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異世界で愛を呟かれ
異世界で愛を呟かれ
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その後、二人で食事を済ませ、くつろぐ。
少し離れてくつろぐのかと思ったけれど、それは却下されてしまった。
だって、アルはお酒を嗜むから、テーブルの側で簡単に摘めるものとアルコールの瓶とグラスが側にあった方がいいと思ったのよ。私は少し本を読みたかったの。
でも、横抱きにされたまま、私の顔を覗き込み、時には読んでいるページを覗き込んではグラスの中に注がれている液体を美味しそうに嗜んでいた。
髪を掬いもてあそび、頬を撫でてきたりもする。
移動しようものなら手が伸びてきて、元の位置に戻された。
「アル?何かあった?」
いつも以上に側にいたがるアルに違和感を感じて、そう尋ねてみた。
一瞬目を泳がせるも、じーっと見つめ続けて諦めたようだ。
「あぁ、国王に呼ばれてね、今の現状報告だけで済めばよかっらんだけれど、それ以外の情報もあって、対策を練ってきていた。」
「もしかして、姉達の事?何か問題でも起こったの?」
「あぁ、そちらは今は順調に行えているようだ。あくまで今はだが。あの男の事で情報が入った。その対応だ。」
そう言うと、グラスをテーブルに戻して、ぎゅっと抱きしめ直された。
私の顔色が一瞬悪くなったのかもしれない。
背中に冷たいものを感じて、手が震え出したから…
「大丈夫か?この話は…今度にしよう…」
「いいえ!今教えてください。大丈夫だとは言い切れないけれど、教えてください。」
あの男。私を攫って研究と称して虐待した男。そして、私の世話をしてくれたケイト。猫科の獣人族である彼女を傀儡とし、最終的には命を散らしてしまった原因の…
あの時の恐怖はまだ残っている。でも、聞かない理由にはならないはずだ。
そう強く懇願した。
しばらく私の顔を見つめていたが…
「わかった。だが、無理だと思ったら直ぐに言って欲しい。また、無理だと判断したら、話はそこまでにする。それでも良いか?」
そう問われて、頷いた。
「わかった。」
そう言うと、アルは今日知り得てきた情報を私の顔色などを確認しながら話してくれた。
私を救出するに際して、魔塔の建物を破壊したことに関しては、ディール帝国及び魔塔も追求してくる事はない事。
自分達は誘拐された者を救出際に抵抗されて…と言う事になったらしい。
実際は、破壊して救出したんだけど、対して変わらないとの事だ。
本当だろうか?変わると思うんだけど…
実際に同行して救出してくれた人がそう言ったのだからと言われて、なら…と思った。
ディール帝国としては、これを機に、魔塔の大掃除を行うらしい。
魔塔に住んでいる者全てが悪に手を染めている訳でなく、単純に研究大好きで、魔道具研究者などもいるからだとか。
道徳的観点からも判断していくとも言っていたらしい。
ロザリアン神聖国では、あの男は側室が産んだ皇子であるが、今回の事で、皇族としての権利剥奪などの処置が行われたそうだ。しかも、見つけ次第拘束。法的罰則に処すと言っていたとか。
この辺りは、なるほどと思った。
ただ、まだ逃亡中であり、見つけられていないから、今後も注意は必要であるらしい。
そして、私の身柄は、あの時、シュタルク領内で書いた婚約の書類は婚姻のものであり、私とアルの婚姻は法的にも認められているため、アルホンス・セイクリオンの妻、ユウリ・セイクリオンが今の私なのだとか。
この国では日本語の優里は登録する事は難しいらしい。だが、ユウリであり、優里でもあるのだから、婚姻届けなどの戸籍関係以外の書類では、どちらを書いても良いと言われた。
これは、特別ではなく、過去の聖女達が強く願ったために叶った事なんだとか。
どちらを書くのも本人次第という事は、嬉しいと思う。
呼び方でも意味はあるが、日本人において、名前の漢字にも意味があるのだ。
