竜の恋人

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異世界で愛を呟かれ

異世界で愛を呟かれ

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「優里。大切な話がある。そのままで聞いて欲しい。」
「大切な…話?」

「あぁ、実はさっき、城にいる殿下から伝達魔法陣が届いた。私と優里にだ。」

仕事中、書類仕事も多いが、時々伝達魔法も届いていたことを思い出す。
自分の魔力を伝達魔法陣に注ぎ作るもので、何かあれば送ってもらいたい相手に渡しておくものだ。それは声を収録して、魔力を注ぎ込んだ相手に飛ばされる物。
術式によっては音声調節もあるのだとか。
ヒソヒソ話ぐらいの音量で相手側に伝えたい事もあるかもしれないしね。
で、今回送られて来たのは、他のものに聴こえないぐらいの音量を下げていたものだったらしい。

送り主がこの国の王弟殿下という事は、国家においても大切な事案なんだろい。

思わず力が入って身構える。
身構えるのだが、抱き上げられたままのこの状態は如何なものだろうか??


「あぁ、このままで聞いて欲しい。」
「そんな重要な話なら下ろして欲しい。きちんと聞きたいから。」
「いゃ、このままで。」

う~ん、アルが何を考えているのかよくわからないよ。

「わかった。じゃ、話して…」

仕方なく私が折れることにした。

「実は…」

簡単いいうと、姉達がこの世界の神。そう、二人の神にお会いして、信託を受け取ったらしい。
この世界の神は『光』と『闇』の二神だ。教会などに祀られている神の像は各地でお姿が男性であったり女性であったりしているらしい。
神には特に性別は無いらしく、その場その場に応じてお姿を変えるのだとか。
これは、この領内の教会に行った時におしえてもらったんだ。

黄金の髪にオパールの様な瞳の神が光の神。銀色の髪にオパールの瞳様な瞳の神が闇の神らしい。
瞳がどちらとも同じなんだね。神の色はなんとなく、太陽と月を表せている様にも思う。
向こうの太陽と月をイメージしてしまったんだけどね…

光の神は『リーミエ』。闇の神は『カーミエ』。
姉はこの二人の神にお会いしたんだね…。
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