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異世界の扉
試練
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あの後、シルバーと初めて出会った事について姉に教えたら、ものすごく驚いていた。
初めて見た姿、主が青いスライム。そして、他属性持ちであった為か、シルバーの属性が多種のスライムの姿だった事。封印を解いた時には、男性体であった事。神と同じく特に男女の属性がなく、今は女性体であるらしい事まで話した。多少話は前後したりしたけれど、賢い姉は理解してくれた。
「そんな事を有るんだろうか?!妹が嘘偽りを私に言うわけがないから…そっか…」
小声で呟いていたけれど、本人は口に出していないつもりのようだから、そこはスルーしておいた。
姉から未来視での事を教えられていたから、もしかしたらその場面も見知っていたのかも知れない。
神からの制限を設けられているのか、『全部は教えられなくてごめん』とも言われていたから。
姉の中で色々と模索しているのだろう。
そう話しながら、その日はお開きにした。
翌早朝、朝食後早速例の扉を観察しに行っているエドワード達を下から見上げる。
私と姉は地上で待機。うん、仕方ないよね。戦力にはなり得ないと思うし…
そう思いながら見上げて、いきなり背筋が凍る。
物凄く嫌な予感が…
横の姉も何か感じたのか、震えていた。
「沙也加、大丈夫?」
「ゆっ…優里…」
思わずふらつく姉を支えると、いきなり大きな声で叫んだ。
「危ないから、離れて~~~!!!!!」
それはいきなり起こった。
あと数段登れば扉に手が届くぐらいに彼らが登り詰めた時、勢いよく扉が開いた。
バーンと大きな爆発音と共に開ききり、そこから無数の腕と思われる物が伸びていく。
ある腕は扉を掴み、体を這い出して出ようとし、ある腕は何かを掴もうと…
アルホンス達は急いで剣を抜き応戦する。
ディアブロは、防御魔法を駆使しながら応戦していた。
あの場所では足場も悪く不利な状況だ。
だからと言って、扉を開けたままでは次々と…
隙間から出てきたのか、小さな黒い物が飛び出して、近くの騎士達に襲いかかっていく。
どうすれば良いのか、ただ見守っていただけの私に。
「ユーリ、私と一緒に来て。あれを締めないと。」
「閉めるってどうやって~~~」
いきなりガシッと私の腕を掴み駆け足で階段を登る。
訳がわからないけれど、とりあえず従って行くしかない。姉は何か知っているんだろう。
そして、私達が今この時必要とされる事を。
「この世界の二神。お願いだから扉の所まで無事に行かせて!!」
姉が天を見上げて叫んでいた。
この世界の住民は二神を祀っている。
光と闇の二神だ。黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神と銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神。
光の神は自身をリーミエ。闇の神はカーミエ。
だが、この他にも現在二人の神が関与している。
その神の名を、他者は知らないから、あえて声をあげて祈らなかったのかも知れない。
そう、アルメルア神とシルメール神を。
アルメルア神は多分手助けしてくれるだろう。シルメール神は邪魔してくる可能性が高いが…
姉の祈りが届いたのか、不思議なことに扉までの道が開いた。
アルホンス達が応戦しているが、彼らの間に二人が駆け上がれるぐらいに…
二人でその隙間を駆け抜ける。
アルホンスとエドワード殿下が手を伸ばして私たちを庇おうとするが、それは叶わないようだった。
でも…
ディアブロは何となく理解してくれているようだった。
不思議だと思うが、今は…
姉と扉に近づくと、不思議と伸び出してきていた手が引っ込んでいく。
少し暴れているようにも見えるが…
既に出てきてしまっている異様な物達。多分これが『悪魔』と呼ばれる物達だろう。それらは私達以外を襲うが、私達を襲ってくる事はなかった。
多少腕とかにかすめる事はあってでもだ…
本当、虫ぐらいの小さい…小悪魔?
