルドに行った事。妹であるレイチェルにもだ。それ以外にもあったようだ。彼女の方は傷跡が少ない。そして、少し覚えていない事もあるようなのだ…
二人の心だけでも護りたいと、闇属性持ちでもあったエレインが忘却の魔法を使用して、心が壊れないように蓋をしたり、傷の手当てを行ったりしてくれていたようだ。光魔法までは治療はできないが、闇魔法でも治癒魔法は存在するのだ。ただ、直ぐには治療できない事もあり、結果があれなんだろう。今は全て綺麗になったが…。
僕…苛立った時には俺とついつい言ってしまうが、怒り心頭で直ぐにでも見つけだして、惨たらしい死を与えてやりたい…いゃ、直ぐに死など与えてやるものか、苦痛に苦痛を重ね続けてやりたい!
弟も同じ思いだろう。
「兄上から父上に報告してもらっても良いですか?俺は…余りの怒りで上手く伝えれそうにない」
奥歯を噛み締めながら、弟も僕ではなく俺と言い、怒り心頭だ。
それを無理やり抑え込みながら、繋いだ手にもう片方の手を寄せて包み込むようにしていた。
「何で…何でその時、俺はエドワルドの…エドの側にいてやれなかったんだろう…。レイチェル…レイの側にいてやれなかったんだろう…」
「それは俺も同意見だ。だが過去の事だ。どうしようもない。時間の巻き戻し魔法なんてものは存在しないのだから…なら、これからの未来を俺達で守ったら良い。」
「そうだな。そうだよな…」
そう頷きあって、レイチェルの手を弟に託した。
弟は器用に二人の手を取り魔力を少しづつ流していく。
俺は見た事を、弟の分まで説明に父上の所に…
そう考えて部屋を出た。
同性同士でも婚姻は可能で、子孫ももちろん残せるのだが、同性同士よりも異性の方が妊娠率も高く、出産率も安定しているからだ。
僕が求めるのはこの子と決めた。
弟も決めたようだ。
我が家の男性は、伴侶と求める者に対しての執着心が強い。
それは父自身が経験している事であるからして…僕達の反応を見て…
何ともいえない表情を示していた。
それよりもだ。神官達が治癒魔法などで治療してくれた子供達。僕や弟にとって大切な者達の身体の何と言うか…
二人の名前は知っている。
男の子がエドワルド・アルガスト。女の子がレイチェル・アルガスト。
直ぐに父が手続きするから、二人ともアルガストからフィンレイに姓は変わるが…
神殿からも書類が司法局に提出されるから、アルガスト伯爵領主代理がどんな事を言ってきても、こちらの言い分が通り、養子縁組に支障は起こらないだろう。と言うか、起こらせない。
現在、アルガスト伯爵領は混乱状態にまで陥っており、父達が今後介入しても、国がどう指示してくるかで領主不在にするか、他と併合させるか、もしくは我が家が関係してくるから我が家が治めるかとなるだろう。
多分後者だ。国も助力してこっち任せにした方が国庫を減らさずに済むしな…
そこは父上の力量と、後継である僕が後々関与してくる事だろう…
今は父上にお任せだ。
で、二人の身体に残された傷…
綺麗にはなったが…
どれだけ傷が残るような…
後で…そう、後で僕と弟の能力で確認して、父に報告しよう。
多分だが…いろんなものが見えてくるだろう…
だが、それを見ない事には、この愛しいと感じた者の心を守ってやる事が出来ない気がしたんだ。
治療が終わり、母から渡されておいた寝衣に着替えさせられている二人を連れ帰る。
神殿側からは、自分達の方でと何度も言われた。
余りにも酷い傷から、精神的なものも考慮して、神殿預かりにと考えたのだろう。
神を信仰し、仕えていくことで、心身穏やかにと…。
別の最もあるかもしれないが、このもの達からはそのような邪な感情はないと判断した。が、そうなると、この子達は神官職となり、余程でなければ自分の伴侶として求められなくなる。
その辺りも父上は考慮したのだろう。丁寧に断りを入れて連れ帰る事が出来たのだ。
二人から離れられない僕達は、父上に願い出て、二人が目覚めるまで簡易ベットを置いてもらい、ずっと側で手を握り続けて魔力をを譲渡した。
譲渡しながら、この子達の…この子の身の上に起きた事を覗き見る。
それは悍ましい内容だった。
アスガルド伯爵家に、エドワルドとレイチェルの専属メイドとして勤めていたエレイン。当時、彼女はオズワルド伯爵家三女であり、彼女の祖父とアスガルド前伯爵が親友であったため、専属として務め続けれたようだった。あの代理と称する愚か者が手が出せない程…
