竜の恋人

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異世界で愛を呟かれ

異世界で愛を呟かれ(マルクス)

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ギギギッとなんとも言えない音とをさせながら開けられた場所は、あの時から少しづつ作り上げてきたとっておこの場所だ。
魔塔の敷地内に創り上げたもの地下空間。
岩と土を魔法を駆使して固めた壁が周りを覆っている大きな空間だ。
あえて天井もかなり高くし、魔石を使った魔道具の照明が幾つも付けた。
映像で外が明るい時にはこの部屋も明るくするような工夫もしているし、雲が流れたり星を輝かせても見た。

空気浄化などの特殊な魔法陣跡を設置して地下ならではの異臭や湿気などもないようにした。
捉える者が飽きないように庭園も作った。その時はもうワクワクが止まらなかった。
いろんな事を想像しながら作っていくのも楽しかった。
そう、ここは欲しかったモノを捉えておくための箱庭だ。

サンルームをイメージしながら作られた箱庭と言っても良い特殊空間。中央に配置された鳥籠の様な檻。
檻の入り口は開けられたままだ。
その中にベットが置かれている。

捉えたモノがどこに居ようとわかるように配慮して作った。
檻の周辺には小さな草花が生えており、しゃがむと見えないぐらいの高さに保たれた生垣がところどころに配置した。
ただ、足元にはわずかな空間があり、姿を隠す事はかなりの困難な様にだ。


「さて、何処にいるだろうか…」

鳥籠の中にはいないようだ。
だが、確実に私の小鳥はこの中にいる。


「おや?ふむ…探せ!!」

背後に付き従えていた者から小箱を受け取り、足蹴にして命じた。
猫科である獣人族の女はクンクンと臭いを探すようにして、私の小鳥に向かってかけて行った。

向こうにいたのか…入浴場所の近くで隠れていたようだ。急いで立ち上がり逃げようとしたようだが、獣人族の足には敵わないだろう。ふむ、押さえ込まんだか。

呑気に鼻歌を歌いながら近づく。


「ケイト、ケイト。お願い離して!!」

涙目になりながら逃れようと暴れる小鳥をしっかりと押さえ込んでいる。
よしよし…

「クックック。こんなところに隠れているとは。困ったものですね。」

そう言って、クイット顎を上げて顔を覗き込んだ。
あの時見た美しい黒はもう無い。だが、間違いなくあの時欲しいと思ったモノだ。

「初めまして。私は君の主人となるマルクスです。マルクス•ロザリアン。」
「離して。近づかないで。触らないで!!」

女に抑え込まれて踠くも、押さえ込んでいるのは獣人。よってただ首を振るぐらいしかできないか…
ヒト族は非力だ。

「反抗的な態度ですね。まぁ今はいいでしょう。ご主人様から特別にこれをプレゼントすれば従順になるでしょう。」

小箱から金属製の物を取り出し、華奢な小鳥の首に付ける。
そう、特別性の首輪だ。

「もう離してもいいですよ。」

そう命じて女を退ける。そして私の愛しい小鳥に命じた。

「さぁ、立ちなさい。」

逃げたそうに表情を強張らせたが、その身体は私の命じた通りに動く。

「うう~~~う~~(何をしたの!!)」

大きな声で喋ったつもりが唸り声しか出ないのに驚いたようだ。
本当は声を奪うのは嫌だった。
可愛く鳴かせたいかたね。でも、もしもの時に秘匿したいことも喋られては困る。だから奪ったのだが…

「あなたにプレゼントしたのは特別性の首輪です。奴隷商人が使う『隷属の首輪』と同じような物ですね。ただし、これに刻み込んだものは特殊なものでして、『不服従禁止』『自死禁止』『発語禁止』『魔力封じ』『位置探索』を刻み込んでます。良いでしょう。これであなたを思う存分楽しんで研究して可愛がって差し上げますよ。」

余りにも嬉しすぎて、ついつい大振りのジェスチャーをしながら説明した。
そして…

「そのままで」

そう命じて、触りたかった髪を一房とって香りを嗅ぐ。
しっとりと艶やかな髪。良い香りだ。
少しだけ肩の方から嫌な魔力を感じたが、これは例の蜥蜴のせいだ。
後々研究して消し去ろうと心に決めた。

「私の事は『ご主人様』と呼びなさい。良いですね。そうですね。そのうちここにも私のモノである事を実感してもらいましょう。私の子を孕らさせてあげますよ。クスクス…」

そう言いながら小鳥の腹部を撫でられる。
そう、ヒト族は優秀な子孫を増やせる。
私との…それもまた楽しみの一つだ…


「はい。ご主人様」

『こんな事言いたくない』と言った表情だが、言葉は私の求める言葉のみ返答させた。
『発語禁止』も少しいじっている。私が言わせたい言葉を言わせるために。
自己満足と言われるかもしれないが、そのうち言い続ければ己から私の求める言葉を言うようになるのではとも思っているからね。
私の小鳥は私のための愛玩人形でもあるのだから…

「お前は今後この者の世話をするように。今日はこれだけ貰いましょうか…」

そう言って、掴んだ髪をナイフで切った。
これはサンプルと研究材料に…

「ここでは自由に過ごしなさい。ただしこの部屋以外には勝手に出ていく事は出来ませんよ。それではまた明日。」

ぷっくりした愛らしい唇の味と、そこから魔力を味わいたいと、ねっとりと唇を合わせた。
清らかな魔力を感じる。これは病みつきになりそうだ…

涙が滲んでいるようだが、今はまだ許そう。私は寛大だからね。


背後の女に今後の世話をするよう命じて、この部屋を後にした。
あぁ、次はどうしようかな~~~


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