伸びてきていた手が扉の内側に戻ったところで、二人で扉を閉めようと頑張ってみる。
勢いよく開いたのに、閉める時はかなりの抵抗が…
しかも、自分達の魔力が奪われていくのか脱力感が半端なかった…
初めて見た姿、主が青いスライム。そして、他属性持ちであった為か、シルバーの属性が多種のスライムの姿だった事。封印を解いた時には、男性体であった事。神と同じく特に男女の属性がなく、今は女性体であるらしい事まで話した。多少話は前後したりしたけれど、賢い姉は理解してくれた。
「そんな事を有るんだろうか?!妹が嘘偽りを私に言うわけがないから…そっか…」
小声で呟いていたけれど、本人は口に出していないつもりのようだから、そこはスルーしておいた。
姉から未来視での事を教えられていたから、もしかしたらその場面も見知っていたのかも知れない。
神からの制限を設けられているのか、『全部は教えられなくてごめん』とも言われていたから。
姉の中で色々と模索しているのだろう。
そう話しながら、その日はお開きにした。
翌早朝、朝食後早速例の扉を観察しに行っているエドワード達を下から見上げる。
私と姉は地上で待機。うん、仕方ないよね。戦力にはなり得ないと思うし…
そう思いながら見上げて、いきなり背筋が凍る。
物凄く嫌な予感が…
横の姉も何か感じたのか、震えていた。
「沙也加、大丈夫?」
「ゆっ…優里…」
思わずふらつく姉を支えると、いきなり大きな声で叫んだ。
「危ないから、離れて~~~!!!!!」
それはいきなり起こった。
あと数段登れば扉に手が届くぐらいに彼らが登り詰めた時、勢いよく扉が開いた。
バーンと大きな爆発音と共に開ききり、そこから無数の腕と思われる物が伸びていく。
ある腕は扉を掴み、体を這い出して出ようとし、ある腕は何かを掴もうと…
アルホンス達は急いで剣を抜き応戦する。
ディアブロは、防御魔法を駆使しながら応戦していた。
あの場所では足場も悪く不利な状況だ。
だからと言って、扉を開けたままでは次々と…
隙間から出てきたのか、小さな黒い物が飛び出して、近くの騎士達に襲いかかっていく。
どうすれば良いのか、ただ見守っていただけの私に。
「ユーリ、私と一緒に来て。あれを締めないと。」
「閉めるってどうやって~~~」
いきなりガシッと私の腕を掴み駆け足で階段を登る。
訳がわからないけれど、とりあえず従って行くしかない。姉は何か知っているんだろう。
そして、私達が今この時必要とされる事を。
「この世界の二神。お願いだから扉の所まで無事に行かせて!!」
姉が天を見上げて叫んでいた。
この世界の住民は二神を祀っている。
光と闇の二神だ。黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神と銀色の髪にオパールの瞳の神が闇の神。
光の神は自身をリーミエ。闇の神はカーミエ。
だが、この他にも現在二人の神が関与している。
その神の名を、他者は知らないから、あえて声をあげて祈らなかったのかも知れない。
そう、アルメルア神とシルメール神を。
アルメルア神は多分手助けしてくれるだろう。シルメール神は邪魔してくる可能性が高いが…
姉の祈りが届いたのか、不思議なことに扉までの道が開いた。
アルホンス達が応戦しているが、彼らの間に二人が駆け上がれるぐらいに…
二人でその隙間を駆け抜ける。
アルホンスとエドワード殿下が手を伸ばして私たちを庇おうとするが、それは叶わないようだった。
でも…
ディアブロは何となく理解してくれているようだった。
不思議だと思うが、今は…
姉と扉に近づくと、不思議と伸び出してきていた手が引っ込んでいく。
少し暴れているようにも見えるが…
既に出てきてしまっている異様な物達。多分これが『悪魔』と呼ばれる物達だろう。それらは私達以外を襲うが、私達を襲ってくる事はなかった。
多少腕とかにかすめる事はあってでもだ…
本当、虫ぐらいの小さい…小悪魔?
伸びてきていた手が扉の内側に戻ったところで、二人で扉を閉めようと頑張ってみる。
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