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異世界で愛を呟かれ
異世界で愛を呟かれ
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翌朝、いつもより早く目が覚め、早速と汚れても良い簡易の衣服を選んで着替えた。
この世界に降り立った当初は拒否気味であったが、これも彼女達の仕事だと受け入れて着替えなどの世話を受けていたが、今日は自分でと衣装部屋に入ろうとした。
できるだけ物音を立てないように注意していたのに、何故だか仕事着を着てニコニコで迎える彼女達に驚いてしまった。
「おはようございます。今日はこのドレスでいかがでしょう。」
出されたのは、エプロンドレス。
色合いも、汚れても目立たない感じだ。
ただ、うん、年齢的にどう?とも思ったが、『よくお似合いです。』と絶賛されてしまえば、日本人である自分はそれ以上強くはいえなかった。
朝食をいただき、さっそくと目的地に向かう。
そう、今日からポーションを作ろうと思っていたんだけど。
目的地に近くの庭園にルシルが楽しそうに朝露を飲んでは飛んでと、次から次へ飛びかっていた。
「おはよう。」
「おはよう~。今日は早いね~。」
そう言って私の腕の中に飛び込むようにして飛んできた。
本人は勢いよく飛び込んだつもりのようだが、些細な衝撃のみだった。
「サクラとソラは?」
「向こうの薬草園の方~。元気を分けてるよ~。」
「元気を分ける?」
うん、よくわからないが、お世話をしてくれてると言うことだろう。
ルシルを肩に乗せて更に歩いて行く。
うん、いる。
サクラとソラが楽しそうに飛びながら、そこからキラキラ輝く粉?みたいなのが降り注がれているようだった。
「えっと、金色の粉みたいなのが見えるのは気のせい?」
「ん~。あれはね~『妖精の祝福』って言われてるものだよ~。『元気にな~れ。』『大きく育て』『幸せのお裾分け~』みたいな感じ~。」
「『妖精の祝福』か。それを受けて育った薬草を使えば、皆んなが元気になれるポーションができそうだね。」
「うん、そうだね。ユーリが喜んでくれるように頑張ってるんだ。他にもいるんだよ~」
「他?」
「うん、この屋敷って、精霊や妖精を大切にしてくれてるみたい~。だから、皆んな協力するって来てくれてるんだよ~。」
そう言われて瞼をそっと手で閉じられた。
手がのけられて瞼を開けると、そこには多くの小さな羽の生えた可愛い子達が飛び交っていた。
可愛いとんがり帽子。お花を逆さにして被ってる?みたいな帽子にウサギや猫のような耳が生えて見えるもの達もいた。
「凄い…」
「後で、甘いお菓子や角砂糖をプレゼントするともっと喜ぶよ。甘い物が好きなんだ。なかったら何でも良いけど、辛い物や塩っぱい物は辞めてあげてね。泣いちゃうから。」
「辛い物や塩っぱい物が苦手なのね。うん、わかった。今はこれしか無いけど良いかな?」
ポケットには飴の袋を入れていた。
疲れた時にポンと口に入れてコロコロさせると元気が出るからね。
疲れた時には甘い物だ。
「うん、それで喜ぶよ。」
そう言われて、ハンカチの上に飴を置く。
全部は自分用が無くなるから、三つだけ残して、それ以外を置いてみた。
すると、ワラワラと集まって来て、嬉しそうに抱きしめたりしながら舐めていた。
うん、こんなにいたんだ。次からはもっと多く準備しようと思った。
この世界に降り立った当初は拒否気味であったが、これも彼女達の仕事だと受け入れて着替えなどの世話を受けていたが、今日は自分でと衣装部屋に入ろうとした。
できるだけ物音を立てないように注意していたのに、何故だか仕事着を着てニコニコで迎える彼女達に驚いてしまった。
「おはようございます。今日はこのドレスでいかがでしょう。」
出されたのは、エプロンドレス。
色合いも、汚れても目立たない感じだ。
ただ、うん、年齢的にどう?とも思ったが、『よくお似合いです。』と絶賛されてしまえば、日本人である自分はそれ以上強くはいえなかった。
朝食をいただき、さっそくと目的地に向かう。
そう、今日からポーションを作ろうと思っていたんだけど。
目的地に近くの庭園にルシルが楽しそうに朝露を飲んでは飛んでと、次から次へ飛びかっていた。
「おはよう。」
「おはよう~。今日は早いね~。」
そう言って私の腕の中に飛び込むようにして飛んできた。
本人は勢いよく飛び込んだつもりのようだが、些細な衝撃のみだった。
「サクラとソラは?」
「向こうの薬草園の方~。元気を分けてるよ~。」
「元気を分ける?」
うん、よくわからないが、お世話をしてくれてると言うことだろう。
ルシルを肩に乗せて更に歩いて行く。
うん、いる。
サクラとソラが楽しそうに飛びながら、そこからキラキラ輝く粉?みたいなのが降り注がれているようだった。
「えっと、金色の粉みたいなのが見えるのは気のせい?」
「ん~。あれはね~『妖精の祝福』って言われてるものだよ~。『元気にな~れ。』『大きく育て』『幸せのお裾分け~』みたいな感じ~。」
「『妖精の祝福』か。それを受けて育った薬草を使えば、皆んなが元気になれるポーションができそうだね。」
「うん、そうだね。ユーリが喜んでくれるように頑張ってるんだ。他にもいるんだよ~」
「他?」
「うん、この屋敷って、精霊や妖精を大切にしてくれてるみたい~。だから、皆んな協力するって来てくれてるんだよ~。」
そう言われて瞼をそっと手で閉じられた。
手がのけられて瞼を開けると、そこには多くの小さな羽の生えた可愛い子達が飛び交っていた。
可愛いとんがり帽子。お花を逆さにして被ってる?みたいな帽子にウサギや猫のような耳が生えて見えるもの達もいた。
「凄い…」
「後で、甘いお菓子や角砂糖をプレゼントするともっと喜ぶよ。甘い物が好きなんだ。なかったら何でも良いけど、辛い物や塩っぱい物は辞めてあげてね。泣いちゃうから。」
「辛い物や塩っぱい物が苦手なのね。うん、わかった。今はこれしか無いけど良いかな?」
ポケットには飴の袋を入れていた。
疲れた時にポンと口に入れてコロコロさせると元気が出るからね。
疲れた時には甘い物だ。
「うん、それで喜ぶよ。」
そう言われて、ハンカチの上に飴を置く。
全部は自分用が無くなるから、三つだけ残して、それ以外を置いてみた。
すると、ワラワラと集まって来て、嬉しそうに抱きしめたりしながら舐めていた。
うん、こんなにいたんだ。次からはもっと多く準備しようと思った。
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