竜の恋人

文字の大きさ
上 下
157 / 216
異世界の扉

異世界の扉

しおりを挟む
結局は、姉は他の者達にはあまり説明できなかった。
多分、神からの制限がかかっていたのかもしれない。
伝えそうなキーワードが口から出そうになると、声が掠れて聞き取れず、場合によっては咳き込む次第だった。

紹介された、ディアブロは、魔塔関連から来ましたみたいなことを言っていたけれど、多分嘘だろう。
神からと言っても、風貌や装いなどから、神殿関係とはどうみても思えないから、そう言って誤魔化したとしか思えなかった。

この国の『障壁』に関しては、この国の王族であるエドワード殿下が説明していた。
混乱をきたさない程度に考慮してだと思う。
まぁ、それに関しては仕方ないと思うしね。もし、私が今現在いるセイクリオン公爵家領地やアステード王国に問題が生じていたとしたら、多分、自国でできそうな事は他国には漏らさないだろう…

それに、障壁も扉もと問題だらけであったら…まぁ、あれだよね。
士気が下がる。
下手したら、絶望に飲まれて、いまく行かなくなってしまう。

「障壁においては、各国からも応援が来ているから、これ以上の悪化は起こらない。むしろ改善•解決に向かって行くだろう。問題はあの扉だ。」

ディアブロが変わり、持っている情報と照らし合わせて、今後の方針を決めて行った。

「さて、まだ残っている瘴気溜まり。現時点ではこことここだ。これを浄化殲滅し、瘴気の力を減らして行く必要性があります。こちらの方がやや濃く、大きい物であるようで、こちらに聖女様方に赴いていただき、もう一つの方は、騎士と聖職者及び魔術師に浄化してもらいましょう。こちらの方は聖女様でなくてもどうにかなると思われます。もちろん、私もそちらに行き手伝わさせていただきます。その後、一気に扉を閉めて破壊です。」

「この二つを浄化しないと、扉は無理なのか?」
「はい。負の感情は直ぐに溜まってしまいます。それに恐怖心も。二箇所浄化してしまえば、次に溜まるまでの猶予ができ、その間に扉への対処が出来なければ、向こうの世界で待ち受けている悪魔の大群がこの地に降り立つ事になるでしょう。そうなると、また更なる困難が引き起こされてしまう。ですので、こちらを優先に。明日出発してでその後期限は二日ですね。」

「その二日は、浄化に関してだろうか?」
「はい。その通りです。その後こちらに戻って来るのが一日かかるとして、それ以上は難しいですね。」
「なら、やるしかないだろう。」

そう言って、テーブルの上に広げた地図に印をつけながら次々と計画を練り上げて行った。
その後、各自準備のため一旦解散となっのだけれども…

「少しよろしいでしょうか?」

そう言ってディアブロが、私と姉の側にやってきた。

「何かようですか?」
「はい。一つお願いがございまして…」

そう言うと、私の前に跪いた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

曰く付きの家に嫁いだら、そこは龍神さまのお屋敷でした~恋を知らなかった私達が愛にたどり着くまで~

あげは凛子
恋愛
※ただいま休載中です。ご迷惑をおかけしております。  時は大正時代。まだ明治時代が色濃く残るそんな時代。 異国で生まれ育った鈴は幼い頃に両親を亡くし、たった一人の親戚である叔父を頼って日本へやってきた。 けれど親戚達は鈴に当たりが強く、とうとう曰く付きで有名な神森家にお見合いに行く事に。 結婚が決まるまではお試し期間として身柄を拘束させてもらうと言う神森家の掟に従って鈴はその日から神森家で暮らすことになったのだが、この家の住人は皆どうやら人間ではなかったようで……。 龍と少女の現代恋愛ファンタジー。 ※こちらの作品はもんしろ蝶子の名義で『龍の箱庭』というタイトルでアマゾン様とがるまに様で発売中です。本でしか読めないイチャラブやおまけがありますので、そちらも是非! ※このお話はフィクションです。実在している団体や人物、事件は一切関係ありません。 ※表紙はACサイト様からお借りしたものを編集しています。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

処理中です...