兄様達の愛が止まりません!

文字の大きさ
上 下
12 / 109
悪役令嬢回避

とりあえず、頑張る

しおりを挟む
目を覚ました時、横にいつもの温もりを感じてホッとしたのだが…

優しく包み込むようにして私の手を握っている男の子の姿に驚いた。
ふかふかのベットの横に、少し窮屈そうな簡易ベット。そこに横たわる男の子は、あの時見た男の人。優しく微笑んでくれた…確か「叔父」と名乗っていた男性だ。その人と同じ髪だ…あの叔父様は金色の髪に蒼瞳の綺麗なお顔をしていた。その人と同じ金色の髪の男の子。少年と言ったほうがいいのだろうか?は私の手を優しく握りしめたまま、あどけない表情で眠りについていた。

手からは不思議なぐらい優しい魔力が流れてくる。

魔力の事や魔力操作はいつも側で私達のお世話をしてくれていた優しい女性。 エレインから教わっていた。
彼女の仕事は多岐に渡っていたから、ずっと私達二人についていられなかったが…専属メイドであるとせっせとお世話をしてくれたんだ。あの出れなかった屋敷で…

そんな事を考えていたら、横で眠っていた…そう、兄がごそごそと動き出した。
目が覚めたのだろう。
だが、まだ寝ていたいのか、上掛けを引っ張り上げていた。兄の方にも手を繋ぐ男の子がいた。
私の手を握りしめてくれているのと同じように兄の手を握りしめて器用に寝ている。
この二人、髪の色とかは違うけれど…寝ている顔はそっくりだ。
一瞬寝惚けて忘れていたけれど…

そこで、昔、兄から流れてきた不思議な映像が、再度頭の中で流れてきた。
その中に…不思議と読める「攻略本」と書かれた資料集。
何故それが資料集とわかるのかなんて関係ない。攻略本であるから…
他の人に説明は出来ないが、自分の中ではストンと落ちて納得できていた。

そう、後々ヒロインを虐める側、「悪役令嬢」と呼ばれる者…そう、現状私だ。が、兄と共に引き取られた先に、確か自分達よりも七歳と五歳年上の男の子達がいたんだ。なら実年齢は十二歳と十歳。少年だ…

まだ「ゲーム」とか言うもののストーリー展開する前段階。
色んな選択肢のある絵物語。しかも、動く絵物語で、時々絵が止まって選択肢が下の方に文字として出ていたんだけど…
その中の「悪役令嬢」と言っても、ちょい役でしかない…
えっ?ちょっと待って、私「悪役令嬢」の分類に入るけど、もう超ちょい役じゃない。「モブ」だったか?そんな感じ。
攻略本にもそんなに沢山書かれていない。


攻略者の内の二人…その父親が、あの場から助け出してくれた人。あの攻略本に数行だけ、私と兄の繋がりを説明するのに本当に少しだけ書かれていた…
えっ?助け出された時には、こんなに大切にされていたんですか?そこまでは書かれてなかったと思う。でも何で??
頭の中をぐるぐる回る。

混乱した私は意識を手放したんだ。
これは夢だと…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

……モブ令嬢なのでお気になさらず

monaca
恋愛
……。 ……えっ、わたくし? ただのモブ令嬢です。

家出したとある辺境夫人の話

あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』 これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。 ※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。 ※他サイトでも掲載します。

【完結】婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?

21時完結
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。 王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト 悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。 そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。 お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。 挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに… 意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

処理中です...