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運命が回る
そして…
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カルロスの無事を確認した数日後、夫から相談があると、彼の執務室に呼ばれた。
やや疲れ切った表情であるが?
それに、王太子殿下と王弟殿下が彼の執務室のソファーに既に座られていた。
思わず手にした扉を閉めてしまおうと…
「優里。何処に行こうと?まぁ気持ちはわかるけれど…」
苦笑いしながら近づく夫に阻まれて手を取られて、そのまま腰を抱かれて室内に促されてしまった。
一緒に来たシルバーは廊下で待機だ。
室内には、我が家の家令だけが許可されているようで、みんなの分のお茶の世話などをしていた。
夫の横に座らされて、殿下方と対峙するように座る。
「多重に結界を張っておいたから、他にも話が漏れる事はない。まぁ、数日後には一部公表するんだけどね。」
そう言って話し出したのは、義理の息子。カルロスの夫となったジャディール殿下だ。
まぁ、もう一人も義理の息子になるんだけれども…
貴族バランス的にはどうかと思うけれども、こればかりはどうしようも無い。
この国ではあるあるの話らしい。
何せ、竜人族。運命の番に対しては、ほぼ絶対的に囲うしね…
これを余程で無い限り妨害しようものなら血の雨が降るらしい。
余程の事。
そう、運命の番に出会う前に、相手がその事に気づかず他者と婚姻している場合だ。
竜人族にとっては運命の番の幸福が絶対。相手が家庭を持っている場合は、泣く泣く見守る態勢になる。
虐待行為などをされていた場合は引き離して自分のものにしてしまうらしいけれど…
後、婚姻していたが、何かしかの諸事情で独り身になっていた場合も…
まぁそれはあくまで余談だが。
「実は、今代の聖女の件だ。過去の聖女達もだが、聖女自身に『運命の番』が存在していた場合、その国の者に嫁がせる事になっている。身元引受人は、国同士のバランスも考え、また受け入れ先もだが。で、今回は我が国が身元引き受けとなった。」
そこで一旦お茶を口にして、長い足を組み直してさらに話が続く。
要は、今回の聖女。まぁ神の所為ではあるけれど、我が息子に迷惑をかけたあの少女を我が屋敷に受け入れるようにとお達が来たという事だ。
我が家はそれなりの貴族。しかも、王室とかなり関係をきしている。
あの少女も出来ればと言って来たらしい。
そこまで言われてしまえば…断る選択肢はほぼ皆無だ。
「そうなのですね…はぁ~~~~。」
一旦大きなため息が出てしまう。
彼らの前では本来は不敬な行為であるが、そこは仕方ないと許してくれていた。
苦笑いはされていたけれども…
「わかりました。子供達もほぼ独立しましたし、屋敷には部屋は十分にありますしね。子供達には?」
「あぁ、明日にでも説明しようと思う。カルロス以外だがね。あの子は既にアカデミーに戻ってしまっているからね。向こうに行く用事があるから、その時に面会の申請を出して直接話すつもりだ。」
「義母上、私の方から先に伝えておきます。同じアカデミーに居ますからね。私は講師ではありますが、既に婚約者としても周りに周知されていますから。婚姻についての周知はあの子の卒業と同時にと考えています。今は学業に、学生生活に謳歌してもらいたいのでね。」
うん、かなり自重してくれているみたいだ。
本来なら、結婚していることを周りに周知したいのだろうけれども、そこは息子の事を考えてくださっているんだ。
ありがたいと思う。
「それで、彼女は…」
それから、いつこの国、この屋敷に来るのか。アカデミーにも入るらしく、その辺りの事も大まかに説明と相談をして、今回はお開きになったのだった。
やや疲れ切った表情であるが?
それに、王太子殿下と王弟殿下が彼の執務室のソファーに既に座られていた。
思わず手にした扉を閉めてしまおうと…
「優里。何処に行こうと?まぁ気持ちはわかるけれど…」
苦笑いしながら近づく夫に阻まれて手を取られて、そのまま腰を抱かれて室内に促されてしまった。
一緒に来たシルバーは廊下で待機だ。
室内には、我が家の家令だけが許可されているようで、みんなの分のお茶の世話などをしていた。
夫の横に座らされて、殿下方と対峙するように座る。
「多重に結界を張っておいたから、他にも話が漏れる事はない。まぁ、数日後には一部公表するんだけどね。」
そう言って話し出したのは、義理の息子。カルロスの夫となったジャディール殿下だ。
まぁ、もう一人も義理の息子になるんだけれども…
貴族バランス的にはどうかと思うけれども、こればかりはどうしようも無い。
この国ではあるあるの話らしい。
何せ、竜人族。運命の番に対しては、ほぼ絶対的に囲うしね…
これを余程で無い限り妨害しようものなら血の雨が降るらしい。
余程の事。
そう、運命の番に出会う前に、相手がその事に気づかず他者と婚姻している場合だ。
竜人族にとっては運命の番の幸福が絶対。相手が家庭を持っている場合は、泣く泣く見守る態勢になる。
虐待行為などをされていた場合は引き離して自分のものにしてしまうらしいけれど…
後、婚姻していたが、何かしかの諸事情で独り身になっていた場合も…
まぁそれはあくまで余談だが。
「実は、今代の聖女の件だ。過去の聖女達もだが、聖女自身に『運命の番』が存在していた場合、その国の者に嫁がせる事になっている。身元引受人は、国同士のバランスも考え、また受け入れ先もだが。で、今回は我が国が身元引き受けとなった。」
そこで一旦お茶を口にして、長い足を組み直してさらに話が続く。
要は、今回の聖女。まぁ神の所為ではあるけれど、我が息子に迷惑をかけたあの少女を我が屋敷に受け入れるようにとお達が来たという事だ。
我が家はそれなりの貴族。しかも、王室とかなり関係をきしている。
あの少女も出来ればと言って来たらしい。
そこまで言われてしまえば…断る選択肢はほぼ皆無だ。
「そうなのですね…はぁ~~~~。」
一旦大きなため息が出てしまう。
彼らの前では本来は不敬な行為であるが、そこは仕方ないと許してくれていた。
苦笑いはされていたけれども…
「わかりました。子供達もほぼ独立しましたし、屋敷には部屋は十分にありますしね。子供達には?」
「あぁ、明日にでも説明しようと思う。カルロス以外だがね。あの子は既にアカデミーに戻ってしまっているからね。向こうに行く用事があるから、その時に面会の申請を出して直接話すつもりだ。」
「義母上、私の方から先に伝えておきます。同じアカデミーに居ますからね。私は講師ではありますが、既に婚約者としても周りに周知されていますから。婚姻についての周知はあの子の卒業と同時にと考えています。今は学業に、学生生活に謳歌してもらいたいのでね。」
うん、かなり自重してくれているみたいだ。
本来なら、結婚していることを周りに周知したいのだろうけれども、そこは息子の事を考えてくださっているんだ。
ありがたいと思う。
「それで、彼女は…」
それから、いつこの国、この屋敷に来るのか。アカデミーにも入るらしく、その辺りの事も大まかに説明と相談をして、今回はお開きになったのだった。
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