竜の恋人

文字の大きさ
上 下
118 / 216
異世界で愛を呟かれ

異世界で愛を呟かれ

しおりを挟む
アルはしばらく屋敷にいてくれて、色々と世話をしてくれた。
本当に呆れるぐらいだ。
食事の時は膝の上に乗せられて、雛鳥のように食べさせられ、常に側にいる感じだった。

「優里、今日は少し王城に行って来る。夕刻には戻るから…」

王弟殿下であるジャディール•アステード殿下も国に帰られて、国政に携わっているようだ。
アルもそれに殉じて公務に出る必要性があるとか。
お仕事だもの、いつまでも私のそばに居続けるのはどうかと思う。

この屋敷はさすが竜人族の邸宅と思える場所が数箇所あった。
竜人である彼らは馬車や馬での移動も行うが、竜体となって飛行する際に着地できるように広い範囲で整えられた空間があった。
今、アルはそこから飛び立とうとしていた。

竜体に変化した彼の姿はとても美しいと思う。
カメラがあれば連写してでも残して飾りたいほどだ。

『行って来る。帰りには何か買って来るから楽しみにしていて欲しい』

そう言って、そっと大きな顔を寄せられた。
そして、ゆっくりと離れていき、一気に飛び上がっていく。
飛び上がる際に巻き上がる風で飛ばされるのを覚悟していたけれど、ふわっとした膜に護られて微風を感じるだけだった。

「奥様。大丈夫ですか?」

そう言って声をかけてきたのはこの屋敷の執事。
彼がいうには、竜人族からの刻印を通して、贈った者の魔力である程度防御されるのだとか。

拐われた時には、刻印を送られてわずかという事もあり、本来の防御の力が発動せず、また強い魔力操作を使われた為、守りきれなかったのだろうと言われた。
それだけの力があの男にあったのかと思うと絶句する。


無理矢理付けられていた首輪。
奴隷商人が使う『隷属の首輪』と同じものだと言われた物。『不服従禁止』『自死禁止』『発語禁止』『魔力封じ』『位置探索』を刻み込んでいたあの首輪は、この屋敷に来る前に魔術師・魔導士のエドワード様が外してくれたと言っていた。
『興味がある』と、研究材料として持ち帰ったらしい。
外してくれて、他にも色々と助けてくれた方ではあるが…魔術師として研究するんだね…
何だか怖い気がする。
うん、あまり使ってほしくないな…


今頃は姉の側だろうか…

「そうだ、ポーションはどうしたらいいんだろうか?今まで作っていたのに…もし不足とかしたら、沙也加。サーヤが困るんじゃ…」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

(完)愛人を作るのは当たり前でしょう?僕は家庭を壊したいわけじゃない。

青空一夏
恋愛
私は、デラックス公爵の次男だ。隣国の王家の血筋もこの国の王家の血筋も、入ったサラブレッドだ。 今は豪商の娘と結婚し、とても大事にされていた。 妻がめでたく懐妊したので、私は妻に言った。 「夜伽女を3人でいいから、用意してくれ!」妻は驚いて言った。「離婚したいのですね・・・・・・わかりました・・・」 え? なぜ、そうなる? そんな重い話じゃないよね?

【R18】騎士たちの監視対象になりました

ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。 *R18は告知無しです。 *複数プレイ有り。 *逆ハー *倫理感緩めです。 *作者の都合の良いように作っています。

処理中です...