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悪役令嬢回避
とりあえず、頑張る
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目を覚ました時、横にいつもの温もりを感じてホッとしたのだが…
優しく包み込むようにして私の手を握っている男の子の姿に驚いた。
ふかふかのベットの横に、少し窮屈そうな簡易ベット。そこに横たわる男の子は、あの時見た男の人。優しく微笑んでくれた…確か「叔父」と名乗っていた男性だ。その人と同じ髪だ…あの叔父様は金色の髪に蒼瞳の綺麗なお顔をしていた。その人と同じ金色の髪の男の子。少年と言ったほうがいいのだろうか?は私の手を優しく握りしめたまま、あどけない表情で眠りについていた。
手からは不思議なぐらい優しい魔力が流れてくる。
魔力の事や魔力操作はいつも側で私達のお世話をしてくれていた優しい女性。 エレインから教わっていた。
彼女の仕事は多岐に渡っていたから、ずっと私達二人についていられなかったが…専属メイドであるとせっせとお世話をしてくれたんだ。あの出れなかった屋敷で…
そんな事を考えていたら、横で眠っていた…そう、兄がごそごそと動き出した。
目が覚めたのだろう。
だが、まだ寝ていたいのか、上掛けを引っ張り上げていた。兄の方にも手を繋ぐ男の子がいた。
私の手を握りしめてくれているのと同じように兄の手を握りしめて器用に寝ている。
この二人、髪の色とかは違うけれど…寝ている顔はそっくりだ。
一瞬寝惚けて忘れていたけれど…
そこで、昔、兄から流れてきた不思議な映像が、再度頭の中で流れてきた。
その中に…不思議と読める「攻略本」と書かれた資料集。
何故それが資料集とわかるのかなんて関係ない。攻略本であるから…
他の人に説明は出来ないが、自分の中ではストンと落ちて納得できていた。
そう、後々ヒロインを虐める側、「悪役令嬢」と呼ばれる者…そう、現状私だ。が、兄と共に引き取られた先に、確か自分達よりも七歳と五歳年上の男の子達がいたんだ。なら実年齢は十二歳と十歳。少年だ…
まだ「ゲーム」とか言うもののストーリー展開する前段階。
色んな選択肢のある絵物語。しかも、動く絵物語で、時々絵が止まって選択肢が下の方に文字として出ていたんだけど…
その中の「悪役令嬢」と言っても、ちょい役でしかない…
えっ?ちょっと待って、私「悪役令嬢」の分類に入るけど、もう超ちょい役じゃない。「モブ」だったか?そんな感じ。
攻略本にもそんなに沢山書かれていない。
攻略者の内の二人…その父親が、あの場から助け出してくれた人。あの攻略本に数行だけ、私と兄の繋がりを説明するのに本当に少しだけ書かれていた…
えっ?助け出された時には、こんなに大切にされていたんですか?そこまでは書かれてなかったと思う。でも何で??
頭の中をぐるぐる回る。
混乱した私は意識を手放したんだ。
これは夢だと…
優しく包み込むようにして私の手を握っている男の子の姿に驚いた。
ふかふかのベットの横に、少し窮屈そうな簡易ベット。そこに横たわる男の子は、あの時見た男の人。優しく微笑んでくれた…確か「叔父」と名乗っていた男性だ。その人と同じ髪だ…あの叔父様は金色の髪に蒼瞳の綺麗なお顔をしていた。その人と同じ金色の髪の男の子。少年と言ったほうがいいのだろうか?は私の手を優しく握りしめたまま、あどけない表情で眠りについていた。
手からは不思議なぐらい優しい魔力が流れてくる。
魔力の事や魔力操作はいつも側で私達のお世話をしてくれていた優しい女性。 エレインから教わっていた。
彼女の仕事は多岐に渡っていたから、ずっと私達二人についていられなかったが…専属メイドであるとせっせとお世話をしてくれたんだ。あの出れなかった屋敷で…
そんな事を考えていたら、横で眠っていた…そう、兄がごそごそと動き出した。
目が覚めたのだろう。
だが、まだ寝ていたいのか、上掛けを引っ張り上げていた。兄の方にも手を繋ぐ男の子がいた。
私の手を握りしめてくれているのと同じように兄の手を握りしめて器用に寝ている。
この二人、髪の色とかは違うけれど…寝ている顔はそっくりだ。
一瞬寝惚けて忘れていたけれど…
そこで、昔、兄から流れてきた不思議な映像が、再度頭の中で流れてきた。
その中に…不思議と読める「攻略本」と書かれた資料集。
何故それが資料集とわかるのかなんて関係ない。攻略本であるから…
他の人に説明は出来ないが、自分の中ではストンと落ちて納得できていた。
そう、後々ヒロインを虐める側、「悪役令嬢」と呼ばれる者…そう、現状私だ。が、兄と共に引き取られた先に、確か自分達よりも七歳と五歳年上の男の子達がいたんだ。なら実年齢は十二歳と十歳。少年だ…
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色んな選択肢のある絵物語。しかも、動く絵物語で、時々絵が止まって選択肢が下の方に文字として出ていたんだけど…
その中の「悪役令嬢」と言っても、ちょい役でしかない…
えっ?ちょっと待って、私「悪役令嬢」の分類に入るけど、もう超ちょい役じゃない。「モブ」だったか?そんな感じ。
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攻略者の内の二人…その父親が、あの場から助け出してくれた人。あの攻略本に数行だけ、私と兄の繋がりを説明するのに本当に少しだけ書かれていた…
えっ?助け出された時には、こんなに大切にされていたんですか?そこまでは書かれてなかったと思う。でも何で??
頭の中をぐるぐる回る。
混乱した私は意識を手放したんだ。
これは夢だと…
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