竜の恋人

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運命が回る

運命が回り出す

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この分岐点を確か…

そう思った所でこの分岐点に差し掛かる…そう私達が通って来た方向に何故か見知った気配がした。
姉達も気づいたようで…

そう…あの子が運命の番であるジャディール殿下に腰を抱かれるようにして立っていた。
側にはあのディアブロが控えていて…
二人がお互いの顔を見合わせて微笑み合い、こちらを見て…

「ちょっと!何で二人がそんな!おかしいでしょ!!」

せっかくのいい雰囲気を破壊するように、そう叫びながらズカズカと二人の間を割り入ろうと歩み寄る聖女。
それをメンバーの者達が必死で止めていた。

「愛!急いで奥に行かないと!」
「そうだよ!行くよ!!」

メンバーの中には魔人族も竜人族もいるのだろう。
ずるずると引っ張られ、押されて嫌々目的地に連れて行かれた。
洞窟内だから、『離してよ!何で!!』と叫ぶ声が結構反響される。
その影響で魔物や魔獣が寄って来そうなのが心配ではあるけれど…


あぁ~、何て五月蝿くて傍迷惑な行動をするんだろうか…
それよりも…

「カル!!」

そう言って家族一同で周りを囲った。
急いで奥に行く必要性があるのは理解できているが、でも、急に消えた家族が姿を現せたのだ。
大切な我が子。そして、子ども達にとっては末の弟だ。
心配してここまで来たのだから、当たり前だと思う。
姉達や英霊達もそれを理解できているからか、取り敢えず見守ってくれていた。
ありがとう。

でも…何だか息子の雰囲気が少し変わった気がする。
殿下もだけれども…
なんて言うか…少し神聖的な感じ?
着ている服装の変化かもしれないけれど…
一緒にこの洞窟内に入って来た時と服装違うよね。
側に近づく時にはそんな事気にしなかったんだけれども、心が落ち着いて来ると…

それに、ディアの姿がない。
ディアブロと一緒にカルの側にいたはずの…
ディアブロを子供にしたような感じで、ディアブロみたいに擦れてなくて可愛かったのに…

私達家族の抱擁が落ち着いたのをみはらかって、姉達が側に来た。
うんうん、本当に良かった~。

「心配させて御免なさい。もう大丈夫。だから、一緒に奥に行こう」
「時間が余りないようだから、後で…」

後で説明ができる時間があるとは思えなかったけれども、取り敢えず頷いておいた。
夫達には並走しながら簡単にジャディール殿下から説明するようだ。
うん、そこはお任せしよう。
もしかしたら『思念伝達』みたいな方法を取るのかもしれないしね。
夫は同種族の竜人族。しかも公爵であり、長年の友。向こうは魔人族で元皇帝だからね。
うん、お任せしよう。

それよりも…
姉が未来視で見た洞窟。地図では確認したけれども、結構奥に続くのね…


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