竜の恋人

文字の大きさ
上 下
173 / 216
異世界の扉

試練

しおりを挟む
会議が終わり、私と姉は、とりあえず別室で話をしていた。
二人きりにして欲しいとあえてお願いし、エドワード殿下が何重も結界を張り巡らせてくれた。
密かにアルも施していたようだけれど、どれだけ心配性なんだろうか…
皆んながいるこの場所でここまで結界を張らなくてもいいと思うんだけれど、どんな不測の事態にも対応できるようにと強く念を押されて言われてしまえば、二人で了承するしかない。

部屋の外のドアには、シルバーとディアブロが待機していた。
室内で気配を消していますからと言われても、気になるからと二人でお願いしての結果がこの二人の待機だったんだ。

「エドワードさん、ものすごく過保護になってない?」
「そうなのよね。理由はわからないでもないけれど…」

姉が何とも言えない顔をすると、察するしかないだろう。
アルも結構…だからね…

「私の方もね、過保護なのよね…」
「そう言えば、結婚したんだったよね。遅くなったけどおめでとう。」
「うん、ありがとう。」

姉からのお祝いの言葉を贈られて嬉しい。
姉も…多分もう少しだと思う。
今は聖女としての使命である浄化巡礼が大詰めで、あの扉さえどうにかなれば…
私たち姉妹しかこの世界に身内はいない。
お互いが素晴らしい伴侶を得て、家族が増えれば嬉しい。

その為には、まずはあの脅威をどうにかしないといけない。
姉から教えられた事もあるけれど、文献も自分なりに調べたしね。

それに、あの男はまだ捕まっていない。
世界の恐怖を排除できても、個人的な恐怖がまだ…

それに関しては、アルは勿論、エドワード殿下が影の者を使って排除すると言ってくれていた。
彼らの力で守られるのも…うん、ありがたい。
自分一人では難しいものね。
おかげでしっかり護衛もつけられてるし。

そんな事も考えながら、会話をしていたら、『ドン』と大きな音が遠くでして、思わず窓辺に近ずいた。
窓の向こうに見える建物。
確か教会があるって言っていたと思う。

その場所より少し遠いと思われる場所から黒煙が上がった。
一体何事だろうか?

姉の方を見ると、何か知っている感じがする。
そして、少しホッとしている。どう言う事??

あの場所で戦闘があり、建物を破壊して黒煙が上がるような事が起こっているのは理解できるんだけれど…
もし、魔獣が出現したのなら、騎士達が走り回っていると思うんだけれども…

「サーヤと少し外に行きたかったけど、外で何かあったみたいね。」
「そうね。でも、騎士達が対処してくれているだろうから、もう少しここに居よう。」

そう二人で話しながら外を見ていた。
私では対処できそうに無いから、ここはお任せしておこうと言うことにした。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...