両親から贈られた生まれて最初の贈り物だ。
それを大切にさせて貰えるのはものすごく嬉しいと感謝した。
少し離れてくつろぐのかと思ったけれど、それは却下されてしまった。
だって、アルはお酒を嗜むから、テーブルの側で簡単に摘めるものとアルコールの瓶とグラスが側にあった方がいいと思ったのよ。私は少し本を読みたかったの。
でも、横抱きにされたまま、私の顔を覗き込み、時には読んでいるページを覗き込んではグラスの中に注がれている液体を美味しそうに嗜んでいた。
髪を掬いもてあそび、頬を撫でてきたりもする。
移動しようものなら手が伸びてきて、元の位置に戻された。
「アル?何かあった?」
いつも以上に側にいたがるアルに違和感を感じて、そう尋ねてみた。
一瞬目を泳がせるも、じーっと見つめ続けて諦めたようだ。
「あぁ、国王に呼ばれてね、今の現状報告だけで済めばよかっらんだけれど、それ以外の情報もあって、対策を練ってきていた。」
「もしかして、姉達の事?何か問題でも起こったの?」
「あぁ、そちらは今は順調に行えているようだ。あくまで今はだが。あの男の事で情報が入った。その対応だ。」
そう言うと、グラスをテーブルに戻して、ぎゅっと抱きしめ直された。
私の顔色が一瞬悪くなったのかもしれない。
背中に冷たいものを感じて、手が震え出したから…
「大丈夫か?この話は…今度にしよう…」
「いいえ!今教えてください。大丈夫だとは言い切れないけれど、教えてください。」
あの男。私を攫って研究と称して虐待した男。そして、私の世話をしてくれたケイト。猫科の獣人族である彼女を傀儡とし、最終的には命を散らしてしまった原因の…
あの時の恐怖はまだ残っている。でも、聞かない理由にはならないはずだ。
そう強く懇願した。
しばらく私の顔を見つめていたが…
「わかった。だが、無理だと思ったら直ぐに言って欲しい。また、無理だと判断したら、話はそこまでにする。それでも良いか?」
そう問われて、頷いた。
「わかった。」
そう言うと、アルは今日知り得てきた情報を私の顔色などを確認しながら話してくれた。
私を救出するに際して、魔塔の建物を破壊したことに関しては、ディール帝国及び魔塔も追求してくる事はない事。
自分達は誘拐された者を救出際に抵抗されて…と言う事になったらしい。
実際は、破壊して救出したんだけど、対して変わらないとの事だ。
本当だろうか?変わると思うんだけど…
実際に同行して救出してくれた人がそう言ったのだからと言われて、なら…と思った。
ディール帝国としては、これを機に、魔塔の大掃除を行うらしい。
魔塔に住んでいる者全てが悪に手を染めている訳でなく、単純に研究大好きで、魔道具研究者などもいるからだとか。
道徳的観点からも判断していくとも言っていたらしい。
ロザリアン神聖国では、あの男は側室が産んだ皇子であるが、今回の事で、皇族としての権利剥奪などの処置が行われたそうだ。しかも、見つけ次第拘束。法的罰則に処すと言っていたとか。
この辺りは、なるほどと思った。
ただ、まだ逃亡中であり、見つけられていないから、今後も注意は必要であるらしい。
そして、私の身柄は、あの時、シュタルク領内で書いた婚約の書類は婚姻のものであり、私とアルの婚姻は法的にも認められているため、アルホンス・セイクリオンの妻、ユウリ・セイクリオンが今の私なのだとか。
この国では日本語の優里は登録する事は難しいらしい。だが、ユウリであり、優里でもあるのだから、婚姻届けなどの戸籍関係以外の書類では、どちらを書いても良いと言われた。
これは、特別ではなく、過去の聖女達が強く願ったために叶った事なんだとか。
どちらを書くのも本人次第という事は、嬉しいと思う。
呼び方でも意味はあるが、日本人において、名前の漢字にも意味があるのだ。
両親から贈られた生まれて最初の贈り物だ。
それを大切にさせて貰えるのはものすごく嬉しいと感謝した。
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