だが、彼女の目を掻い潜り、彼女が目を離すしかない時、そう、メイドとして仕事をしているのだから、四六時中ついているわけにはいかない。その不在の時に………あったようだ。
僕達の能力は、相手の記憶を覗き見る事ができる。それは、治世を治める上では有用な能力ではあるが…
僕や弟のような能力は、極秘であるが、我が家では持って生まれるものは多い。
能力の差はあるが…
で、僕達は、別視点に切り替えても見れたりするから…
代理と名乗り出た男は、伯爵夫妻を殺害指示出した犯人だと断定した。そして、実行にも…そう、直接関与していたんだ。
僕達の能力で見ただけで、悔しいけれど状況証拠がなければ司法で裁けないが…
遠い親族である男は、僕達の叔母である夫人に以前から恋慕していた。夫人からは拒否され続け、前伯爵からも婚約の打診を拒否され続けていたようだ。それは、男が常に叫んでいたからそう理解できた。
父上からの情報もあるが…。
で、叔父の能力やそれ以外色々と勝手に妬み、憎悪して事故を装って殺害。夫人は殺害するつもりはなかったようだが、その時の何かが気に入らず、逆上しての殺害となったようだけどだ。
叔父達伯爵夫妻が亡くなった事で、前伯爵は体調を崩したのだろう。
手出しさせないように迅速に屋敷内に乗り込んで、代理と称して全権を奪い取った。
子供達を別邸に追いやってだ。
自分のストレスの捌け口に、兄であるエドワルドに行った事。妹であるレイチェルにもだ。それ以外にもあったようだ。彼女の方は傷跡が少ない。そして、少し覚えていない事もあるようなのだ…
二人の心だけでも護りたいと、闇属性持ちでもあったエレインが忘却の魔法を使用して、心が壊れないように蓋をしたり、傷の手当てを行ったりしてくれていたようだ。光魔法までは治療はできないが、闇魔法でも治癒魔法は存在するのだ。ただ、直ぐには治療できない事もあり、結果があれなんだろう。今は全て綺麗になったが…。
僕…苛立った時には俺とついつい言ってしまうが、怒り心頭で直ぐにでも見つけだして、惨たらしい死を与えてやりたい…いゃ、直ぐに死など与えてやるものか、苦痛に苦痛を重ね続けてやりたい!
弟も同じ思いだろう。
「兄上から父上に報告してもらっても良いですか?俺は…余りの怒りで上手く伝えれそうにない」
奥歯を噛み締めながら、弟も僕ではなく俺と言い、怒り心頭だ。
それを無理やり抑え込みながら、繋いだ手にもう片方の手を寄せて包み込むようにしていた。
「何で…何でその時、俺はエドワルドの…エドの側にいてやれなかったんだろう…。レイチェル…レイの側にいてやれなかったんだろう…」
「それは俺も同意見だ。だが過去の事だ。どうしようもない。時間の巻き戻し魔法なんてものは存在しないのだから…なら、これからの未来を俺達で守ったら良い。」
「そうだな。そうだよな…」
そう頷きあって、レイチェルの手を弟に託した。
弟は器用に二人の手を取り魔力を少しづつ流していく。
俺は見た事を、弟の分まで説明に父上の所に…
そう考えて部屋を出た。
97
お気に入りに追加
245
あなたにおすすめの小説

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

悪役令嬢カテリーナでございます。
くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ……
気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。
どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。
40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。
ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。
40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

密室に二人閉じ込められたら?
水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?


家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
21時完結
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる